日本人なら知っておきたい日本文学 ヤマトタケルから兼好まで、人物で読む古典 (2011/08/25) 蛇蔵、海野 凪子 他 商品詳細を見る |
蛇蔵&海野凪子の『日本人なら知っておきたい日本文学――ヤマトタケルから兼好まで、人物で読む古典』(幻冬舎/972円)を購入。
蛇蔵の『決してマネしないでください。』がすごく面白かったので、旧作を読んでみた。
このコンビの作品でいちばん売れているのは、『日本人の知らない日本語』シリーズらしい。じつはそっちの1巻も一緒に読んでみた。そこそこ面白かったが、「2巻以降はべつに読まなくてもいいかな」と思った。
この『日本人なら知っておきたい日本文学』のほうが、私には面白かった。続編が出たら買いたいと思うのだが、とりあえず1冊で打ち止めらしい。
日本語教師である海野がエッセイを担当し、蛇蔵がマンガを担当している。
『朝日新聞』掲載の著者インタビューによれば、「この1冊のために読んだ関連書籍や資料は100冊を超える。一コマ描くのに、3冊を読み込んだこともあった」という。
そのようによく調べて描かれているのに、お勉強の成果をガチガチに詰め込んで難しくするような愚は犯しておらず、ひたすら軽快で楽しい。
紫式部も安倍晴明も鴨長明も、みんな可愛らしい三頭身キャラになって登場し、絵柄もスッキリ。
大人が読んでも楽しくてためになる「教養コミック」だが、中高生に読ませたら古典への苦手意識が払拭される効果があるのではないか。学校で副読本に用いたらよいと思う。
ところで、蛇蔵が女性(しかも女教師風美人)であることを、私は上記のインタビューで初めて知った。
ううむ、マンガ家はペンネームでは性別がわからんなあ(久保ミツロウや荒川弘が女性だったり)。
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