人間、誰しも生きていれば一つや二つの悩みをお持ちだと思います。
そこで今回、悩みを理性的に解決する方法について書こうと思います。
悩みというのは、正しい知識、考え方、習慣さえ身につけていたら、ある程度処理できるものです。
最初に言っておきますが、全ての悩みを解決できるわけではありません。
あくまでも、小事クラスの悩みです。
身内が亡くなったなどは、理性的にどうにかできるものではありません。
時が癒してくれるのを待ちましょう。
それではいきます。
まず前提となる知識ですが、「悩み」というのは、「考える」ことで対処できます。
「考えるべき時」に「正しい考え方」をすることで、処置を施すことができるのです。
「考えるべき時」
悩みを解決する際に大切なことは、「悩みを考えるべき時に考える習慣」を身に付けることです。
これはとても大切なことです。
多くの人が悩みに対して疲弊している主な原因がここにあります。
ここでは悩みに対して疲弊していく代表的な2パターンを紹介します。
一つ目は「悩みに対して、不十分に考える人」です。
隙間時間に中途半端にあれこれ考えて、何の決断も行動指針も打ち出すことなく、悩みを堂々巡りさせている人です。
その結果として、不眠症になる、気疲れする、思考力・決断力が鈍る、といった不快な状態に陥ります。
そして、二つ目は「悩みを直視しない人」です。
悩みにおいて、一番有害でたちが悪いのがこれです。
つまり、何か悩みがあるのに、その悩みと対峙することを嫌っている人です。
この人たちは、悩みと向き合いたくないために様々なことをします。
何か別のことを考えたり、娯楽とか仕事をして考えをまぎらわそうとします。
しかし、悩みというのは、直視しないことでますます募ってくるものです。
その結果として、前述のように不快な気分になります。
つまりまとめますと、悩みというのは、四六時中、不十分に考えるのではなくて、考えるべき時に十分に考えることが大切なのです。
悩みに対処する正しい方法とは、理性的に、平静に、しかし大いに思考を集中させて、その悩みがすっかりなじみのものになるまで考えぬくことです。
ポイントは「考える」ではなく、「考えぬく」です。いつもより一段と多く考えてみるといいでしょう。
「正しい考え方」
次に、では具体的にどのように考えていくのか、という考え方の部分です。
ここからは必ず紙に書いて考えてください。
紙に書くことで、思考を深度化させることができます。
やることは簡明です。
以下の2つのことを自問自答するだけです。
・「自分は今何を悩んでいるか?」→「悩み」を把握する
・「それに対して、自分は何ができるか?」→自分の行動指針を決める
「悩み」の正体を把握する
自分が今悩んでいることを紙に書いてみることで、悩みの正体を把握することができます。
その際、「自分は今何を悩んでいるか?」という質問を、自分に投げかけてみるといいでしょう。
ポイントは、感情を持ち込まずに、客観的に事実を書くことです。
悩みの正体を正確に把握することで、悩みごとの半分は解決されたといっても過言ではありません。
それぐらい悩みの正体を「把握」することは、大切なことです。
自分の行動指針を決める
次は、「自分がその悩みに対してどのように行動するのか」を決めます。
自分は何ができるのか、どのように行動するのか、を紙に書き記し、その悩みに対しての具体的な行動を決めます。
そしてここが肝心なところですが、一度決めた以上は、何か新しい事実が出てこない限り、修正してはいけません。
優柔不断ほど心身を疲れさせるものはなく、これほど不毛なものはありません。
ひとたび決断を下したら、あとは実行あるのみです。
最初でも少し言いましたが、今回紹介した方法だけでは全ての悩みを解決することはできません。今回は「理性」をキーに、生じた悩みをベルトコンベアー式に、ある種機械的に解決するという方法です。
しかし、人間は感情的な生き物である以上、「感情」という点も考慮する必要があります。
例えば、以下のような行動も有効的です。
・運動をする
・睡眠を満足に取る
・親しい人に打ち明ける
・よりよい人生観・考え方を身に付ける
・自分を「忙しい」状態にあえて持ち込む
もちろん、こうした行動も悩みを解決するための一助とはなってくれますが、やはり最も基本的な悩みへの対処法は、「真摯に悩みと向き合い、理性的に対処する」ということに尽きると思います。
人間生きていく上で、悩みが尽きるということはありません。
悩みは人間が直面する重大な問題の一つでもあります。
悩みに対して、必要以上に時間やエネルギーを費し気疲れするということは、人生においてどれほどの損失になるのか、計り知れません。
悩みへの対処法を身につけておくことは、幸福な人生を享受するための必須条件なのです。
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