「日帝=ナチスだった」とするキャンペーンの下部にあるのが「旭日旗=戦犯旗=カギ十字旗」のサブ・キャンペーンだ。
11年のサッカーアジア杯から、わずか2年の間に「旭日旗=戦犯旗」とする国民的認識を醸成した草の根運動を展開し、海外で旭日旗に似たデザインを見付けるや、一斉にサイバー攻撃を仕掛ける暴力的手口…。「君たちこそ現代のナチスだよ」と言わねばなるまい。
目下、彼らはこうした批判に聞く耳を持たない。韓国のマスコミはギリシャ、ポーランドの動きをほとんど無視しているが、いずれは国民の耳に届き、衝撃となって破裂するだろう。「アレ、日本はまともな国だったのだ」と。
日本の時代遅れ型左翼は相変わらず、韓国の政権とほとんど同質の感覚だが、米国のノー天気な民主党政権中枢は、ようやく「韓国の異常さ」に気が付き始めたようだ。
そうしたなか、朴政権は有効なデフレ対策を取れないまま、外交の座標軸すら見失いかけている。その政権にとって残る手段は、いよいよ旧悪(李明博=イ・ミョンバク=前政権)の炙り出ししかないのかもしれない。
■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。主な著書に「韓国人の経済学」(ダイヤモンド社)、「悪韓論」(新潮新書)、「呆韓論」(産経新聞出版)、「ディス・イズ・コリア」(同)などがある。