【ドバイ=久門武史】サウジアラビアなどがイエメンで開始したイスラム教シーア派系の武装組織「フーシ」への軍事攻撃について、サウジ筋は26日、ロイター通信に「秩序回復のため地上部隊の攻撃が必要となるかもしれない」と述べた。フーシは軍事介入に徹底抗戦する構えで、戦闘が拡大する懸念が高まっている。
中東の衛星テレビ、アルアラビーヤは同日、サウジが戦闘機100機と約15万人規模の部隊を動員したと伝えた。サウジ軍はイエメン国内の港に近づかないよう外国船舶に警告し、同国上空を飛行制限区域にしたと宣言した。
作戦には湾岸のアラブ諸国が加わり、国営サウジ通信によるとヨルダンやスーダン、モロッコ、エジプトも参加するとした。一方、フーシを支援しているとみられるイランは26日、ザリフ外相がイエメンの主権侵害に当たると非難した。
ハディ暫定大統領の軍部隊は同日、フーシが制圧していた南部アデンの空港を奪還した。イエメンでは国際テロ組織アルカイダ系の武装組織「アラビア半島のアルカイダ」も活動を活発化させており、混乱が広がる恐れがある。
フーシ、ザリフ、アルアラビーヤ、ロイター通信