素直に読めば読むほどに、今でも韓国は多方面で日本に先んじている“兄の国”だと言っているのだから、恐ろしい現状認識だ。
鄭氏の現状認識に従えば、われわれ倭奴(=日本人に対する蔑称)は、今日も当然のこととして、韓国に「兄事」すべきなのだ。ところが「兄事」しないから、「けしからん」となるのだろう。
翻って、木村氏を見よう。
きっと、(1)マルクス史観(資本主義→社会主義→共産主義)の正しさ(2)朝鮮民族の文化的優位性−を強調した「戦後(歴史)教育」の優等生だったのだろう(誤解がないよう。褒めているのです)。
私のような進歩派から見ると、彼はいまだに「戦後(歴史)教育」の呪縛から抜け出せない「超保守派」に見えてくる。
先日、私の自宅近くで「戦争反対」を叫ぶデモ隊に遭遇した。なぜか若者がいなかった。私のような、あるいは木村氏のような「戦後教育」を受けた爺さん、婆さんばかりの集団だった。
そういえば、朝鮮日報も書いていた。韓国の左翼について「年老いた従北主義者たちの時代遅れな闘争」(15年3月7日)と…。 (ジャーナリスト・室谷克実)