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映画『キカイダー REBOOT』の誕生秘話からストーリーまで、井上伸一郎&白倉伸一郎両プロデューサーインタビュー

2014/5/2 17:00
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今から40年ほど昔となる1972年、『仮面ライダー』の大ヒットがきっかけとなって巻き起こった“変身ブーム”に乗り、1人のヒーローが生み出された。それが『人造人間キカイダー』である。

『人造人間キカイダー』は、『仮面ライダー』と同じく石ノ森章太郎原作、東映制作の連続テレビ映画として企画された。放映と同時進行で石ノ森によるコミック連載が『少年サンデー』(小学館)で行われ、こちらも高い人気を誇ることになる。

その内容は、次の通り。悪の秘密結社「ダーク」に捕らえられていたロボット工学の権威・光明寺博士は、自分で善悪の判断をすることができる“良心回路”を組み込んだ人造人間ジローを製造。光明寺とその娘・ミツ子はダーク基地を脱出するが、光明寺は記憶喪失になって行方をくらませた。ダークの首領プロフェッサー・ギルは配下の「ダーク破壊部隊」に命じてミツ子とその弟・マサルをつけ狙うが、姉弟のピンチには必ずジローがかけつける。彼はチェンジ・スイッチオン・ワン・ツー・スリーのかけ声とポーズによって「キカイダー」にチェンジし、ダーク破壊部隊に立ち向かう。しかしジローの良心回路はまだ完全なものではなく、ギルの吹き鳴らす「悪魔の笛」の音に操られそうになることがある。悪の命令に従うまいと、不完全な良心回路がギリギリの抵抗を試みる。正義と悪との狭間で苦悩しながら、ジローは光明寺博士とミツ子、マサルを再会させるべく、果てしない戦いの道を行く。

この『人造人間キカイダー』が2014年5月24日、装いも新たに劇場映画『キカイダー REBOOT』として復活する。それでは、今回の映画の仕掛人というべき、エグゼクティブプロデューサー・井上伸一郎(KADOKAWA代表取締役専務)氏と、プロデューサー・白倉伸一郎(東映取締役企画製作部長)氏のお2人に、往年のヒーロー“再起動”についてのお話をうかがった。

▲東映・白倉伸一郎氏(左)、KADOKAWA・井上伸一郎氏(右)

■ 二人の熱い想いが動かしたキカイダーの再起動

――そもそも、約40年ぶりに『キカイダー』を甦らせることになったいきさつを教えていただきますか。

井上:まず、単純に私がかつての『人造人間キカイダー』という作品が大好きだったことが挙げられます。当時は中学2年生だったのですが、ロボット=人造人間なのに人間と同じ“心”を持ったジローの人物像に、心奪われていたんです。2年前、たまたま白倉さんと一緒に会食する機会があり、そこで私が「来年は『キカイダー』40周年ですけれど、東映さんは何か企画がおありなんですか?」とお尋ねしたんです。

白倉:そして、そのときは「特に何もありません」とお答えしたんですね。

井上:それならば、と、僭越ながら私自身が劇場映画の企画書を作らせてもらって、東映さんに吟味していただいた。これが直接のきっかけになりますね。後で知ったことですが、実は白倉さんも『キカイダー』に並々ならぬ愛情をお持ちだったそうですね。

白倉:おっしゃるとおり、私にとっても『キカイダー』は重要な作品でした。それだけに、リメイク作品を作るのは難しいと思っていました。おそらく井上専務から持ってこられたお話でなかったから、この企画は実現していなかったのではないか、と思うんです。


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