堀込泰三 - SNS,Webサービス,コミュニケーション,プレゼン,仕事術,働き方 08:00 PM
もっと自分の仕事について語ったほうがいい3つの理由
Crew:私は、ライターとiOSデベロッパーの仕事をしています。ライターとしての仕事は、そのほとんどがシェアされます。どこにも公開されずに終わる記事は、ほぼありません。でも、まだ始めたばかりのiOSデベロッパーの仕事に関して言えば、状況が大きく異なります。
デベロッパーとして取り組んでいる仕事を、シェアすることはほとんどありません。私が作ったアプリはたいてい、駄作のように見えます。大した機能もなく、コードはめちゃくちゃ。まだまだいい物とはほど遠く、シェアできるものがほとんどありません。
それは、良くないことなのでしょうか?
本来なら仕事の成果はシェアするべきだと私は思います。なぜなら仕事をシェアすることで、人からの視線や人との関係が大きく変わるからです。さらには、築き上げたオーディエンスから利益を得るときの金額も変わるのです。
自分の仕事を書き綴る、ドキュメンタリー作家になれ。
(Austin Kleon)
私が仕事をシェアすることの価値を知りつつ、できていないのには、明確な理由があります。1つ目が、開発の初心者であること。ですから、何をシェアするのが有益なのかがわからないのです。2つ目が、まだ仕事が軌道に乗っていないこと。3つ目が、尊敬するデベロッパーによる作品の消費に忙しすぎること。彼らの努力に報いる責任を負っていることを、すぐに忘れてしまうのです。
これらは、仕事をシェアしない理由として、多くの人に共通するものではないでしょうか。そこで、仕事の成果やプロセスをシェアした方がいい理由について、詳細に考えてみたいと思います。
誰にでも伝えるべきことがある
経験をシェアすれば、必ず誰かの役に立ちます。「自分には伝えるべき経験なんてない」と思う人は、レタリングアーティストで教員でもあるSean McCabe氏の言葉を覚えておいてください。
教えるために必要なこととは、誰か1人よりも多くを知っていること
(Sean McCabe)
同じように重要な事実が、「自分よりも知らない人は必ずいる」こと。どんな仕事をしていても、あなたと同じ経験をしていない人が、必ず背後にいるはずです。つまり、今まで学んだことをシェアすれば、必ず誰かしらの役に立つことができるのです。
仕事をシェアするための第一歩は、自分が何を学びたいかを考えること。そして、学ぶ意思があることを人前で宣言すること。
(Austin Kleon)
以前、教えることのメリットについて書いたことがあります。他人に教えることで、自分のブランドが構築できるだけでなく、その過程で自分を知ることができます。研究でも明らかにされているように、「あとで他人に教えなければならない」と意識することで、効率的に情報の吸収ができるというメリットもあります。
他人に教えると言っても、ワークショップを開いたり、本を書いたりする必要はありません。自分が犯したミスとそれを克服した方法を、ブログ、写真、掲示板などにシェアするだけで十分なのです。
私は、現在開発中のiOSアプリのバグを修正するたびに、かんたんなメモを残しています。
修正しているのは自分が作り出した問題ですが、どうやってそれを見つけ、修正したのかを書くことで、自分の中に学びを定着させることができるのです。これらのメモは、誰かに読まれることを想定して書いています。おかげで、大事な情報を抜かさないようにしながら、わかりやすい説明を意識して書けています。
あなたの仕事はシェアする価値がある
先ほどのメモは、公開しています。まだツイートレベルではありますが、誰でも見られるのは事実です。
最初の数週間は、メモを公開せずに、自分のためだけに記録を続けていました。1つひとつのメモは、見つけたバグ、わかった場合には原因、修正した方法をメモしているだけなので、断片的で短いものです。だから、メモを公開するのは気が引けました。私は、iOS開発のエキスパートではないのですから。出くわした問題について、ブログ記事を書かないのには理由があるのです。
一方で、私と同じ問題に直面している新人デベロッパーが必ずいることも知っています。だから、些細なバグでも、それを修正する際に学んだことをシェアする義務があると思うのです。私も、バグ取りの際に、「このバグの原因は、こんな些細なことでした。同じ問題に直面したあなたの参考になれば」という説明を見つけたら、きっと感謝していただろうと思います。
それに、誰もが、どんな問題に対しても、独自の視点を持っていることを忘れないでください。
私の視点は、他のiOSデベロッパーとは違います。私は、プログラミングの知識ゼロの状態からプログラム言語Objective-Cを独学で学びました。だから、初心者がつまづいたとき、解決策の見つけ方すらわからないという状況を知っています。そんな、ビギナーだからこその経験を、シェアすることができるのです。
仕事や学びをシェアすることは、状況によって見え方が変わってきますが、それでまったく問題ありません。
人を見つけられる
誰しも、どこかに所属したいという願望を持っています。自分を理解し、尊重し、歓迎してくれるグループを見つけることで、何ともいえない特別な気持ちになれます。
インターネットは、そのような仲間を見つけやすい場所ですが、それでも時間はかかります。そこで、仕事をシェアすると、仲間を見つけやすくなります。むしろ、それが仕事をシェアする重要な理由の1つと言えるでしょう。自分の興味があることをシェアしない限り、同じ興味を持つ人に見つけてもらうことはできません。
何が好きかをシェアすれば、同じものを好きな人が見つけてくれるだろう。
(Austin Kleon)
あなたの仕事を気に入ってくれている人のことを思い浮かべてください。友人や家族ではなく、仕事を通じてあなたを見つけ、ファンになってくれた人たちです。あなたが仕事を誰にもシェアしていなかったら、それらの人たちが、あなたを見つけることはなかったでしょう。
あなたの仕事を気に入っている人は、あなたの仕事中の風景や裏話などにも関心を持ってくれるでしょう。仕事のプロセスをシェアすることで、すでにあなたの仕事を好きな人との関係が、いっそう強化されます。それだけでなく、その人たちのことをもっと知る機会にもなるでしょう。
あなたが仕事で尊敬している人のことを考えてみてください。その人が、仕事をシェアしなかったら? あなたが気に入っている大好きなアーティストのB面が、発表されなかったら? それらのB面の存在は知っているのに、バンドがシェアすることを拒んだら? それによって失われる喜びとつながりを想像してみてください。
あなたも、スケッチ、アイデア、ミスなどの、自分のB面をシェアしてください。そうする責任があることを、真剣に考えてほしいのです。
最後に:すべてをシェアすればいいわけじゃない
何もかもをシェアすべきと言っているわけではありません。シェアする内容は、自分で監修してください。すでに世に出した仕事と同様に、いま取り組んでいる仕事や、それらの裏話、アイデアなどをシェアする影響については、注意深く考えるのです。
あなたの作品は、シェアする価値があります。誰かに対して、教えるべきことがあります。未来のファンに対して、それを見つけてもらう責任があるのです。
さあ、目的をもったシェアを。
Why you should be sharing more of your work | Crew
BELLE BETH COOPER(訳:堀込泰三)
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- オースティン クレオン,Austin Kleon実務教育出版
