相棒 season2 2015.03.26


(杉下右京)ここですね。
(亀山薫)はい。
…こんな感じですかね。
ええ。
ここですね。
はい。
…こんな感じかな?
(店主)警察の人?ええ。
どこ行っちゃったんだろうねえホントに…。
不審な人物とか見かけませんでした?きのうも警察の人に訊かれたけどさ。
外なんかいちいち気にしてないもんねえ。
ここはこんな感じですか…。
ええ。
しかし…なんでこんなことしたんですかねえ。
さあなんででしょうねえ。
次へ行きましょうか。
はい。
ここはこんな感じでしょ?ええ。
キツネに手袋。
理髪店の看板に帽子。
運送会社の倉庫にマフラー。
パチンコ屋の花輪にサスペンダー。
掲示板のポスターに靴下。
まるで子供のいたずらですよね。
なんか意味があるんでしょうか?あるにせよないにせよ…。
え?少女は行方をくらませたままです。
単なるいたずらでは済みません。

(リポーター)小学校から大森家までの距離は約1キロ。
瑠奈ちゃんは毎日この通学路を行き帰りしていました。
(リポーター)きのうもどこか寄り道をしていなければこの道を家に向かって歩いていたと思われます。

(大森早苗)…捜査は打ち切りですか。
(刑事)いやまさか。
なんの音沙汰もありませんからねえ。
仮に誘拐だとしても営利目的の線は薄いので我々はいったん引きあげますがもちろん捜査は続けますからご安心ください。
(大森郁夫)金目当てじゃないなら目的は一体なんですか?まだ誘拐と決まったわけじゃありませんから。
だったら事故ですか!?
(刑事)それもまだ…。
事故だとしたら…一晩たっても見つからないってことはあの子はもう…!
(早苗)生きて見つかるんでしょうか…。
(郁夫)バカ…つまらないこと言ってんじゃない!
(クラクション)
(伊丹刑事)特命係の亀山。
(伊丹)妙なところでお目にかかるもんですねえ。
本当ですねえ。
おめえらこそこんなとこでなにやってんだよ!?俺たちゃ援軍だ。
(三浦刑事)どっかの誰かと違って正式な要請で捜査に加わったんだ。
わかったかバ〜カ。
あっおおい…!ちっ…な〜るほどねえ。
返せよこのやろう!いかにも警部殿が気にしそうなネタですからねえ。
行方不明になっている少女の身に着けていた品々が妙なところに点々とばらまかれていた。
僕じゃなくても気になりますよ。
そういうこと。
呼ばれてもねえのにしゃしゃり出てくんじゃねえよ!このカメ!ついてくんな!金魚のフン!…で警部殿のご見解は?現場を検証なさってたんでしょう。
なにかわかりましたか?暗号かもしれない。
あるいは特に意味のないいたずらの可能性もある。
誰がやったかも大いに問題です。
本人かもしれないしもしくは…。
これが「誘拐」と仮定してですが犯人の仕業かもしれない。
要するに今のところなにもわかりません。
そうですかそりゃ残念。
まなにかわかったら俺たちにも教えてくださいな。
こういう謎を解くのはお得意でしょ?得意かどうかはわかりませんが決して嫌いじゃありませんよ。
謎が解けた暁には喜んでお教えしましょう。
おい行こう。
じゃあな。
イテッ!あー縁起悪い!
(教師)そうですね常にクラスで5番以内には入ってますよ。
優秀なお子さんなんですねえ。
ご両親が非常に教育熱心でお母さんはPTAの役員をしてらっしゃいます。
なにしろ一人っ子ですから…。
とてもかわいがってらっしゃいます。
アイテッ!
(少年)早く瑠奈を見つけろ警察!
(教師)こらバカ…お前ら…!すみません!
(少年)バーカ!見つけるためにこうして先生からお話を伺っているんですよ。
(少女)最近の警察はたるんでるから信用できないわ。
不祥事だって多すぎますね。
なるほど。
バカ…お前ら!向こうに行ってちゃんとやれ!体育の時間だぞ!税金分くらい働け!警察!なにっ!?もう!…すみませんホントに!なかなか的を射たご意見でしたので反論の余地がありませんでした。
結構重症かもしれない…。
災難でしたねえ。
いきなりうしろからですから…卑怯ですよあいつら!…なにかな?なあに?なんでしょう?いいこと教えてあげる。
いいこと?絶対内緒よ。
秘密は守ります。
私しか知らない瑠奈の秘密なの。
誰かに言ったら私瑠奈から絶交されちゃうんだから。
そんな大切な秘密を話してしまっていいんですか?いいの。
どうしてですか?おじさんタイプだから。
なるほど。
一郎君のところへ行ってごらんなさい。
一郎君…?
(少女の声)公園に住んでるから。
一郎君は瑠奈の親友なのよ。
話を聞いてみるといいわ。
公園に住んでる一郎君ね…。
お住まいはあそこじゃありませんかねえ。
こんにちはお邪魔します…。
うわあ…。
お留守のようですねえ。
はい。
…あれ?あっ!右京さんこれ!どうやら間違いなく一郎君のお宅のようですね。

(吉田一郎)泥棒か!?
(一郎)それとも刑事か?すみません。
刑事のほうです。
そう。
最近は刑事も泥棒するから油断できないよ。
悪いけど上げてくれる?えっ?ドア。
あ…ドア。
随分たくさんのご本ですねえ。
仕入れてきたの。
仕入れ?最近機械的に半額くらいの値段をつけて売ってる古本屋あるでしょ。
そういうとこにはねちゃんとした古本屋に持ってけば高値で売れるものが結構あるのよ。
古本屋で仕入れて古本屋に卸すわけですか。
…でなに?瑠奈のこと?あなたが親友だとお聞きしたもんで…。
そうだよ。
なにその顔?いけない?だって…相手はまだ7つの女の子でしょ?だけど純粋に友達なんだからしようがないじゃない。
妙に勘ぐるのは勘ぐるほうの心が不純なんだよ。
瑠奈ちゃんが行方不明なのはご存じですよね?なにか心当たりはありませんか?そりゃこっちが訊きたいよ。
無事でいてくれるといいんだけど…。
…あっこの本ですけども瑠奈ちゃんのですよね?もらったんだよ。
3歳のころから英語の勉強してるって言うからさ「へえすごいな。
俺ももういっぺん英語の勉強し直すかな」って言ったらさ次の日持ってきてくれたんだよ。
(一郎)え?いいのかい?
(瑠奈)うん。
もうそれ使わないから。
そっか。
ありがとう。
かわいいだろう?うん!はい。
あげる。
本当!?いいの?いいよ。
これのお礼。
ありがとう!
(一郎)拾いもんだけどねあの子すごい喜んでくれてさ。
今どき珍しく無邪気でいい子だよ。
そもそも…どういうきっかけでお友達になったんですか?最初は教会で会ったの。
教会?すぐそこのね。
俺2日か3日にいっぺんそこのシャワー使わしてもらってんの。
夏場は毎日ね。
汗臭いの嫌だから。
妙に気が合っちゃってね。
それからしょっちゅう遊びに来るようになって。
つまり瑠奈ちゃんも教会に出入りしていたわけですね?ああ。
あの子神父さんとも仲よしだから。
なるほど。
教会ですか…。

(長谷川均)ようこそいらっしゃいました。
勝手にお邪魔してました。
(長谷川)ちっとも邪魔じゃありませんよ。
ここはそういう場所です。
(長谷川)…お知り合いですか?ええ。
(三浦)邪魔しないでもらえませんかね警部殿。
もとより邪魔をするつもりはありませんよ。
(伊丹)帰れ!お前の指図は受けねえんだよ!なんだと!?コラァ!なんだよコラ!亀山君。
(三浦)やめとけ!伺いましょうか。
「長谷川均」さんで間違いありませんよね?ええ。
あなた昔服役してらっしゃいましたよね?ええ。
(三浦)それも少女にいたずらしたかどで。
いたずら!?強制わいせつ。
はい。
だからどうこうっていうわけじゃないんですけど…。
うちとしても過去にいろいろ経緯のあった方をリストアップしてこうしてお訪ねしているわけなんですよ。
(長谷川)それはご苦労様です。
行方不明になった大森瑠奈さんになにか心当たりはありませんか?あれば昨日話を訊きにいらした警察の方に申し上げてます。
瑠奈ちゃんはよくここへ来てたそうですね?すっこんでろバカ!バカとはなんだよバカ!神様の前です!…失礼しました。
すいません。
失礼しました…。
瑠奈ちゃんは時々来てましたよ。
(三浦)昨日は?いいえ。
オモチャですねえ。
は?子供たちが遊びにきたりするもんですからね。
なるほど。
しかし見たところどれも女の子が喜びそうなオモチャですねえ。
男の子が来たときに困りませんか?昔のことで私をお疑いになるのも無理からぬこととは思いますが時間の無駄でしょう。
疑ってるなんてとんでもない。
念のためですのでどうかお気を悪くなさらずに。
気を悪くなどしてません。
ご心配なく。
驚きましたねえ。
神父さん前科があったなんて。
しかも少女がらみの事件でしょ?しかしそれだけのことで疑いの目を向けるのは酷ですよ。
服役していたのは30年近く前のことだそうじゃないですか。
(右京)以後はああして神に誓いを立てた身。
(薫)…とはいえ一応疑ってかかってみるのが俺らの仕事でしょ?むやみに疑ったところで意味がありませんよ。
「マエがあるから怪しい」無能な刑事の常とう句です。
…怪しいな。
ああ。
奴にはマエがある。

(郁夫)いいかげんにしてもらえませんか!?通行の邪魔になるでしょう!帰ってください!
(薫)ハイハイごめんなさい。
どいてちょうだい。
警察でーす。
どいてちょうだいね邪魔だから。
速やかに散ってくださーい。
皆さんもお仕事だというのはわかりますけど。
マナーは守りましょうねー。
そこタバコのポイ捨て!誰だ!?ちょっとよろしいですか?なんでしょう?
(右京)はい?どういうご用事でしょうか?ああ・・・。
どうぞ。
すいません。
どうもありがとう。
子供部屋というのはあるんですか?は?お嬢さんの部屋です。
お嬢さんはおてんばなお子さんですか?いえそんなことないです。
おとなしい子です。
勉強がよくお出来になるとお聞きしましたよ。
まだまだです。
まだまだですか…。
すいませんご無理言って。
瑠奈が無事に戻るならなんだってお見せしますよ。
あ…!テレビはないんですか?
(郁夫)ありますよ。
あったでしょ下に?近ごろはお子さんも部屋にテレビをお持ちのようですよ。
(郁夫)よそは知りませんけど必要ないでしょうそんなもの。
テレビゲームとかはなさらない?
(早苗)そういうことはやらせません。
なるほど。
あの…なにかお探しですか?いえ特には。
あちこち開けてしまうのは職業病でしょうかねえ。
遊び道具が1つもありませんでしたねえ。
あっ…1000円貸してください。
目に付くのは参考書や教材ばかり。
早く1000円!マンガ本のたぐいが1冊もありませんでした。
でも教育熱心な親御さんだって先生が言ってたじゃないですか。
ぬいぐるみもありませんでしたねえ。
え?一郎君からもらったぬいぐるみですよ。
調べてみましたがどこにもありませんでした。
…確かにね。
…早く乗ってください。
上がっちゃうから。
う〜ん…。
(奥寺美和子)ハーイできた!イッテエよお前…。
大げさだなあ。
子供に蹴られたくらいでなによ。
不意打ちだぞ。
しかも飛び蹴りだぞ。
油断してたんでしょ?するだろう。
普通蹴られると思わないでしょ?小学校で。
ねえねえちょっと。
ん?告白されたんでしょ?小学生に。
…タイプだって。
ヒュ〜!ヒュ〜!でも問題があるんだな。
年齢的にな。
バッカじゃないの?なあどう思う?だからおバカさんだって言ってるでしょ?そうじゃなくて神父だよ。
神父ねえ…疑い出したら切りがないけどね。
聖職者の仮面をつけたオオカミ。
…なくはない話だろ?でもだとしたら許せない。
そんな破廉恥な奴。
(宮部たまき)わかりました?いいえさっぱり。
この形はなにかに見えますか?う〜ん…五角形?なるほど。
僕にもそう見えます。
安心しました。
でもこれが本当に暗号なのかしら。
さあどうでしょう。
しかし捨てて歩いたのが本人にせよ犯人にせよ5か所も回っているのですから目撃者の1人ぐらいいても不思議はないんですがねえ。
真夜中というのならばいざ知らず昼日中のことですから。
わかった!犯人は郵便配達の人じゃないかしら。
はい?チェスタトンの小説にあったじゃない?怪しい人は誰も来なかった。
けれど郵便配達はやってきた。
でも郵便配達が怪しいなんて誰も思わないから疑わなかった。
『ブラウン神父』ですね?あなたがうちに残していった本です。
そうでしたか。
でもあのトリックはインチキだと思うわ。
納得できないもの。
確かに神父は怪しい人物ではない。
神父じゃなくて郵便配達。
神父さんは探偵で主人公でしょ?わかってます。
こっちの話です。
(内村警視長)そういうことなら早く調べたほうがいいな。
(三浦)しかし現段階では家宅捜索のお札も取れませんし。
(中園警視正)丁寧にお願いして調べさせてもらえ。
嫌だと言ったらますます怪しい。
(内村)そういうことだ。
(伊丹)ならばそうします。
ただしあくまでも君達の責任において。
(2人)はあ!?問題が起こっても我々は関知しない。
健闘を祈る。
(薫)寒くないっすか?
(一郎)ええ?あどうも。
ああそりゃ寒いよ。
ねえ。
だけど俺「朝シャン派」だから。
ああ…。
なによ?あの…これ。
え?なにそれ?あの…コンビニのおにぎりですけど。
(一郎)俺別に物乞いじゃないから。
まともな家はないけど自分の食う分は稼いでんだからさ。
妙な真似はやめてくれる?別にそういう意味で持ってきたんじゃ…。
じゃなに?手土産ってわけ?人のうち訪ねるのに手ぶらじゃアレだからって?まあ…そういうことですね。
あなたは手土産にコンビニのおにぎりを持ってくるわけ?要するに相手がホームレスだからこれぐらいで十分だと思ってんだろう?手土産なんて上等なこと言うな!そういうことあまり考えずに買ってきちゃったもんで…。
で具はなに?は?具だよ。
おにぎりの中身。
えっと…梅干しシャケおかか…定番ですね。
最近さイクラの入ってるやつあるよね?あ…ええありますね。
イクラはないの?イクラはないですね。
値が張るからね。
はい?くれんじゃないの?どうぞつまんないもんですけど。
あんたの顔立ててもらっとく。
神父さん?ええ。
どんな人って言われてもねえ…。
あれ?きのう会ったんじゃないの?会ったんですけど一郎さんの評価もお聞きしたくて。
見てのとおりおだやかでいい人だよ。
そうですねえ…。
昔相当苦労したんじゃないかな。
なんかご存じですか?神父さんの過去。
知らないよ。
人様の過去なんて興味ないもの。
そうじゃなくてさ相当昔苦労してないとあれくらいの悟りきった人格にはなれないんじゃないかと思ってさ。
こんな俺にだっていつも親切にしてくれるしね。
…あなんでさっきあそこで頭洗ってたんですか?だから俺「朝シャン」なの。
教会でシャワー借りてるって言ってたじゃないですか。
ああ今朝断られちゃったの。
断られた?シャワー壊れちゃったんですか。
ええ。
申し訳ありませんね。
断られたことって今までにもありました?いや…初めてだな。
かれこれ2年近く通ってるけど。
そうっすか…。
順番はやはりこうでしょう。
帽子。
マフラー。
手袋。
サスペンダー。
靴下。
(米沢鑑識官)手袋とサスペンダーが微妙ですね。
順序が逆かもしれないですね。
いや。
サスペンダーはスカートをつっていたものですからやはり手袋が先ですよ。
なるほど。
(角田課長)じゃ順番はこうだな?
(角田)理髪店。
倉庫。
キツネ。
パチンコ屋。
ポスター。
順番はわかりましたけどどういう意味でしょうねえ?ごくごく単純に言葉を変換してみます。
変換?例えば理髪店は「髪の毛」。
ああそういう具合ですか。
倉庫の中身は「荷物」。
じゃキツネは「稲荷」か!そしてパチンコ屋といえば「玉」。
ポスターは絵画教室のものでしたからずばり「絵」。
髪の毛荷物稲荷玉絵…。
もう少し単純化します。
かみにいなりたまえ…。
なにやら聞き覚えのある言葉じゃありませんか?ああ!「神に祈りたまえ」!偶然でしょうかねえ。
「いのり」と「いなり」がちょっとなまってる気がするんですけど。
素人のすることです。
多少は大目に見ましょう。
「神に祈りたまえ」か…。
じゃやっぱり教会に?間違いないでしょう。
一郎君がシャワーを断られたのはそのせいですよ。
(教会の鐘)あっ!先客があるようですねえ。
あいつら…!あ…またかよ!いたのか?ああ?瑠奈ちゃんだよ。
教えねえ。
どけ。
邪魔邪魔。
うわ!また来やがった…。
いねえのか!?奥にはいない。
(伊丹)上もだ。
いませんって。
神父はどちらにいらっしゃいますか?礼拝堂にいらっしゃいましたよ。
行きましょう。
はい。
(右京)…ああ!そうでした!例の謎やはり暗号でした。
え?「神に祈りたまえ」。
解けましたのでお約束どおりお教えしておきます。
(三浦)「神に祈りたまえ」!?教会を暗示している言葉ですねえ。
(伊丹)…ってことはやっぱりここか。
隅々までお調べになったほうがいいですよ。
隠し部屋などあるかもしれない。
(2人)隠し部屋!?ありますかそんなもん…?ゴシック小説じゃあるまいしないでしょう。
「マエがあるから怪しい」というような大ざっぱな推理をする人たちにはいい薬ですよ。
へへへっ。
(長谷川)あなた方でしたか。
どうやら瑠奈ちゃんは危険を察知して逃げてしまったようですよ。
逃げた?ええ。
いませんでしたか。
そのようですよ。
逃げた…って?君はまさか神父が瑠奈ちゃんを監禁してたとでも思っていたんですか?
(薫)え?いやだって…。
監禁したならばわざわざその場所を暗示するいたずらはなさらないでしょう。
解けましたか?あれこれこねくり回してるうちにどうにか。
少し難しいと思ったんですがね。
非常に難解でした。
素人の作る暗号は法則性も合理性も欠落してますからやっかいです。
それじゃ瑠奈ちゃんは今…?ここにいないとなればあと逃げ込む先は…。
…あっ!ええ。
行ってきます!訳を話してくださいますね?彼女の心は壊れかけています。
大人の醜い姿を見すぎました。
(物音)嫌よ!私帰らない!
(長谷川)「うちに帰りたくない」彼女はそう言いました。
いや…これまでにも何度かそういうことがありました。
噛んで含めるように言い聞かせてうちへ帰してたのです。
しかし一昨日はいつもとは違いました。
心が…そう心が悲鳴を上げていました。
彼女がそんなふうに思いつめた直接のきっかけはぬいぐるみだったようです。
公園の一郎さんからもらったものですね?部屋に隠しておいたのを母親に見つかったようです。
(長谷川)しかしぬいぐるみはきっかけにしかすぎません。
問題はもっと根深い。
ご両親ですか。
1つは暴力です。
(郁夫)ふざけるな!
(郁夫の怒声)
(長谷川の声)人が変わったように母をなぐる父。
そんな父親の姿を彼女は見続けてきました。
なるほど。
それから不貞。
(長谷川の声)他の男と仲よくしている母。
そんな母の姿を彼女は目撃した。
(右京)…浮気ですか。
PTAの役員です。
同級生の父親です。
それぞれに問題をかかえた両親ですが外に出れば仲のいい夫婦でありほほえましい親子に見える。
こんにちは。
こんにちは。
(主婦)お出かけだったんですか?よかったね瑠奈ちゃん。
彼女は真実がどこにあるのかわからなくなってしまったのです。
子供にとっての真実…。
そのよりどころは親であるべきです。
しかしその親が内なる顔と外なる顔の2つの顔を持っている。
ご両親の教育熱心もいささか度が過ぎている気がしました。
(長谷川)もともとは純粋な英才教育だったのですが彼女がお受験を失敗してからすり替わってしまいました。
なるほど。
何度かお宅にお邪魔しました。
それとなくご注意申し上げようと思ったのです。
しかしご両親はつけいる隙をお見せにならない。
(郁夫)…あいつ寄付でも欲しいんじゃねえのか。
(早苗)そうかしら。
(郁夫)今度来たら少しばかり恵んで追い返そう。
(右京)本音というものは往々にして醜いものですからねえ。
たとえ一時でも大切な娘さんを失うという恐怖を味わえばご両親も心変わりがあるかもしれない…。
そんなはかない願いで愚かな真似をしました。
ご両親が変わらなければあの子は救われません。
君が瑠奈ちゃんですか。
僕は杉下右京といいます。
大森瑠奈です。
もう少し隠れていてくれますか?向こうに話のわからない怖いおじさんが2人いますから。
一緒に来てくれますか。
え…?なぐったんですか?ちょっとした夫婦ゲンカですよ。
女性に手を上げるのはどうかと思いますけどね。
私が悪いんです。
これも。
これも。
ケンカの跡ですねえ。
修理していないところを見るとごく最近のものでしょう。
そんなことどうだっていいでしょう!瑠奈はどこにいるんですか!?早く教えてくださいよ!ご安心ください。
神父さんがご一緒ですから。
教会にいるんですか!?ええ。
お前はいい。
そんなみっともない顔で表に出るな。
いやいやあなたもちょっと…。
なんですか放してくださいよ!迎えに…!しかしお嬢さんは「帰りたくない」とおっしゃってますんでねえ。
えっ?どういうことですか?つまり瑠奈ちゃんは今家出中なんですよ。
念のために訊きますけど…「隠し部屋」なんてある?ありません。
本当に?
(長谷川)神の前で嘘は申しません。
…帰ろうか。
冗談じゃない!どうなさるおつもりですか?連れて帰りますよ。
決まってるでしょ。
場合によったら神父を告訴します!ふざけるな!ふざけてこんな真似はできない!いいですか。
無理に連れ戻したところでまた同じことを繰り返すだけです。
あなた方が変わる努力をしなければお嬢さんは戻りませんよ。
いえ…戻っても心はどんどん遠くへ行ってしまう。
まだ無邪気な家出ですけどねそのうち知恵がついてきたらもっとひどいことになりますよ。
親から逃げ出す方法は生きて家を出ることだけじゃないんですよ!今真剣になんとかしなきゃいつか本当に瑠奈ちゃんを失うことになりますよ!これが…最初で最後のチャンスかもしれませんよお父さん!お母さん!どうでしょう。
これを機会に壊れたところを修繕しませんか。
部屋も…。
それから家族も…。
(瑠奈の笑い声)瑠奈ちゃん!瑠奈!どうもお世話をかけました…。
ご無礼しました。
お許しください。
瑠奈ちゃん…帰ろう。
(郁夫)帰ろう。
話は聞いたから。
パパもママも瑠奈ちゃんの気持ちよーくわかったから。
瑠奈…。
お父様とお母様のおっしゃることに嘘はないと思いますよ。
ここは教会です。
神様の前です。
神様の前で嘘をつくと地獄へ落ちます。
お父様とお母様が地獄に落ちてもいいですか?それは嫌ですね?あなたは本当はお父様とお母様が好きなんですよね?だったらあなたがお父様とお母様が地獄へ落ちないように守ってあげてください。
あなたが支えてあげればお父様とお母様はきっと約束を守ってくださいますよ。
そうですね?はい。
我々もそろそろ引きあげましょうか。
はい。
1つ聞いていただけますか。
はい?なんでしょう?私は少女にいたずらなどしていません。
助けたんです。
いたずらされかかった少女を…。
しかし少女は両親にも警察にも私が襲ったと言いました。
どうして…?よほど怖かったんでしょう。
少女はパニック状態でした。
混乱してたんでしょう。
ちゃんと無実を主張したんですか?もちろんです。
しかし誰も信じてくれませんでした。
私は自暴自棄になりました。
刑事さんにも検事さんにも判事さんにも罵声を浴びせました。
思いつくかぎりの罵詈雑言を浴びせました。
そして私は刑務所へ行きました。
えん罪…ですか。
今思えばそれも神のおぼし召し…。
試練をお与えくださったのだと思っています。
…な?見なよ。
やっぱり苦労してんだよ。
申し訳ない。
つまらない昔話です。
信じてくださらなくても構いません。
いいえ信じますよ。
ええ。
さて私は懺悔の時間です。
え?今回引き起こした騒動の許しを請わなければ…。
神のお許しがありますように…。
主イエスの名のもとにあなたの罪を許します。
(2人)父と子と聖霊の御名において…。
…確かこうでしたね?告解のご経験が?ええ。
16年前に1度だけ。
神父さん。
シャワー借りていいっすか?ああどうぞ。
壊れたなんて嘘言ったんですからそのこともちゃんと懺悔しといたほうがいいっすよ。
では…。
2015/03/26(木) 16:00〜16:58
ABCテレビ1
相棒 season2[再][字]

「神隠し」

詳細情報
◇出演者
水谷豊、寺脇康文 ほか

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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