きょうの健康 高血圧 よく知って治そう「薬は納得して使おう」 2015.03.25


(テーマ音楽)皆さんの毎日の健康のために。
「きょうの健康」です。
今週はこちら。
今日は3日目です。
高血圧の治療では非常に多くの方が薬を使っています。
毎日のみ続けていく薬ですので副作用はどうなのか。
そして本当に必要なのかといった疑問もありますよね。
そうですよね。
特に高血圧の薬ではその効果についての研究に不正があったという事で非常に気になりますよね。
そうですね。
そうした薬の疑問について今日は納得できるようにお聞きしていきたいと思います。
今日も専門家をお迎えしております。
それではご紹介致しましょう。
循環器内科医で日本高血圧学会が2014年に改訂した高血圧治療ガイドラインの作成委員長をお務めになりました。
どうぞ今日もよろしくお願い致します。
高血圧は治療という事を考えますとお薬はどうしても欠かせないものなんでしょうね。
はい。
高血圧の治療は前にも申し上げましたが生活習慣の改善が原則なんです。
ですからまず高血圧の治療には生活習慣改善でまいります。
ただ生活習慣改善だけで高血圧が正常になる方は決して多くはないんです。
そういった意味では多くの方が薬の力を借りて血圧を下げざるをえないというのが現状だと思います。
薬が必要かどうかという事はどうやって判断していくんですか?まず生活習慣の改善で一般の高血圧の方は3か月頑張って頂きます。
これで効果がない場合に薬を追加して治療をするというのがまず一般的な治療法になります。
しかし全ての方がそういう訳ではないんです。
特に心臓血管病のリスクの高い方。
これは血圧が最初から高い方です。
160以上。
それから脳卒中の既往がある方。
心臓病を持ってる方腎臓病がある方糖尿病メタボ。
こういったものがある方はリスクが高いものですからこういう場合には1か月で効果ない場合に薬を開始する。
あるいは場合によっては最初から薬を開始する。
こういった患者さんごとにいろいろなケースが出てきますのでここのところも主治医の先生とよく相談をして決めて頂きたいと思います。
高血圧の薬というのはどんな働きで血圧を下げるという事なんでしょうか?血圧が高いという事は血管が収縮するか血液量が増えてるかいずれかなんです。
これによって血管の壁を血液が圧迫する圧力が上がっている。
ですから血圧を下げるという事は血管を開くあるいは血液量を減らす。
理論的にはこの2つしかないんです。
血管を拡張する薬としてはカルシウム拮抗薬。
それからレニン−アンジオテンシン系を抑えるARBアンジオテンシン受容体拮抗薬。
ACE阻害薬アンジオテンシン変換酵素阻害薬。
この合計3つがあります。
それから血液量を減らす薬としては利尿薬です。
腎臓に働いて利尿をつけてナトリウムと水を体の外に出していく。
こうして血液量を減らす。
こういった事で血圧を下げます。
ほかのタイプのお薬はありますか?この4つが第1選択薬ですがそのほかβ遮断薬という薬がありまして交感神経を抑えるお薬なんですがこれは脈が速い方心不全の方狭心症の方ではこれは積極的にすすめられている主要な降圧薬という事で位置づけられております。
お薬長く使いますと副作用気になりますね。
はい。
ではその副作用こちらで見ていきましょう。
いろいろありますがこのうち自覚症状として出やすいものにはカルシウム拮抗薬による動悸顔のほてり足のむくみ。
そしてACE阻害薬による空せきなどがあります。
また利尿薬による日光過敏症もまれにあります。
どう対応致しましょうか?こういった副作用。
今患者さん薬をもらう時に薬局から大体お薬の説明書がついてきますよね。
そこに薬ごとの副作用が書いてありますからそこには必ず目を通して新たに薬をのんだ場合に是非こういった副作用が出ないかどうか。
軽いものでもあったらすぐに薬を止めてお医者さんに相談をしてまず間違いなく副作用という事になったら軽いものでも長く使う事になりますのでこの場合には薬をほかに替えて頂くという事が必要になると思います。
薬が効き過ぎてしまうという事はございませんか?あります。
もちろん効き過ぎれば血圧が下がります。
この場合特にお年寄りが立った時に立ちくらみで転ぶ事があるんです。
そうすると骨折を起こすという事もありますから特にお年寄りの場合には少しふらふらするとか思ったよりも血圧が下がってるという場合には十分に気を付けてお医者さんと相談して特に立ちくらみ転倒に気を付けて頂きたいと思います。
妊娠中授乳中の人というのは薬はちょっと心配ですよね。
そうですね。
妊娠中の場合にはやっぱり効果とともに安全性が重要になりますよね。
ここの点に配慮して薬を選んで頂くという事になります。
また授乳中も今度は新しいガイドラインでは使える薬が記載されておりますので授乳中も薬を使ってお母さんの血圧管理ができるようになりました。
これ大変朗報だと思います。
高血圧のお薬は一日のうちにいつのむのかという事ですね。
これどうでしょう?今のお薬は大体長く効くようになっておりますから大体一日1回で使える薬が主体になっております。
その場合のみ忘れを防ぐという事で朝1回のむのが一般的です。
ただこれは個々人によって効き方が違いますので朝1回のんでも夜に血圧が上がってしまう方がいる。
あるいは翌朝になったらもう上がってしまっている。
この場合は薬の効果が切れているという事なんです。
そういう場合には夜夕方のんだりあるいは夜寝る前にのむというのみ方もありますし朝夕に分けてのむというのみ方もあります。
やはり家庭血圧も参考にして24時間にわたって血圧が効くようにこれは主治医の方とよく相談をして管理をして頂きたいと思います。
また薬は1種類ではなくて複数使っている方もいますよね?いますね。
大体1剤で血圧が管理できるのは1/3ぐらいといわれてます。
ですから多くの方は2剤使って血圧を管理する。
場合によっては3剤まで使う事もあります。
大体機序の違う薬3つ使いますとほとんどの方が血圧は管理できますがただ一部の方ではなお管理ができない方がいましてこれは治療抵抗性の高血圧という事になりますからこの場合にはどうぞ主治医の先生と相談して次のいろいろな事を考えて頂きたいと思います。
複数組み合わせて使うという効果は上がるという事なんですか?はい。
1つの薬を増やしても血圧を下げる効果は2倍にならないんです。
それに対して血圧が高い機序は複数ありますからなるべく機序の違う薬を組み合わせるといろいろなところに効いて血圧を下げます。
違ったタイプの薬を使うと本当に1+1が2になって血圧がよく下がるという事になりますし副作用も実は薬を多くするほど出やすいんです。
そういった意味で少量を併用する事によって副作用も予防する事ができるという事になります。
また合剤といって2種類の薬を1つにした薬というのも今ありますよね。
最近増えてますね。
合剤は2つの薬を1つにしてますからこれ全く併用と同じなんです。
合剤が非常にいいのは先ほども申し上げましたとおり降圧効果が非常に高いんです。
更にまず安いんです。
非常に安価です。
それもいいですよね。
それから副作用が少ない。
それと何よりも2つが1つになってるという事でのみ忘れが少ない。
非常に利点の多い薬という事がいえます。
ただこの場合唯一気を付けないといけないのは合剤ですから量が決まってるんです。
そういった意味ではさじ加減が医師の方でできなくなります。
ですからやっぱり合剤を使う時にはお医者さんとよく相談をして使って頂きたいと思います。
コミュニケーション患者と医師の…。
これ大事だという事はよく理解したとして次の質問差し上げますが血圧が下がれば薬はもうやめてもいいんでしょうか?多くの方が薬やめたいと思うんですよね。
でも高血圧というのは治療は決して原因をとる治療をしてる訳じゃないんですね。
さっきのように血管を開く利尿をつけるいずれにしても薬が効いている間だけ血圧が下がっているんです。
本質的には薬をやめたら血圧は上がると思った方がいいと思います。
ただ例外がありましてこういう場合に薬をやめる事あるいは休む事ができるというのはですねまず薬1錠で血圧が十分に管理されている。
こういう場合です。
しかもこの場合もう一つ条件がありまして生活習慣…食事運動ですね。
この改善がしっかり続けられている方。
1年以上こういった状況でしたら一度薬を休んでみてそれでも上がってこなければしばらく休む事はできます。
ただ気を付けないといけないのは生活習慣が乱れたらまた上がってきます。
それから血圧は年齢とともに上がっていきます。
ですからいつまでも正常血圧でいるかどうかという保証はありませんのでやっぱり血圧の管理年に何回か測ってですね高血圧になっていないという事は気を付けて見て頂きたいと思います。
そこで今日は是非伺っておきたい事は最近高血圧の薬で研究の不正が明らかになりましたね。
はい。
ディオバンというARBのお薬ですね。
これはどういう問題だったんでしょうか?ディオバンというのはARBの代表的な薬でそして今回問題になったのはディオバンを使って血圧を下げる。
そしてほかの薬で血圧を下げる。
この両群で比べてディオバンで下げた場合血圧が下がった事に加えてですね更に薬の独特の効果で脳卒中や心臓病や腎臓病を防ぐ事ができるのか。
あるいは改善する事ができるのか。
こういった事を検討した成績が日本で行われました。
そして脳卒中心臓病あるいは腎臓病もよくするという結果が出て大変注目されたんですけども実は出た当初から少し疑問が呈されておりましてその後調査によって実は不正な操作が行われていたという事が分かってまいりました。
大変残念な事なんですけどもその結果実は5つの日本で行われた試験があるんですけども3つの試験では全部論文が撤回されました。
もう一つの研究も大学の調査では論文を撤回するように勧告されております。
これはやっぱり医療人として許せる問題ではありませんし本当にゆゆしき事態問題だと思うんですね。
本当に残念なまた恥ずかしい本当になんとかしなければいけない。
本当に患者さんの信頼を失ってしまうような大変な問題だと思っております。
このディオバンは今使われていないんですか?はい。
ディオバン自体はARBでですね降圧薬としての効果は確認されております。
そしてアメリカを含めて行われたスタディーで効能効果ですね。
これについては発売以降変わっておりませんし今回の不正でもこの点は変わっておりませんのでディオバン自体は使われております。
それからもう既にディオバンの特許が切れたんですよね。
そして今いわゆるジェネリック医薬品という形で30社を超える会社からこのディオバンと同じバルサルタンという薬が出ているんです。
ですから使用頻度は減ってますけど使われているという事は間違いございません。
ただですねやはりこういった不正があったという事で患者さんが不安を感じてる方たくさんいると思います。
更にこういった事をやったという事で研究者や会社に対して不信を持ってる方もいると思うんですね。
そういう方たちがこういった薬は使いたくないと思われる事は分かりますのでこういった場合本当に納得して薬を使うという意味でもお医者さんに遠慮しないで話してほかのARBあるいは長く効くカルシウム拮抗薬に切り替えて頂く事は構いませんので納得するように説明を受け薬を続けて頂きたいと思います。
ほかのARBとおっしゃいましたがまた別の…何か問題もありましたね。
そうですね。
ブロプレスという薬でやっぱり似たような問題があったんですけどもこれはちょっとディオバンとはかなり違っておりまして会社の方で学会発表のスライド図をずっと宣伝に使い続けていた。
これが少し会社の方に有利な宣伝に使ったのではないか。
不適切な使用があったんでないかという事だったんですがこれは会社の方で謝っておりましてしかも大事な事は第三者機関で論文自体に不正はなかった問題なかったという事が確認されておりますのでディオバンとは少しケースが違うと思います。
いずれにせよ高血圧治療で薬はしっかり使わなきゃいけないという事は変わりない訳ですね。
こういった事で不信を持って薬をやめるというような事のないようにいい薬もありますのでしっかり薬を継続して血圧を守って頂きたい。
これは皆様に是非お願いしたいと思います。
そうですね。
はい。
今日はお話どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
2015/03/25(水) 20:30〜20:45
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 高血圧 よく知って治そう「薬は納得して使おう」[解][字]

生活習慣の改善だけで血圧が下がらない場合は降圧薬が処方される。血圧は血管の収縮や血液量の増加によって上昇するため、血管を拡張させる薬や血液量を減らす薬をのむ。

詳細情報
番組内容
生活習慣の改善だけで血圧が十分に下がらない場合には降圧薬が処方される。血圧は血管の収縮や血液量の増加によって上昇するため、血管を拡張させる薬や血液量を減らす薬を服用することで血圧を下げる。薬は朝のむことが多いが、効果が持続しない場合は医師の指示で夕方のむこともある。薬は原則としてずっとのみ続けるが、少しの薬で血圧が十分下がり生活習慣もしっかり改善している場合などには、薬を中止できることがある。
出演者
【講師】札幌医科大学学長…島本和明,【キャスター】濱中博久,久田直子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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日本語(解説)
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