行政・政治 : 豊田終末処理場の汚泥灰 “金”収入今年度ゼロ
更新:2013-2-1 6:02

 下水汚泥の処理過程で生じる諏訪湖流域下水道豊田終末処理場(諏訪市)の「金」含有物について、施設を管理する県が今年度の物品売却を断念したことが分かった。昨年12月に一般競争入札を公告したものの参加がなく、昨年度唯一応札した業者も放射性セシウムの検出を理由に今回は辞退したという。維持管理費に充当する“副収入”がゼロになる事態となり、県は、原発事故による損失として東京電力への賠償請求を検討する。

 売却予定だったのは、汚泥焼却灰を高温で溶かす際に出る溶融飛灰5.1トンと、煙道スラグと呼ばれる配管付着物0.3トン。一昨年9月から1年間の発生分と定期修繕時(年2回)の回収分で、県の事前調査では、飛灰で1キロ当たり7.5〜0.22グラム、スラグで同22〜4.4グラムの金が含まれていた。

 一方で、これらからは同2800〜260ベクレルのセシウム濃度を検出。放射性物質を含みながら、昨年度約605万円で落札した業者からも辞退を告げられた。

 県諏訪建設事務所は「再公告しても同じ結果になる」と説明。「昨年度より金含有量が多く、期待していただけに残念だ。維持管理は厳しい状況にあり、売却収入ゼロは痛い」と話している。ドラム缶約140個分に上る物品は建物内で一時保管するが、飛灰は毎日発生するため、置き場不足に陥る懸念もあるという。

 2009、10年度は2000万円以上で落札された。県は、昨年度の落札価格低下は放射性物質の影響もあるとして、損失額を請求する準備を進めている。今年度の売れ残り分について、県生活排水課と同事務所は「同じ形を検討しているが、東電との協議の結果をみて対応を決めたい」としている。

 同処理場は、下水汚泥から金を回収できる施設として注目を集め、米CNNテレビで紹介されたこともある。下水関連の補償は、測定や焼却灰の保管・処理に要した経費が中心で、「諏訪のような事例はない」(同課)という。

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