パリ=吉田美智子、仏南東部セーヌレザルプ=松尾一郎、ベルリン=玉川透
2015年3月26日11時21分
フランスの山中に、乗客乗員計150人を乗せたドイツの格安航空会社ジャーマンウィングスの旅客機が墜落した事故で、現地の捜査関係者は25日午後、「犠牲者の遺体が発見され、ヘリコプターによる移送が始まっている」と明らかにした。AFP通信などが伝えた。
地元警察の報道担当者はDPA通信に対し、25日午後遅くになって遺体が見つかったと語った。標高約1500メートルの険しい山あいでの作業となり、難航が予想される。何人の遺体が発見されたかや移送先など詳細は明らかになっていない。
墜落原因の究明も本格化している。仏航空事故調査局(BEA)は25日夕、パリ郊外で会見し、回収した事故機の記録装置「ブラックボックス」から有用な音声データの取り出しに成功したと明らかにした。
回収されたのは、操縦席の会話などを記録した「ボイスレコーダー」で、激しく損傷していた。BEAの責任者は「音や声が聞こえる」としたが、「操縦士か、乗務員かはまだ分からない」として、詳細は明かさなかった。数日後に最初の分析結果が判明し、詳しい解析にはさらに数週間から数カ月かかるという。
墜落現場では、機体の残骸が粉々に飛び散っており、同責任者は「機体がかなりの高速で、垂直に近い状態で地面に衝突したようにみられる」と話した。
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は25日、軍高官の話として、「飛行途中で操縦士の1人が操縦室を出て、戻ろうとしたらドアが開かなかった様子が記録されている」と報じた。
事故機は1万1500メートルまで上昇した後、急降下し、速度を保ったまま山岳地帯に墜落したとみられている。この高官は「閉め出された操縦士は初めドアをたたいていたが、返答がないので、ドアをぶち破ろうとしたのが(ボイスレコーダーで)聞こえる」と、同紙に語った。
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