大阪桐蔭:裏金5億円以上 前校長らに1700万円
毎日新聞 2015年03月26日 00時47分(最終更新 03月26日 01時00分)
大阪桐蔭中学・高校(大阪府大東市)が教材費や模擬試験の受験料の剰余金を不正流用していた問題で、運営主体の学校法人大阪産業大学は25日、大阪市内で記者会見し、裏金の総額は5億円以上に上ることを明らかにした。このうち、本来の目的でない不正な支出が疑われるのは少なくとも約2億円になるという。
弁護士らで作る第三者委員会が調査報告書にまとめた。前校長(74)らの闇給与に充てられた約1700万円については私的流用と認定し、前校長らを業務上横領容疑で刑事告訴するべきだと結論付けた。学校法人の土肥孝治理事長は記者会見で「申し訳ない。信頼回復に努めたい」と謝罪した。
学校法人や調査報告書によると、保護者から集めた模擬試験代の一部を学校法人の正規のものとは別の口座で管理していた。約1700万円は前校長が2013年に教育相談役に退いた際、主に給与が減った分を補うため、前校長と前校長の子の口座に前事務長が振り込んだ。
教材費の剰余金も裏金にしていた。第三者委は約5400万円について、前事務長が飲食代、ゴルフ代などに使ったと認定した。これとは別に、1点100万円の高級バッグなどブランド品の購入費にも約7700万円が充てられていた。学校の金庫から現金約5200万円も見つかった。
ただ、第三者委は個人的な流用かどうかは確認できないとし、少なくとも民事上の責任追及を検討するべきだとした。こうした支出には、優秀な生徒を集めるために塾関係者らを接待した費用が含まれているとみられる。
また、学校の本来の会計とは別の簿外口座に入金された総額はこの約10年で約16億円に上る。多くは本来の目的に使われたとみられるが、すべての正確な使途はわかっていない。
◇対策委で追及へ
学校側は近く、対策委員会を設置し、保護者への返金、関係者の処分、刑事・民事の責任追及などを検討していくという。
第三者委のメンバーは委員長の畠田健治弁護士▽橋森正樹弁護士▽坪内隆公認会計士▽藤本勝美公認会計士▽徳田守・学校法人常任理事−−の計5人。【大久保昂、寺岡俊】
◇前校長と前事務長が中心に
第三者委員会は裏金問題について、前校長と前事務長が中心になって関わったと指摘、「学校の発展に寄与した前校長の発言力が大きく、問題が明るみに出るまでに時間を要した」と分析した。