パラダイムシフト 〜アヒルがウサギに見える日〜

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help RSS シンクロニシティの功罪

<<   作成日時 : 2011/11/11 22:14   >>

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分析心理学の祖といわれるユングは、フロイトと共に現代思想界に大きな影響を与えた人物です。彼が唱えた概念にシンクロニシティ(共時性)というものがあります。

ユングは、患者が「夢でエジプトの黄金虫を見た」という話をした瞬間、窓から黄金虫が飛び込んでくるという体験をしました。

このような意味のある出来事が起きるのは、単なる偶然ではなく、「意味のある偶然の一致」だとユングは考えました。その背景には、因果関係ではなくシンクロニシティという原理があるとしたのです。因果関係がまったくない時空を超えた両者に、意味がある同様の現象が起きるというのです。

このシンクロニシティは、超常現象肯定派が最もよく用いる話です。

では、科学的にはどうなのか? むろん、証明された科学的理論ではありません。客観性にも実証性にも欠けている部分が多いです。

科学的に考えたときの「シンクロニシティの誤り」は、「意味がある」ということと「偶然の一致」を結びつけた点です。なぜなら、「意味があるかないか」と判断するのは「人間の主観」だからです。同じ現象であっても、ある人にとっては意味があることでも、ある人にとっては意味がないということがあるからです。これでは客観性がありません。

しかし、逆にそれがユング心理学の最大の功績でした。すなわち、「単なる偶然の一致に人間が意味を付けてしまうこと」を発見したからです。精神疾患を治療する現場では、体験に意味を付けることが有効なのです。ですからユング心理学は、心理学としては十分に成立し、大きな学派となっています。

このように、科学的ではないものでも、人々の役に立つものはたくさんあります。科学は絶対ではありません。

ただし、何度も言いますが、科学的ではないものを「科学的だと偽装する行為」はやめてほしいです。科学への信頼を裏切る行為となります。シンクロニシティは、超常現象を証明する科学理論ではありません。臨床心理学の現場で活用できるツールに過ぎません。


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