「ひょっとしたらほかの読書サービスと全然違うものになると思った」
3月17日、新しい本のアプリ「Stand(スタンド)」がリリースされた。本を紹介することと、おもしろい本を見つけること。共有と発見という非常にミニマルな機能をもつこのアプリを手がけたのは、Webサービスエンジニアの井上隆行氏とブック・コーディネイターの内沼晋太郎氏だ。
アプリ(現在はiOS版のみの提供)を開くと、本の表紙がユーザーのコメントとともに流れてくる。バーコードスキャンや本のタイトル・著者名から検索することで本を投稿可能だ。上部には「おすすめ」「フォロー」「本棚」という3つのタブがあり、Standがレコメンドする投稿、自分がフォローしたユーザーの投稿、そして自分の投稿を見ることができる。複数のユーザーを同じ本を投稿している場合、それぞれのコメントが紐づくことも体験としておもしろい。
しかし、気になる点がいくつかある。なぜいま、本のアプリなのか。既存のサービスとの違いはなにか。どのようなユーザーを想定しているのか。今回、井上氏と内沼氏にサービス開発の経緯や、Standがもたらす豊かな本との出会いなどについて聞いた。
サービスの原点は井上氏によれば、自由に本を持ち寄って仲間と話し込んでいた学生の頃の楽しさにある。その体験は時間のあり余る大学生ならではで、社会人になるとおもしろい本を読んでも人に勧める機会はそれほどない。ただ、「ウェブサービスならそんな体験も実現できるのではないか」と考えた。
内沼氏が代表を務めるnumabooksと博報堂ケトルが協業でプロデュースする下北沢の本屋「B&B」によく訪れていた井上氏は、内沼氏の著書『本の逆襲』を読み、本とインターネットの接続や本の捉え方が広いことに共感したという(同書では「本はもはや定義できないし、定義する必要がない」とまで書かれている)。アプリを作りはじめた頃、内沼氏が「これからの本屋講座」という講座を開くことを知り、申し込んだ。
「これからの本屋講座」は全5回。最初の2回は内沼氏の仕事や出版業界に関する知識編とも言うべき位置づけ。残りの3回が実践編で、自分がやりたい本屋の企画を立てる。そこで内沼氏は受講生として参加した井上氏からStandの原案を聞いた。「最初に話を聞いた段階では、ほかの本棚アプリや読書管理サービスとの違いが明確ではないと感じました。でも実際に画面を見たり、モックアップを触るなかで、ひょっとしたらこれは全然違うものになるんじゃないかと思ったんです」(内沼氏)。
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