５歳男児、５年前の姉に続き同じため池で溺死

　香川県三豊（みとよ）市のため池で２４日夜、近所に住む幼稚園児・矢野龍毅（りゅうき）ちゃん（５）が浮かんでいるのが発見され、直後に死亡が確認された。死因は溺死。同じため池では、５年前にも龍毅ちゃんの姉（当時３歳）が溺死していた。県警は事件の可能性は低いとみている。

　５年前、姉が溺死したため池で今度は弟が溺死するという、痛ましすぎる事故が起きてしまった。

　香川県警三豊署によると、龍毅ちゃんは２４日午後５時４０分ごろ、自宅敷地内の庭で遊んでいた。辺りが暗くなったため、母親が「もう家の中に入りなさい」と声を掛けたが「まだ遊んでいたい」といった返事が返ってきた。

　しばらくして、龍毅ちゃんの姿が見えなくなったことに気付いた両親が周囲を探したが、姿はなかったため、同７時ごろ、三豊署に通報。近所にも声を掛けて捜索したが、見つからなかった。

　同８時３５分ごろ、捜索に加わっていた近所の住民が、龍毅ちゃん宅から国道を挟んで約３０メートルの距離にあるため池「裏新池（うらじんいけ）」東南部の岸から約３メートルの水面に、自宅にいた時と同じ服装で、足とお尻を出した状態で浮かんでいる龍毅ちゃんを発見した。

　龍毅ちゃんはすぐに病院に搬送されたが、同９時４０分に死亡が確認された。翌２５日に行われた司法解剖の結果、死因は溺死だった。県警は事件の可能性は低いとみている。

　２０１０年には、同じ裏新池で龍毅ちゃんの姉（当時３歳）が亡くなっている。もう一人の姉と一緒に土手で遊んでいる時の転落事故による溺死だった。当時、龍毅ちゃんはまだ６か月の新生児だった。

　三豊市によると、裏新池は正方形に近い四角形で、最深部で深さ約５・５メートル。１０年の事故を受け、周囲に高さ約１・１メートルのフェンスが設置されたが、全体を覆ってはおらず、フェンスがない地点も一部ある。

　土手は約３メートルの高さで舗装された階段で登っていけるが、通常時は入り口の門扉で自由な通行ができないようになっている。県警は、龍毅ちゃんがどのような経路をたどって池までたどり着いたかなどを調べている。

　降水量が全国平均の３分の２程度しかない香川県では、県内に約１万４０００もの（全国３位）のため池がある。今回の事故現場周辺にも多数のため池が点在している。