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温泉5疾患防ぐ可能性 入浴パターン、泉質が左右

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 別府市内で温泉と健康に関する2万人アンケート(回答者1万1146人)を実施した九州大学病院別府病院などは24日、温泉入浴が高血圧やぜんそくなど五つの疾患予防につながる可能性があるとする最終報告を発表した。ただ、効果は入浴の仕方や泉質によって異なる傾向が出ており、病院は今後も調査を続ける。
 効果を調べた14疾患のうち、予防につながる可能性があると分かったのは、高血圧、高脂血症、うつ病、ぜんそく、慢性肝炎―の5疾患。特に、毎日温泉に入る女性には高血圧とぜんそくの人が少なかった。
 病院が調査前から着目していた泉質別の効果も初めて明らかになった。市営鉄輪むし湯や浜田温泉など各地に点在する「塩化物泉」の利用者には高脂血症(女性)とうつ病(男女とも)になったことがある人が少なかった。市営海門寺温泉などの「炭酸水素塩泉」は男性の高脂血症と慢性肝炎が少なく、それぞれ予防効果の可能性があるとした。
 昨年5月の2回目の中間報告では計8疾患の予防につながる可能性を示していた。アンケートをより細かく分析した結果、泉質によって、どの疾患が少ないか―など、さまざまな観点で調べ、はっきりと差が出た5疾患に絞った。
 データ分析を担当した病院の前田豊樹准教授(内科)は「内臓系の病気に温泉の効果が確認できたことで、今後の医療に生かしていくべきものだとあらためて意義付けされたと思う」と話した。今後は生活習慣なども含めた内容で調査を重ね、さらに分析を進めるとしている。
 報告書を受け取った浜田博市長は「健康のための温泉利用の方向性を示すことは温泉都市の使命の一つ。4月にある温泉所在都市協議会でも報告する」と話した。 

メモ
調査は九大病院別府病院と別府市医師会、市が温泉の健康増進効果を明らかにするため、2012年11月に実施。市内在住の65歳以上から無作為に抽出した2万人が対象で回収率は55・7%。健康な人を含めた大規模なアンケートは全国でも初めての取り組み。
※この記事は、3月25日大分合同新聞朝刊25ページに掲載されています。
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