web-g.org

Loading

貴重な居酒屋を後世に残すには

2015 82day @578.beat

出張が多いんです。まあ、行く先々で飲み屋さん行きまくってて、最近じゃ胸を張って「趣味は飲み屋巡りです」と言えるようになってきたけど。

先日、寂れた地方都市で行った飲み屋が最高でした。いつものように駅近辺の裏路地を散策してたら、昭和の雰囲気そのままの界隈を発見。更にその中から一番小さな店に入ったら、お婆さん一人がやってるお店で、席はカウンターのみで4名しか座れない。これはもう扉開けて中見た瞬間に「やった!当たりじゃん!!!」と確信したね。

座って早速飲み始める。ビールなんて頼まない、和の心に酔いしれろ!と焼酎と日本酒です。見た感じからお店の歴史長そうと思われたが、お婆さんに聞いたらそのお婆さんのお姉さんが元々40年くらいやってて、お姉さんが亡くなって妹が継いで更に13年。と言うことは53年の歴史があるお店ですよ。

肴も頼む。勿論、こういうお店にメニューなんか無い。隣のお爺さんが刺身食べてるので、刺身があるらしいと言うことと、目の前におでんがあるので(またこの鍋が小さい!もうこれってお婆ちゃんの個人用だよね!)、それを頼む。隣の席のお爺ちゃんは10年以上、毎日通っているそうです。もうね、話題が空襲とかの話ですよ。てレトロ風居酒屋じゃなくて、マジレトロな居酒屋です。

で、こっから話変わるんですけど、ネット上って自分が行った居酒屋の内観とか料理の写真を撮ってアップロードしてるじゃないですか。人のそういうのを見るのは楽しいんだけど、俺自身は撮らないのね。と言うのも、居酒屋とかバーは閉鎖的なところが凄く魅力的なんで、それをインターネット上にアップしたら、その時点で閉鎖感が無くなって、魅力なくなってしまうんじゃないかって思うんです。

でもさぁ、今回行った居酒屋って、多分、お婆さんが亡くなったらこのお店も閉店しちゃう。そうすると、ここにこんな素晴らしくて、長い歴史を持った居酒屋が有ったってことは、常連さん以外はみんな知らずに終わってしまう、それがすごい勿体ないな、って思っちゃって。

個人的には、今回行った居酒屋は本当に今まで行った居酒屋の中でもかなり上位に位置する良さで、これは自治体が手厚く保護すべきくらいの思いなんだけど、でもきっとそれって俺と隣にいたお爺さんくらいしか思っていないのかな、と思うと、それはそれで寂しいなあ。

誰か行って写真撮ってきて欲しいと思うけど、そもそもこの居酒屋の良さを分かってくれるかって言う疑問と、そのお店のお婆さんもそんなこと望んでないかも知れないなあって思ったりもしてね。


 

This text is dedicated to the Public Domain(except for quotation). powered by Tumblr.