最終日、プレーオフを制して優勝、花びらで祝福される飯島茜(中)=佐賀・若木GCで(沢田将人撮影)
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◇Tポイント・レディス<最終日>
▽22日、佐賀県武雄市・若木GC(6304ヤード、パー72)▽曇り、気温16・5度、風速4・6メートル▽賞金総額7000万円、優勝1260万円▽52選手(うちアマ2人)▽観衆4678人
通算3アンダーで並んでフィニッシュした飯島茜(31)と全美貞(ジョン・ミジョン、韓国)がプレーオフに突入し、6ホール目、バーディーを奪った飯島が2010年9月のゴルフ5レディス以来となるツアー通算7勝目を飾った。1打差の2アンダー3位に上田桃子(28)=かんぽ生命保険、一ノ瀬優希(26)、藤本麻子(24)=富士通=の3人が入った。
プレーオフだけで6ホール、所要1時間47分の死闘に決着がついたのは、日もすっかり西に傾いた午後5時29分だった。「どこまで行くんだろうとは思ったけど、もう飛行機にも間に合わないし、絶対に勝って帰ろうと思ってました」と飯島。18番パー5を延々と繰り返したプレーオフの最後、「やっと残したい距離が来た」という92ヤードの第3打は、切り直し3度目のカップ手前1メートルに止まった。全美貞の長いバーディーパットが外れた後、飯島は4年半ぶりのウイニングパットをど真ん中から沈めた。
「長かったですね〜。疲れてて『あ、勝った』と思っただけで、全然泣けなかった」。今季は昨年までとは違う自分がいるという。「タイで笠りつ子ちゃんと合宿している最中に突然、片山(晋呉)さんに言われてたことができるようになったんです。自分から直談判して教えてもらうようになって3年弱。ずっとできなかったのに初めて。アレッって」。球を捉える音が明らかに変わったという。「それまでは石に当たってるみたいな、カリッって音で、風にも負けちゃう打球だった。それがものすごくいい音になった。ダウンで右肩が前に出なくなってインパクトゾーンが長くなった分、スイング中のアジャストもできます」
2月の帰国後、片山の前で打ってみせると「悪い癖がやっと取れた。スイングにはもう問題はない。大丈夫。これだったら勝てるよ」とお墨付きを得た。パッティングもクロスハンドから順手グリップに戻し、久しぶりの好感触。「今週もし勝てなくても、ことしは自信があった」という。
片山のアドバイスで「ゴルフだけじゃなく、いろんなことを変えてきた。言葉の伝え方、それに一切しなかった料理や読書。チーズケーキは自慢です」と飯島。「私は体も小さい(157センチ、50キロ)し、若い子たちは勢いがあるし。いつ引退の時が来るんだろうと不安はあった。でも、35歳までは現役でバリバリ頑張ります!」と威勢良く話した。生涯獲得賞金4億円突破も果たし、今季目標は「1勝」から上方修正されることになった。 (月橋文美)
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