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福島県の汚染地帯で新たな異変発覚!「胎児」「赤ちゃん」の死亡がなぜ多発するのか? 〜誰も書けなかった福島原発事故の健康被害 【第6回 前編】〜

宝島 3月24日(火)17時40分配信

 11年において「福島県全体」(同3.57人)、「汚染17市町村」(同3.17人)、「その他」(同3.95人)のいずれの地域も全国平均(同4.09人)を下回っているのは、原発事故で漏れ出した放射能による胎児への悪影響を嫌い、出生数自体が大きく下がったことが原因である可能性もあった。そこで、念のため全国と福島県における出生数の推移も調べてみた。その結果が【図4】であるが、福島県の出生数が激減していたのは11年ではなく翌年の12年であり、しかも13年には復調していた。09年から13年までの福島県における中絶件数も調べたが、大きな変動は見られず、年を追うごとに減少していた(注3)。
 ようするに、多くの人々が「放射能による胎児への悪影響を嫌った」結果、事故の翌年の12年に福島県の出生数が激減したにもかかわらず、同県の周産期死亡率のほうは急上昇していたのである。
 この1年だけを見れば、「分母」である出生数が減ったので周産期死亡率が上がったとも考えられそうだが、その翌年の13年は、「分母」の出生数が復調したにもかかわらず、周産期死亡率はさらに上昇し続けている。この事態は、「出生減」では説明がつかない。
 11 年に福島県の周産期死亡率が大きく減少したのは、福島県の周産期医療対策が功を奏した結果だと、素直に評価すべきなのだろう。そして、その成果を一気に台なしにした“異変”とは何だったのか。
 この世に誕生することなく亡くなった福島県の赤ちゃんたちや、生まれて間もなく亡くなった福島県の赤ちゃんたちが、自らの命と引き換えに、何を私たちに伝えようとしているのか──。
 その真の意味をきちんと受け止め、悲劇を繰り返さないため後世に活かしていくのは、震災後を生きる私たちの義務であると、本誌取材班は考える。

(注3)福島県の中絶件数
2009年 4686
2010年 3739(相双保健福祉事務所管轄内の市町村の数字を含まず)
2011年 3761
2012年 3656
2013年 3233


取材・文/明石昇二郎(ルポルタージュ研究所)+本誌取材班
(記事の全文は『宝島』2015年4月号に掲載)

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最終更新:3月24日(火)17時40分

宝島

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