2009年6月12日 (金)

【神楽舞】第105話

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第1部:四年目の祟り編
最初から 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34

第2部:嵐の前の日常編
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36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95

第3部:復讐の神楽舞編
96 97 98 99 100 101 102 103 104   

第105話 オリキャラじゃないよ

 

「は……、んくっ」

喉の奥から出かかった吐息を呑み込む。

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2009年6月10日 (水)

【神楽舞】第104話

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第1部:四年目の祟り編
最初から 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34

第2部:嵐の前の日常編
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36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95

第3部:復讐の神楽舞編
96 97 98 99 100 101 102 103   

第104話 ●REC

 

外の空気を吸いたくなって、部屋を出る。

ちゃんと空調は動いているはずなのに、地下という圧迫感のためか、息苦しさを覚えることは珍しくない。

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2009年6月 8日 (月)

【神楽舞】第103話

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第1部:四年目の祟り編
最初から 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34

第2部:嵐の前の日常編
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36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95

第3部:復讐の神楽舞編
96 97 98 99 100 101 102    

第103話 ああ青春のカミングアウト

 

「……というわけです」

語り終わって見てみれば、悟史くんは呆然とした表情を隠そうともしなかった。

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2009年5月30日 (土)

【神楽舞】第102話

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第1部:四年目の祟り編
最初から 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34

第2部:嵐の前の日常編
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36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95

第3部:復讐の神楽舞編
96 97 98 99 100 101   

第102話 さよなら絶望幼女

 

茜色に染まる、古手神社の境内。

桜の木の枝から吊り下がって揺られていたのは……、

 

梨花の、小さな身体だった。

 

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2009年5月19日 (火)

【神楽舞】第101話

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第1部:四年目の祟り編
最初から 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34

第2部:嵐の前の日常編
35
36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95

第3部:復讐の神楽舞編
96 97 98 99 100    

第101話 今、そこにある鬼気

 

「きりーつ、れい。さようならー」

魅音の号令で授業が終わり、放課後となった。

レナが入院して以来、部活は中止になっているし、放課後となればお決まりの光景が繰り返されていた。

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2009年3月 3日 (火)

【神楽舞】第100話

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第1部:四年目の祟り編
最初から 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34

第2部:嵐の前の日常編
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36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95

第3部:復讐の神楽舞編
96 97 98 99      

第100話 すごいよ!魅音さん

 

……園崎の人間じゃ、ない?

湧き上がった疑問、それをいま考えるべきことではないと頭の中に無理矢理にしまいこむ。

 

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2009年2月28日 (土)

【神楽舞】第99話

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第1部:四年目の祟り編
最初から 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34

第2部:嵐の前の日常編
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36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95

第3部:復讐の神楽舞編
96 97 98

第99話 私はこの瞳で嘘をつく

 

先の見えない暗闇の中、私はひとり立ち尽くしていた。

自分がどこにいるのか、どこへ向かえばいいのか……全くわからない。

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2009年2月24日 (火)

【神楽舞】第98話

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第1部:四年目の祟り編
最初から 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34

第2部:嵐の前の日常編
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36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95

第3部:復讐の神楽舞編
96 97

第98話 圭一のライフはゼロよ!

 

鷹野さんから聞かされた話は、突拍子もないものだった。

だが……同じ突拍子もない話であっても、笑い捨てられる話とそうでない話というのがある。

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2009年2月21日 (土)

【神楽舞】第97話

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第1部:四年目の祟り編
最初から 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34

第2部:嵐の前の日常編
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第3部:復讐の神楽舞編
96

97話 『漢らしく』でいこう!

 

 

その報せを聞いて私がまず思ったのは……、

 

始まった。

 

ということだった。

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2009年2月 5日 (木)

【神楽舞】第96話

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第1部:四年目の祟り編
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第2部:嵐の前の日常編
最初から
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96話 なまえのないかいぶつ

 

 

 

 

本当の大嘘つきって、実はひとつも嘘をつかない。

 

その口から出る嘘は、全部が全部本当になるから。

 

だけどあなたは、ひとつだけ嘘をついた。

 

 

 Frederika Bernkastel.

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2009年1月30日 (金)

【神楽舞】第95話

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第1部:四年目の祟り編
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第95話 希望を抱いて溺死しろ

 

近くの民家に駆け込んで監督に電話した。

監督は往診用の車ですぐに駆けつけ、レナは診療所に運ばれた。が、もう一度詳しく怪我の状態を調べた監督は、

「……ここでは、充分な検査ができません」

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2009年1月26日 (月)

【神楽舞】第94話

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第1部:四年目の祟り編
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第2部:嵐の前の日常編
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第94話 約束された勝利の拳

 

「僕は先に帰って支度をしますのです!」

「おう、楽しみにしてるぜ!」

ほわほわと上機嫌の羽入と別荘地の前で別れて歩き出す。

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2009年1月25日 (日)

【神楽舞】第93話

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第1部:四年目の祟り編
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第2部:嵐の前の日常編
最初から
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第93話 そこはかとなく最悪です

 

「ふ~ん……それはちょっと、意外な結論ですね」

私の仮説では、三四さんと小此木造園のこれまでの仕事はそれほど際だったものではない。

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2009年1月24日 (土)

【神楽舞】第92話

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第1部:四年目の祟り編
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第2部:嵐の前の日常編
最初から
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第92話 そんな餌には釣られクマー

 

「んっ……」

頬に温かなものを感じて、そっと目蓋を開く。

……目の前、ほんの数センチ先に目を閉じた彼の顔。

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2009年1月21日 (水)

【神楽舞】第91話

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第1部:四年目の祟り編
最初から 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34

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第91話 それはいろいろアウトだろ?

 

「悟史……、お前と俺は、同志だ!」

いまや形見となったにーにーの金属バットを手に、戦場へ向かうのはその瞳に悲壮な炎を宿した圭一さんだ。

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2009年1月18日 (日)

【神楽舞】第90話

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第1部:四年目の祟り編
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90話 108まであるひみつ

 

三四さんは、嘘をついている。

端的に言って……私、北条沙都子の結論はそれだった。

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2009年1月16日 (金)

【神楽舞】第89話

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第1部:四年目の祟り編
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第89話 研究終了のお知らせ

 

「諸君、いよいよ新学期である。厳しい冬を乗り越え、諸君はまたひとつ大きくなった。新学年となったこの機会に大きな志を抱いてほしい!」

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2008年12月31日 (水)

【神楽舞】第88話

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第1部:四年目の祟り編
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第88話 桜吹雪が舞う頃に

 

「あ……!」

 

春休み最後の日。

いつものように境内をお掃除しようと朝から古手神社に出掛けた僕は、石段を登りきった途端に絶句してしまった。

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2008年12月17日 (水)

【神楽舞】第87話

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第1部:四年目の祟り編
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87話 彼女の嘘と彼の嘘

 

「Kぇぇい、君に足りないもの、それは……ッ!」

とんでもない速度で砂塵をまきあげながら稲妻のように荒野を駆け抜けるのはタンクトップのナイスガイ、富竹ジロウ。

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2008年11月 3日 (月)

【神楽舞】第86話

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第1部:四年目の祟り編
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第2部:嵐の前の日常編
最初から
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第86話 男なら、リックドム。
 

「あれ、圭一。どこか行くの?」

いざ駅に入ろうとしたところで、聞き慣れた声が俺の背中にかけられた。振り向いた先には俺の親友、北条悟史。

マズイ奴に見つかった、と一瞬思うのだが……見つかってしまったものはしょうがない。

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2008年10月26日 (日)

【神楽舞】第85話

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第85話 デザートフェスタへようこそ!

 

「フッキフキ!」

「フッキフキ!」

「フッキフキ!」

「フッキフキ!」

 

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2008年10月 2日 (木)

【神楽舞】第84話

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第84話 エンジェルモートへようこそ!

 

疲れているのかもしれない。

正直そう思う。

いまさら魅音のふりを続けるのが疲れるなんて、一年前の自分なら想像もつかなかったと思う。

でも、ちょっと想像してみてほしい。

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2008年9月25日 (木)

【神楽舞】第83話

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第83話 容疑者・園崎魅音

 

「お、やっぱバレンタインのチョコはハート形に限……、ぐ、う……うぅぅ……っ!?」

突然苦しみだした圭一!

「犯人は、この中にいる……!」

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2008年9月21日 (日)

【神楽舞】第82話

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第82話 被害者・前原圭一

 

「……誰がやったんだ」

僕は呆然と床を見つめながら拳を強く握りしめた。

教室の床に引かれた白線は、大の字に横たわる人の形を模していた。

そう、たった数分前まで……ここには僕の親友、前原圭一が倒れていた。

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2008年9月17日 (水)

【神楽舞】第81話

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第81話 アホでもいいと言ってくれ

 

誤解のないように言っておこう。

いくら惨劇の昭和58年6月があと数ヶ月先まで迫っているからと言っても、なにも深刻なことだけ考えて過ごしているわけじゃない。

そんなことは思ってもみなかった?

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2008年9月13日 (土)

【神楽舞】第80話

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第80話 アホの子だって考える

 

「……寒」

なにか寒いな、と思いながら目を醒ますと、布団の中には誰もいなかった。我が前原家には電子毛布も湯たんぽもないので、夜中における最高の暖房器具は人間だ。

いっそこたつで寝たいけど、羽入とレナが烈火のごとく怒るからお昼寝だけにしている。

なので、起きたら誰もいないという事態は少ないが……。

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2008年9月12日 (金)

「綿の流れる先」

いただきもの「綿の流れる先」

 

 

……どうして俺達は……こんな所まで来てしまったんだろう……。俺達の、世界は…………。

「何一人でブツブツ言ってるのさ、圭ちゃん?」

「あ、いや、何となく」

暗いトンネルの中を車がひた走る。そしてトンネルを抜けるとそこは……。

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2008年9月11日 (木)

「精霊馬」

いただきもの
「精霊馬(しょうりょううま)」

 

 

お盆。正確には、盂蘭盆会(うらぼんえ)と呼ばれる仏教の行事である。

目連尊者(もくれんそんじゃ)という釈迦の弟子が、餓鬼道に堕ちた亡き母を哀れんで釈迦に助けを請い、供養をする事で母を救ったという話に基づいた物で、旧暦では七月十五日、明治以降の新暦では八月十五日から行われる。

死者の魂があの世から帰って来るとされ、盆提灯や迎え火、送り火、精霊流しや灯篭流し、盆踊り等を行い、亡くなった人の魂を迎え、送る。

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2008年9月10日 (水)

「さとこがんばるっ!!」

いただきもの
「さとこがんばるっ!! ~ポロリもあるよw編~」

   

   

皆さん、ごきげんよう。私、雛見沢のトラップマスターこと、北条沙都子でございますわ。これからお話しするのは、先日起こった、とある騒動のお話ですの―――。

   

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2008年9月 9日 (火)

「罪滅し Reverse」

いただきもの「罪滅し Reverse」

それはある夏の暑い日の出来事だった。

夏休みに入り、ますます野に山にと駆け回る、私達部活メンバー。

今日は雛見沢で花火大会が行われるとあって、綿流しのお祭りの時の様に七凶爆闘を行うべく、前日から打ち合わせをしていた。

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2008年9月 8日 (月)

「観察レポート07号」

小説大賞落選作品「観察レポート07号」

 

どうして唐突にそんなことを思い立ったのか、正直言えば自分でもよくわからない。夏休みの宿題にゃまだ早いし、そもそもそんなことをする意味がない。たぶん寝ぼけた頭の中で、どこかの配線が変なところにつながっちまったんだろう。

とにかく、朝起きたらそんな気分だったのだ、としか言いようがない。

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2008年9月 7日 (日)

「羽入は俺の嫁」

小説大賞落選作品 「羽入は俺の嫁」

 

俺の名前は前原圭一。

ごく最近雛見沢に越してきたばかりのわりと普通の男子というか、まぁそんな感じだ。

雛見沢はそりゃあドがつくくらいの田舎だけど、都会にはうんざりだったし村のみんなが親切だから、すぐになじめて引っ越し最高って気分を味わっているところだ。

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2008年9月 6日 (土)

「一睡の夢」

小説大賞落選作品「一睡の夢」

 

それはまさに、青天の霹靂。

「東京から来ました、前原圭一です。よろしく!」

黒板の前に立っているのは、見たこともない少年だった。

『あぅ……なんだか、珍しいことが起きたようなのです』

私の後ろで、羽入も不思議そうな顔をしている。

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2008年9月 3日 (水)

【神楽舞】第79話

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第79話 そして、最強の男

 

「寒ぃな……」

別荘地の入り口でぽつりと呟く。

あまり大口開けてしゃべると、余計に冷たい空気を吸い込むはめになるから外では口の動きを最小限にする。

俺も雛見沢の冬の過ごし方ってやつが遅まきながら身について来た気がするな……。

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2008年8月31日 (日)

【神楽舞】第78話

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第78話 最強と呼ばれた男

 

「らぁあああぁッ!」

叩きつけた拳が、固められた雪の壁に亀裂を生じさせる。

だが、まだだ。……まだ足りない。

……これで何発目だ?

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2008年8月27日 (水)

【神楽舞】第77話

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第77話 千年前からずっと

 

「……なるほど。それは確かに様子がおかしいね」

ようやく正月が過ぎて身体のあいた魅音さんのお家にお邪魔して相談したら、すぐに同意してくれた。

「なにがあったのかは言わないんだね?」

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2008年8月24日 (日)

【神楽舞】第76話

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第76話 あけまして宣戦布告

 

「おいしい……」

三四さんの薄味のお雑煮は、初めて食べる味のはずなのになんだか懐かしかった。

もしかしたら、よくは思い出せないけどお母さんが作ってくれたお雑煮の味にちょっと似ているのかも知れない。

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2008年8月22日 (金)

【神楽舞】第75話

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第75話 SだからMになれない

 

「さてさて諸君!」

詩ぃちゃんはなにごともなかったかのように明るい声で、元気に拳を突き上げる。

彼女本来の口調ではなく“部長・園崎魅音”を演じて。

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2008年8月19日 (火)

【神楽舞】第74話

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第74話 MじゃなくてSでした

 

「おじゃましま~す」

靴を揃えて、そう挨拶したら魅ぃちゃんはひらひらと手を振って笑顔をみせた。

「いいのいいの。今日は婆っちゃ、いないからさ」

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2008年8月17日 (日)

【神楽舞】第73話

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第73話 強さをもう知っていた

 

組み合わせは、くじ引きで決まった。

まず戦力のバランスをとるために、飛び入りの大人四人、圭一&悟史の男子二人と、鷹野を含めた女子六人の二組に分かれる。

それから僕たちがくじを引いて、パートナーが決まる。

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2008年8月16日 (土)

【神楽舞】第72話

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第72話 最後まで笑ってる

 

カーテンを引く音と歓声で目が覚めた。

「うぉおおおおッ!?」

窓のそばに立つ圭一が叫び、あろうことか窓を開ける。

寒風が吹き込むのも構わず身を乗り出した。全裸で。

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2008年8月15日 (金)

【神楽舞】第71話

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第71話 カレー色に染まれ

 

「……レナさんや」

自室(というか梨花&羽入の部屋)にテーブルを出して宿題らしきものを広げていたレナに声をかける。

「なにかな、圭一くん?」

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2008年8月14日 (木)

【神楽舞】第70話

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第70話 毎日がカレー曜日

 

「……ん? どーした、悟史」

悟史は向かいの席に座る俺を見て、目をひん剥いていた。

「ど……、どうして」

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2008年8月13日 (水)

【神楽舞】第69話

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第69話 僕たちの哀歌

 

再び、診療所地下の会議室にて。

「すいません、僕が未熟なばかりに……」

そう頭を下げたら、イリーはそれを手で制した。

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2008年8月12日 (火)

【神楽舞】第68話

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第68話 男たちの挽歌 

 

それは、蛍光灯に照らし出された薄暗い室内。

窓のひとつもないことが、逆説的にここが地下であることを教えてくれる。

診療所に地下室があるなんて驚きだ。

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2008年8月11日 (月)

【神楽舞】第67話

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第67話 晴朗なれど波高し

 

穀倉駅まで、小一時間。

そこから郊外へ向かうバスに乗って行くのだけれど、もちろん拳銃持った変なバスジャック犯なんかでてこなくて、無事に遊園地までたどりついた。

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2008年8月10日 (日)

【神楽舞】第66話

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第66話 ヤツは噂の不沈艦

 

「魅音、これしてけ」

鬼婆様が渡してくれたのは手編みの手袋だった。

「……うん。あったかそ~、ありがと!」

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2008年8月 9日 (土)

【神楽舞】第65話

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第65話 嘘か真実か?

 

「羽入さんと魅音さんは、お亡くなりになりました」

葛西が冷然と告げる。

私たちは互いに視線を交わし合い、誰が犯人なのかと腹を探り合う。……この中に、必ず犯人はいる。

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2008年8月 8日 (金)

【神楽舞】第64話

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第64話 敵か味方か?

 

身体の下で圭一が動くたびに、私の身体はゆっくりと上下する。そのリズムと彼の息遣いが好きだから、こういう時間も悪くないなと思ってしまう。

でも、その時間もそろそろ終わり。

圭一はフィニッシュを迎えようとしていた。

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2008年8月 7日 (木)

【神楽舞】第63話

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第63話 愛のお召し上がり劇場

 

「……れすとらん。なのですか」

事の真相を知って茫然自失、魂が抜けまくってる羽入ちゃんを見て、おじさまとおばさまが唸っていた。

「うぅむ。なんという……」

「話には聞いてたけど……」

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2008年8月 6日 (水)

【神楽舞】第62話

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第62話 愛のお持ち帰り劇場

 

「そんじゃ、また明日ね。ちゃんと家までそのカッコで帰るんだよ~?」

魅ぃちゃんが笑いながら分かれ道でぶんぶんと手を振って去っていくのを見つめて、私は「はぅ……」と困惑気味に手を振り返すしかなかった。

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2008年8月 5日 (火)

【神楽舞】第61話

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第61話 勝負を決めるはメイド魂

 

「紅組代表、古手羽入さん!」

「あ、あぅ!」

名前を呼ばれた羽入がてけてけと堅い動きで壇上へ上がっていく。途中でつまずきやしないかと、後ろで見ているこっちのほうがはらはらしてしまう。

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2008年8月 4日 (月)

【神楽舞】第60話

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第60話 最後の決め手はメイド力

 

「あぅうっ!」

狙われているのは、やはり羽入だ。

それがわかっているから、彼女も懸命に逃げようとするのだが……生来の運動能力の低さだけは、どうにもならない!

「貰ったぁ!」

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2008年8月 3日 (日)

【神楽舞】第59話

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第59話 アイ罠ビー!?

 

翌日、東京から帰ったその足で面会時間も過ぎているのに圭一さんと梨花が診療所へ駆けつけてくれた。

「……そうか。大変なときにいなくて、悪かったな」

「沙都子、ごめんなさい」

事の経緯を聞いて全然悪くもないのに頭を下げる二人がおかしくて、思わず笑ってしまう。腫れた顔が痛いくらいだった。

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2008年8月 2日 (土)

【神楽舞】第58話

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第58話 ナース祭りはまだですか?

 

「おや、おでかけかい沙都子ちゃん」

隣の病室のおじいさんが声をかけてくるので、私は笑顔でお辞儀をした。

「ええ、鷹野さんと一緒にお散歩でしてよ」

「そうかい。今日はいいお天気だからね、気をつけていっておいで」

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2008年8月 1日 (金)

【神楽舞】第57話

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第57話 息子さんをください!

 

がつん。がつん。がつん。

泣きながら振るう私の拳が、床に横たわる圭一の顔面へと降り注ぐ。

「圭一の……、裏切り者ッ!」

もう自分の拳が痛くてたまらないけれど、涙も拳も……止められなかった。

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2008年7月31日 (木)

【神楽舞】第56話

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第56話 古手姉妹を食べにいこう

 

「んふ♪」

窓辺にのんびり腰をおろして、月を肴にワイン風味のオレンジジュースをちびちび飲む、これが私の夜のお楽しみ。さすがに夏の名残の暑さも最近は抜けてきて、そろそろ肌寒いかなって思わなくもないけど。

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2008年7月30日 (水)

【神楽舞】第55話

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第55話 驚きの白さと柔らかさ!

 

「怖かったに決まってるだろ。常識的に考えて」

夜の散歩で圭一に尋ねたら、彼はそう言って苦笑した。思い出しても寒気がすると言うように身を震わせる。

「あの婆さんは絶対人斬ってるだろ。刀振り回した瞬間の躊躇のなさはレナに匹敵したな」

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2008年7月29日 (火)

【神楽舞】第54話

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第54話 メイド服だったわけ

 

「あんたらには、メイド服を着てもらう」

圭一は、僕や梨花をからかうときみたいな悪戯っ子の顔でそう言ったものだから、その場の誰もがあっけにとられるしかなかった。

あのお魎でさえ、圭一の言葉の意味をはかりかねてぽかんとしている。

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2008年7月28日 (月)

【神楽舞】第53話

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第53話 メイドは世界を救う

  

「ですから、メイドが悪いとは申しませんのよ」

むくれた顔の沙都子が言う。

学校帰りに寄った沙都子の病室で、鷹野さんがこの前のみんな揃って撮った写真を僕に渡してくれたのだ。いまは沙都子と一緒にそれを眺めていた。

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2008年7月27日 (日)

【神楽舞】第52話

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第52話 .maid//感染拡大

 

「……アリ、ですね」

彼女がぽつりと口にしたのは、そんな言葉だった。

「え……?」

僕は信じられない思いで彼女を見つめる。

アリってなにさ? 虫? ボクサー?

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2008年7月26日 (土)

【神楽舞】第51話

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第51話 前原圭一の無難な日常

 

キラリ、陽光を反射いて高く舞い上がる金属バット。

それが地面に落ちるのと同時に俺は叫んでいた。

「悟史ぃぃぃぃぃぃっ!」

目の前の光景は……ある意味では、ごく当然とも言うべき成り行き。レナの鉈さばきはやはり超一流、悟史は武器をその手からもぎ取られ、レナの膝で組み伏せられてしまっていた。

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2008年7月25日 (金)

【神楽舞】第50話

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第50話 前原圭一の単調な日常

 

「くっくっく……いいのか、たった一分で」

あの連中、この俺の怒りがどれほどのものかまだわかっちゃいねぇようだな。すぐに後悔させてやる、前原圭一という危険人物を本気にさせたことをな!

それにしても詩音の奴、メイド服4人ぶんちゃんと用意できるんだろうな。半端は許さないぜ、なにしろ圭一ハーレム王国という遠大な野望がかかってるんだからな。

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2008年7月24日 (木)

【神楽舞】第49話

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第49話 前原圭一の退屈な日常

 

「ごめんねごめんね魅ぃちゃん、背中に透けてるラインがとってもかぁいかったんだよ。だよ☆」

俺を3回ばかり地に這わせてようやく正気に返ってくれたレナが詩音に謝罪する。いまいち反省してないのだろうか、そのうっとりした表情はやめい。

「別にいいんだけどさ、そんなの私だけじゃないじゃん……」

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2008年7月23日 (水)

【神楽舞】第48話

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第48話 前原圭一の平凡な日常

 

××県鹿骨市雛見沢、のどかな山村を見下ろすように建つ古手神社。

そのやや裏手に位置する防災倉庫の二階、六畳一間の和室で俺、前原圭一の朝は始まる。

「ふぁあ……」

あくびを噛み殺し、しみの目立つ天井を見つめる。

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2008年7月22日 (火)

【神楽舞】第47話

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第47話 痴話喧嘩でなく頃に

 

「圭ちゃんが、私たちのどちらも選べないなら……」

「ま、待ってくれ、魅音!」

「あの世で3人、一緒になりましょう……圭一」

「待つんだ、梨花ちゃん!」

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2008年7月21日 (月)

【神楽舞】第46話

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第46話 恋する乙女のツープラトン

 

夏休みも終盤を迎えて残暑厳しい折りではあるけれど、恋の季節はまだまだこれからが本番。……というわけで、今日はちょっと気合いを入れてみた。

普段なら夏休みの宿題を口実に図書館に誘うのが精一杯の圭ちゃんを、プールにお招きしてみました!

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2008年7月20日 (日)

【神楽舞】第45話

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第45話 それでも俺はやってない

 

「はっはっは、殴り合いの喧嘩だなんていまどきの子にしちゃ珍しいと思ったが、園崎さんとこの若い衆かね!」

興宮連町の会長さんだというおじさんが大笑いする。

「あはは、お恥ずかしい限りですけど、組の者じゃあないんです。これが実はクラスメイトでして……」

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2008年7月19日 (土)

【神楽舞】第44話

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第44話 天下無双のお祭り男!

 

「いってきま~す!」

答えがないとわかっている挨拶を口にして、私は玄関を出る。鍵をかけて、ゆっくりと歩き出した。

お父さんは、最近あまり家に帰ってこない。

興宮のお友達のところへ泊めてもらって、仕事を手伝わせてもらっているんだと言うけど、数日に一度帰ってきては金庫から数万円ずつ抜いていく行動を見ればお金を稼いでいるどころか遊び回っているだけなのは目に見えていた。

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2008年7月18日 (金)

【神楽舞】第43話

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第43話 神様は甘いのがお好き☆

 

愕然とするしかなかった。

東京で何者かに撃たれて、目を怪我した梨花。そのとき飛んできて、救急車を呼んでくれたのが圭一だったと梨花には聞いていた。雛見沢に来てからの圭一を思えば、それはとても相応しい行いで、村の誰もその話に疑問をもっていなかった。

だけど……それが圭一の撃った弾によるものだとすれば、話はさかさまになってしまう。

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2008年7月17日 (木)

【神楽舞】第42話

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第42話 とどめは富竹フラッシュだ

 

入江は事務机に資料を置いて、小さく息をついてみせた。

「いまのところは小康状態としか言いようがありません。各数値は波があり、減少傾向にはあるもののいまだほとんどがL4の基準値を超えています」

沙都子の状態がよくないのは百も承知だ。そうでなければ、一日の大半を薬で眠らせるという、ある意味非人道的な措置を入江や鷹野が許容しているはずがない。

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2008年7月16日 (水)

【神楽舞】第41話

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第41話 祟りの増量期間中☆

 

古手神社祭具殿の古文書に曰く、その秘湯にオヤシロさまの司る縁結びの加護あり。

ひとたび未婚の男女がその湯をともにしたならば、その仲は未来永劫安泰間違いなし、子宝にも恵まれて実りある半生を送ることができるであろう。

しかし、もしもこの加護に背くことあらば主に男のみが祟られて悲惨な末路を迎えるであろう。普通は七代祟るところを増量サービスで十代祟るから覚悟しとけよコラ。

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2008年7月15日 (火)

【神楽舞】第40話

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第40話 ときめき☆マウントポジション

 

とても、とても暑い日のことだった。

「はぁ、はぁ、はぁっ……」

乱れた自分の呼吸音、上下に揺れる肩と胸。大量の汗が全身を伝い落ちる。

握りしめた醤油瓶は、衝撃のあまり砕けて割れていた。

……そして、ガラスの破片の中で畳の上に横たわっているのは我が姉、古手羽入のなれの果てだ。

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2008年7月14日 (月)

【神楽舞】第39話

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第39話 ネコミミは世界の宝

 

いきなりスレッジハンマーで後頭部をぶん殴られたみたいなキツい衝撃!

しかも植物油をたっぷり塗って極上の波紋を流したとびきりのヤツだ。こいつは究極生物でもちょいと耐えきれないに違いないが、俺は考えるのをやめるわけにもいかない。

いまレナはなんと言った?

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2008年7月13日 (日)

【神楽舞】第38話

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第38話 ひぐらしのないちゃう頃に

 

クジ引きの結果、俺とレナは薪拾いに向かうことになった。

「いこっ、圭一くん」

「おう、まかせろ!」

雛見沢では都会もんというレッテルを張られている俺ではあるが、勉強漬けになる前は親父の趣味で夏になるたびにサマーキャンプへ連れていかれた経験があるから、薪拾いであろうがカレーの担当になろうが実のところはお手の物だ。

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2008年7月12日 (土)

【神楽舞】第37話

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第37話 にーにーは堕落しました

 

晴れ渡る青空、蝉たちの大合唱、風にそよぐ緑の木々、澄んだ水面のせせらぎ。

「夏だねぇ、圭一」

川辺の岩のうえでのんびりとそう言ったら、隣で圭一が頭を抱えた。

「悟史……、てめぇいったいどこを見てそう言ってる!」

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2008年7月10日 (木)

【神楽舞】第36話

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第36話 まごころメイド☆みおんさん

 

ばん、と音を立てて白球がミットに吸い込まれ、フォアボールが宣告される。

「むぅ……」

……さすがに、これは悔しがってもいい場面だろう。

打率の高さで雛見沢ファイターズの4番に置いてもらっているというのに、僕の打順を前にあからさまな敬遠とは。興宮タイタンズの監督はこれまでの経験から、塁を埋めてでも次の僕で打ち取る策できたということだ。

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2008年7月 8日 (火)

【神楽舞】第35話

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第35話 K1~闇に降り立った変態

 

 

彼女はとても優しかった

 だけど彼女がいないことに誰も気づかない

 

彼女はとても優しかった

 だけど彼女がいることに誰も気づかない

 

彼女はとても優しかった

 だけど彼女が優しいことに彼女だけが気づかない

 

 Frederica Bernkastel.

 

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2008年7月 6日 (日)

【神楽舞】第34話

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第34話 てっぺい☆チキンレース

 

あの綿流しの夜から数日が経っていた。

叔母は発見された時点で既に死亡しており、司法解剖も行われたが死因は転落時に負った脳挫傷で、多少水を飲んではいるがそれは沢に突っ込んでからわずかの間はまだ息があったというだけのことなのだそうだ。

転落死、というのは警察にとってはとても厄介な玉虫色の死因。

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2008年7月 5日 (土)

【神楽舞】第33話

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第33話 ノーとしか言わない男!

 

それはまるで、あの奇跡の一夜の再現だった。

あのときは校舎の屋根の上、月を背負って圭一とレナが。

いまはキャストを変えて、圭一と悟史が。

ごうごうとこの場に逆巻く風さえも、二人の戦いには近づくことを躊躇っているかのようだ。

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2008年7月 4日 (金)

【神楽舞】第32話

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第32話 スタンガンをぶっ放せ☆

 

悟史が帰ってからほどなくして、祭りの中止が決まった。

風も強くなってきたし、雨が降り出すのも時間の問題だ。意地を張って強行し、怪我人でも出た日には雛見沢のイメージダウンが止まらないから、妥当な判断だろう。

私個人の希望としてはできればもうすこしの間、皆をこの祭りの場に貼り付けておいて欲しかったのだが、天候が理由ではやむを得まい。

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2008年7月 3日 (木)

【神楽舞】第31話

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第31話 天下御免のお祭り男!

 

『綿流し祭』と丁寧に印刷されたのぼりが立ち並び、吊り下げられた提灯の明かりと、スピーカーから響く祭囃子。

「にぎやかだね、沙都子」

「……そう、ですわね」

まるで魂が抜けたように虚ろな目をして俯くばかりの沙都子の手を引いて、お祭りの人たちでごったがえす神社の石段を登りきると、魅音がこっちを振り向いて声をあげた。

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2008年7月 2日 (水)

【神楽舞】第30話

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第30話 明日はホームランだ!

 

村の中を走り回っても走り回っても見つからなくて、もう沙都子に会えないんじゃないかと思い始めていた。僕らにとっては敵ばかりの村で、沙都子の行方を尋ねてまわれるわけもなくて、自分の目で沙都子の姿を見つけるしかない。圭一も魅音もレナも梨花ちゃんも羽入ちゃんも必死で探してくれているけど、たった数人の仲間たちだけで村中を探し回るなんてほとんど不可能で無意味なことだと気づいていた。

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2008年7月 1日 (火)

【神楽舞】第29話

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第29話 ビフィズス菌摂ってるぅ?

 

北条鉄平。

私の血の繋がらない叔父、書類上では父ということになっているこの男を見ていて思う。

暴力で食べていくことに適性というものがあるとするならば、それは初撃、先制攻撃でどれだけ容赦というものを捨てられるかにかかっているのではないか。

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2008年6月30日 (月)

【神楽舞】第28話

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第28話 いきなり☆鉄平弾

 

「……くっそぉおぉおお!」

圭一さんを跳ね飛ばした瞬間、感じたのは敵をやっつけた達成感や高揚感ではなかった。

かといって、罪悪感だったかと言われても自信がない。

ただ、これで私はもう許されない、圭一さんや羽入さん、皆の仲間でいられる資格を失ったのだという空虚な絶望だった。

……でも。

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2008年6月29日 (日)

【神楽舞】第27話

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第27話 実体ってことは不便だね

 

沙都子の限界はすでにその背に忍び寄っている。

僕たちがすぐにでも沙都子を見つけだせなければ最悪の場合、見つけるのは物言わぬ沙都子ということさえもありえると僕は承知している。

「レナ、僕は診療所と神社周辺を探しますのです!」

「うん! 魅ぃちゃんは商店街で聞き込みをしてくれてるから、なにか連絡があったらそこへお願い!」

それだけ言うと、レナはダム現場のほうへ駆け出していった。

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2008年6月28日 (土)

【神楽舞】第26話

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第26話 祭囃子とシュークリーム

 

きっかけは今朝のことだった。

境内で梨花と圭一が、いや、梨花が圭一に……というのが正確か。

とにかく、その、しているのを見てしまって。

それだけならよかったのだけれど、時間停止でもされたみたいに呆然と動けなくなったところへ、圭一の前から駆け去ってきた梨花が前方不注意で僕に激突してきたのだ。

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2008年6月27日 (金)

【神楽舞】第25話

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第25話 オヤシロ様ご乱心

 

「ま、どーぞどーぞ、おかけになってください。はい、アイスコーヒー。いやぁ~、日増しに暑くなってきて、この時期は特につらいですねぇ~。おっと、前原さんはお若いから、そんなことないですかね。なっはっは!」

どうしてこう、大人というのはさっさと用件を切り出さないのだろう。人生の残り時間はどう考えても大人のほうが少ないんだから、もっと有効に使えよと怒り出したくなる。

のんびりした雛見沢にきたのだから、こんな斜に構えた考え方はそろそろ捨ててもいいのだが長年培ったものはそう簡単には変えられない。

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2008年6月26日 (木)

【神楽舞】第24話

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第24話 ダブルにーにースパイラル

 

視界がスパークした。

痛みや衝撃があったわけではなく、あまりにも想定外の事態に思考がついていけないのだ。

事実だけを羅列するならば、抱きついた状態の至近距離で泣き濡れた顔をあげて俺を見た梨花ちゃんがなにを思ったか背中へ回っていた両腕で俺の頭部をぐわしっと掴み、そのまま背伸びをするものだから体重をかけられて身動きできない俺の唇に自分の唇を強引に重ねた挙げ句、味わい尽くすかのように俺の舌をひと舐めしていった……ということだ。

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2008年6月25日 (水)

【神楽舞】第23話

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第23話 にぱ~☆は社会の潤滑油

鷹野三四と彼女の指揮する山狗は、すくなくとも3年目の祟りの執行者だと私は確信している。つまりは、私の両親を殺した犯人だ。
母が私を雛見沢症候群の研究に使い続けることに強硬に反対して鷹野と対立、父も同調しかけたあのタイミングで、それも都合良く綿流しの日に父が謎の急死を遂げ、診療所へ付き添った母が忽然と姿を消した。

これで鷹野を疑わない方がどうかしている。

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2008年6月24日 (火)

【神楽舞】第22話

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第22話 身体はコドモ、頭脳は悪魔!

 

「梨ぃ~花ぁ~!」

役員会に出ていた羽入が、帰ってくるなり泣きながらエプロン姿の私に飛びついてきた。

妹に泣きつくあたりがなんとも羽入だけど、いったいどうしたのよ。

「あぅあぅ、魅音が、魅音がぁ~!」

泣きじゃくるわ、話が前後するわ、あぅあぅするわでまったく理解し難いことこの上ないが、どうにか一部始終を聞き出して愕然とした。

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2008年6月23日 (月)

【神楽舞】第21話

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第21話 その時、村史が動いた

 

それは私がずっと思ってきた……単なる本音に過ぎなかった。

自由になることなどなにもない、大事なものさえ守れないなら、この重すぎる責任は何のためにある?

私が大切に思うもの、雛見沢、家族、友人。

彼らが笑って暮らせる未来のためなら、どんな重い荷であろうが背負う価値がある。彼らを傷つけるものがあるなら、その前に立ちふさがりこの身を盾にしよう。

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2008年6月22日 (日)

【神楽舞】第20話

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第20話 それなんてギャルゲ?

 

知恵先生にすこし具合が悪いと言って、保健室に逃げ込んだ。

横になっても気分は晴れない。

圭ちゃんのあの言葉。

『お前、……ほんとに魅音か?』

本人にすればなにげない、ちょっとしたからかいのつもりだったのかもしれないけど……私にとっては、クリティカルに心をえぐる言葉だった。

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2008年6月21日 (土)

【神楽舞】第19話

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第19話 セーラー服特攻伝説

 

「おっ、やるなレナ。初夏の陽射しに白が眩しすぎるぜっ!」

雛見沢分校の校舎の前で出会った途端に、圭一くんが楽しげに拳をぐっと握りしめる。

「は、はぅ……変かな、変かな?」

ちょっぴりの不安と、かなりの期待をしながらくるくる回ってしまう。

そして圭一くんは、やっぱり期待に応えてくれる。

「変じゃないって。朝っぱらからさわやかな気分になったぜっ!」

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2008年6月20日 (金)

【神楽舞】第18話

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第18話 ブチ破る男(運命とか)

 

冷蔵庫の扉を開ける。

……ぜんぶ昨日のまま、ラップのかかった晩ご飯はそこにおさまっていた。

お父さんは、一晩中家に帰っていないということ。

こっちで仕事を探すといって毎日のように出かけるけど、昔の仕事仲間に会ったとかで飲み歩いているらしくて、帰ってこない日がすこしずつ多くなっている。

もうお父さんがいないと何も出来ない子供ではないけど、……でも、寂しいと思ってしまうのはいけないことなんだろうか。

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2008年6月19日 (木)

【神楽舞】第17話

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第17話 ハーレムルートは男の本懐

 

「……梨花はちょっと変わったところがあるのです」

散歩のときに軽い話題のつもりでさっきの梨花ちゃんの『予言』を話したら、羽入はすこし難しい顔をしてそう言った。

おいおい、実の妹に対してずいぶんな言い様じゃないか?

と、俺の考えたことに気づいたらしく、あぅあぅと困ったように付け加える。

「明日の天気とか、ちょっとしたことがほとんどなのですが……たまに、未来を知っているような物言いをすることがあるのですよ」

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2008年6月18日 (水)

【神楽舞】第16話

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第16話 乱立フラグは男の浪漫

 

「お前、……ほんとに魅音か?」

「ッ!?」

なにげなく言っただけなのに、ぎくりとした顔になる魅音。

……?

どんなギャグの前フリなのかと考えてみたが、どこか切迫したような、それでいてなにかを期待したような上目遣いで俺を見るだけ。

仕方なく、当たり前すぎることを指摘してやった。

「……いや、親父にならともかく俺にまで丁寧に喋らなくていいんだぞ?」

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2008年6月17日 (火)

【神楽舞】第15話

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第15話 暗黒空間とヴァニラ・アイス

 

昔の人は言いました、働かざる者食うべからず。

葛西が隠れ家用のマンションを手配してくれたから当面の住処には困らない私だけど、何から何までお世話になっているのも心苦しい。せめて食費くらいは自分で稼ごうと、魅音の名前を借りて昔から私たち姉妹を可愛がってくれている叔父さんのお店で働かせてもらっている。

店名はエンジェルモート。カテゴライズすればファミレスの一種になるんだろうけど、メインのメニューはケーキやパフェ他デザート全般。そのわりには女性客が少ないわけは、ウェイトレスの無駄に過激な衣装にあったりする。……叔父さんの趣味はよくわからない。

「ご注文おきまりでしょうか?」

ま、変なところで乙女な魅音だとこれを着るのにはかなりの勇気が必要なんだろうけど、これはこれで可愛いかも、なんて思う私は肌の露出がどうとか、全然気にしない。

……はずだった。

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2008年6月16日 (月)

【神楽舞】第14話

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第14話 アイドル伝説みおん

 

「……沙都子、お前、張ってるだろ」

圭ちゃんの口から発せられたその言葉には、火薬みたいに危険な匂いが漂っていた。

「羽入の捨てたカードを見もしなかった……最初から眼中にもないみたいにな」

どうやら圭ちゃんも気づいたか。沙都子は、私からあがることで1位の奪取を目論んでいる。放っておいても罰ゲームは避けられるのに、あくまでも狙うのは1位のみ。

くっくっく……天晴れなちびっ子め!

推理がそこまで辿り着けば、沙都子のそれが単なるポカミスではなく、私を食って1位に躍り出るための必勝の罠が張り巡らされていることにも気づいて当然……!

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2008年6月15日 (日)

【神楽舞】第13話

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第13話 その男、不屈につき

 

私は用意していた台詞を口にする。

「……どうやら、間に合いましたわ」

手札を机の上に並べると、真向かいに座った圭一さんが目を見開く。

「さ……沙都子、てめぇっ……!」

圭一さんはゲーム序盤からここまで、位置関係を利用して机の下で必要カードをこっそりと融通し合って互いにチップを稼いできた私の共闘者だ。

共犯者といってもいいかもしれない。

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2008年6月14日 (土)

【神楽舞】第12話

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第12話 怪奇!ポリバケツ男

 

……これでよし。

準備をすっかり終えた私は、すこし先にいる梨花に向かって声を上げた。

「梨花ぁあー、いいですわよ!」

すると、ぶんぶんと手を振った梨花が、

「了解ですー、メカにーにー、ゴーなのです!」

梨花がメカにーにーと呼ぶそれは、実際のところはちっともメカじゃなかった。

厚手のダンボールをぐるぐると巻いて、ロープでしっかりと固定した円筒状の物体のてっぺんに、底の抜けたポリバケツを接続、表面に羽入さんの妙に達筆な字で『兄』と大きく書かれているという代物で、にーにーの着なくなった古い雨合羽を着せられている。

メカにーにーの後方1メートルでしゃがみこんだ梨花が、物干し竿の先でメカにーにーの足元に張られている、草に隠れたロープをぐいと押した。

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2008年6月13日 (金)

【神楽舞】第11話

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第11話 左手はそえるだけ

 

右手には、使い慣れた金属バット。

それを握りしめて、静かに構えをとる。

余計な力は必要ない。リラックスして、いつもどおりやればいい。

バットというのは、全身の回転運動を直線運動に変換するための道具だ。

だから渾身の力を乗せるのは、インパクトの瞬間だけでいい。

その瞬間は、どんな感情もいらない。

狙い澄ました冷静さとともに、一瞬で全身のスイッチを切り換えるだけ。

時間の止まったような静寂を破るように、僕はバットをほぼ水平に鋭く振るった。

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2008年6月12日 (木)

【神楽舞】第10話

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第10話 ご利用は計画的に

 

「おはよう、魅音。昨日は災難だったね」

僕の席までやってきた魅音に、そう声をかける。

そうしたら彼女は、慌てて取り繕うように大笑いをしてみせた。

「あ、うん。……あはは、まぁあのくらい、ホントはおじさんにとっちゃちょろいもんなんだけどね~! こう、空気投げですぽぽぽーん☆って!」

調子よく笑いながら、でたらめに構えをとっているけど……。

すこしだけ、奇妙な違和感があった。

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2008年6月11日 (水)

【神楽舞】第9話

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第9話 その名は土下座衛門

 

……夢見が悪かったのか、寝汗が酷かった。

それで朝から湯に浸かったから目は醒めたけど、気分はちっとも晴れない。

湯上がりの髪をバスタオルで挟むようにして丁寧に水分を抜きながら、昨日のダム現場でのレナとのぞっとするような会話を思い起こす。あのあとレナは冗談だといって笑い、私も調子を合わせたけど……それを素直に信じられるほど空気の読めない私でもない。

例え、それが冗談だったとしても……レナは私を責めているのだ。

園崎の次期頭首たる私なら、次の祟りを北条の叔父と叔母に決めることができるはず。それをする覚悟さえ私にあれば悟史と沙都子が救えるのに、何故しないのか、と。

 

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2008年6月10日 (火)

【神楽舞】第8話

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第8話 どこにでも夢は隠せる

 

とほほ、初日っから酷い目に遭ったよ……。

そういえば、私ってば昔からお姉……じゃなくて詩音にゲームで挑んでは負けてばっかだっけ……これは下手の横好きってやつなのかね。詩音が特別なのかと思ったけど、ただ単に私が弱いのか……それとも、うちのクラスは猛者ばっかりなのか。

なんて考えながら着替えたメイド服をロッカーにしまい込み、帰り支度を始めたところで悟史が声をかけてきた。

「あ、魅音。実は……頼みがあるんだけどさ」

「ん、何?」

悟史の頼みごとなんて、珍しいといえば珍しい。

不器用な割になんでも自分でやろうとするあたりは悟史の美点じゃないかと思う。

まぁ複雑な家庭だからこそなるべく自分でやる癖がついてるのだといえば、本人にとって嬉しいことでもないんだろうけどさ。

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2008年6月 8日 (日)

【神楽舞】第7話

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最初から

第7話 メイドが村にやってきた

 

「そんなの俺が知るか」

……はぅ。言われた。

放課後、ぐずりながら悟史くんに手を引かれて出ていく沙都子ちゃんを見送ったあとで、帰り支度をしていた前原くんに相談するだけしてみたけど、まさに即答だった。

魅ぃちゃんが隣でほーらーみーろー、という顔をしている。

「それはそうだけど……せっかくクラスメイトになったんだから、ちょっとくらい一緒に考えてくれてもいいんじゃないかな。かな……」

私が食い下がると、前原くんの横で聞いていた梨花ちゃんもうなずいて、

「そうです、圭一は頭がいいので、なにかいい考えが浮かぶと思うのです」

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2008年6月 7日 (土)

【神楽舞】第6話

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第6話 ひっくり返す男(運命とか)

 

私、竜宮レナが数年ぶりにこの懐かしくて優しい雛見沢に帰ってきて、まだ十日も経っていない。

村がおぼろげな記憶の中とあまり変わっていなくて安心したけど、友達の顔はすっかり忘れちゃってて、ひとつ年上の園崎魅音、魅ぃちゃんともずっと小さい頃には一緒に遊んでいたはずなのに、お互いよく思い出せなかった。

でも魅ぃちゃんの持ち前のフランクさのおかげもあって、雛見沢の学校にはすぐに馴染めそうだから、心配することはないのかもしれない。

ほかに年長組、いわゆる中学生はもう一人、やっぱり一学年上の北条悟史くん。どこか繊細な雰囲気のある、でも穏やかな笑顔のよく似合う男の子。この子のことも、やっぱり覚えていない。

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2008年5月10日 (土)

【奉納乱舞】時明し編(終)

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時明し編(終)この上なく温かで幸せな日々を

 

「よっ、レナ」

小径の向こうからやってきた圭一くんが片手を上げる。

「おっはよぅ、圭一くん!」

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2008年5月 8日 (木)

【奉納乱舞】時明し編(26)

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時明し編(26)時が微量、一瞬だけ

 

沙都子ちゃんの手製マップをたよりに山に分け入った私たちは、ろくな明かりもなしに道なき道を進みながらひとつのことに気づかされていた。

「小此木さん、これ……」

「あぁ。人海戦術ってワケらしいな」

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2008年5月 6日 (火)

【奉納乱舞】時明し編(25)

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時明し編(25)導き出すよ、たった一つの……

 

私たちは地下のセキュリティルームに残った通信担当の山狗に別回線の確保と、現場で強硬な命令を出している人間の割り出しを指示して診療所を出ることにした。

「皆さん、気をつけて……!」

荒事では力になれそうにないと判断した監督はその場に残ることを選んだ。詩ぃちゃんを含めて、これからも負傷者は出るだろうからお医者さんである監督自身に怪我をしてもらっても困るので、妥当な判断だと思う。

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2008年5月 5日 (月)

【奉納乱舞】時明し編(24)

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時明し編(24)未来のドアをその手で開けて

 

薄暗い地下室に、私の舌打ちがこだまする。

「やられた……」

梨花ちゃんと羽入を乗せた葛西さんの車に銃撃しながらも防弾装備のおかげで阻止できずに見送った山狗たちだったが、その後の決断は早かった。

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2008年4月28日 (月)

【奉納乱舞】時明し編(23)

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時明し編(23)最高のエンドに辿り着けるから

 

狭い部屋の中、互いの距離は5メートルもない。

当然プロである小此木さんがこの距離で標的をはずすことはほぼ考えられない。

小此木さんの指先ひとつ、気まぐれひとつで確実な死を迎えるというこの状況で、圭一くんはその表情に微塵も恐怖の色を浮かべていなかった。むしろ、尊大と言ってもいいくらいに悠然と銃口を見つめている。

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2008年4月20日 (日)

【奉納乱舞】時明し編(22)

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時明し編(22)世界が終わるまでは……

 

「……とか無駄にギリギリの展開になってないか、心配でしょうがないわね」

ため息混じりに呟いた一言は、隣に座る羽入の耳にだけは届いたようだった。

「あぅ……梨花、ただでさえ視点切り換えなんて唐突なことをしているのに、そういう読んでくれる人の混乱を誘うような第一声は感心しないのです」

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2008年4月14日 (月)

【奉納乱舞】時明し編(21)

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時明し編(21)君が夢のカギになるから

 

山狗の強硬な襲撃をなんとか退けて地下祭具殿に逃げ込んだ私たちだけど、後手に回ってばかりで勝てる相手じゃないのは先刻承知。

早急に、次に打つ手を決めなければならなかった。

魅ぃちゃんが用意したホワイトボードを前に作戦案を説明する。

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2008年4月 2日 (水)

【奉納乱舞】時明し編(20)

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時明し編(20)迷わないで走ってゆける

 

三四さんの、虚空への独白は続く。

「ジロウさんは、私が殺した。梨花ちゃんは、私が殺した。あなたのお友達も、みんな私が殺したのよ。あなたは、私の掌の上で踊っていただけ。雛見沢症候群という名の狂気の糸で操られるだけの哀れなお人形よ!」

彼女の切れ長の目、その瞳は枯れ葉みたいに生気のない色をしていた。

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2008年4月 1日 (火)

【奉納乱舞】時明し編(19)

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時明し編(19)真実のつぼみにそっと

 

「……申し訳ありません、遅くなりました」

本宅のほうから狙撃銃を片手に出てきたのは葛西さんだった。ひどく無造作な足取り。

魅ぃちゃんは小さく息をついて、

「遅すぎだよ、葛西さん。心臓止まるかと思ったよ」

ぼやきながらも詩ぃちゃんの倒れている方に駆け出していった。

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2008年3月31日 (月)

【奉納乱舞】時明し編(18)

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時明し編(18)敵はどこだ?と捜し続けて

  

私の動揺を見透かしたように笑みを浮かべて、三四さんが言い放つ。

「私の答えは、ノーよ」

魅ぃちゃんが歯噛みする。

……当然、小此木さんの登場と圭一くんの命を握られた時点で私が突撃することなどできなくなっている。

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2008年3月30日 (日)

【奉納乱舞】時明し編(17)

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時明し編(17)見えないレールから飛び降りて

 

「お、おはよぅ! みんな!」

朝の挨拶。

好きな人には一番の笑顔を見せたい。

「あ、あぁ……おはよう、レナ」

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2008年3月29日 (土)

【奉納乱舞】時明し編(16)

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時明し編(16)自由に空も飛べるはず

 

 

朝の教室。

「はい、では自己紹介をお願いします」

黒板の前に立った少女は、緊張した面持ちで口を開く。

「ぼっ、僕は、ふるれはにゅーなのれす、ひゃう。……うぅ、よ、よろしくおねひゃいしますのれふっ!」

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2008年3月28日 (金)

【奉納乱舞】時明し編(15)

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時明し編(15)真っ白な恋は翼になる

 

「おっそいよ~!」

「……遅いのです」

魅ぃちゃんと梨花ちゃんに怒られて、私と圭一くんは小さくなるしかなかった。約束の時間を1時間近く遅れてようやく園崎家に報告に来たのだから、あらゆる意味での心配をしていた二人が怒るのは当然だと思う。

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2008年3月27日 (木)

【奉納乱舞】時明し編(14)

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時明し編(14)きみが好きだと伝えたい

 

せっかくいい雰囲気だった片思いの相手を数メートルの飛距離できりもみ回転させてなお私の動揺はとどまるところを知らず、今日接触する予定だった大切なターゲットを空中コンボで十数秒にわたり地上の人ではなくしてしまうほどのものだった。

「い……いやぁ、ごめんごめん、黄昏の中で抱き合う少年少女の姿があまりにも絵になったんで、ついシャッターを切ってしまったんだよ」

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2008年3月26日 (水)

【奉納乱舞】時明し編(13)

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時明し編(13)等身大の愛情で挑んでも

 

私たちは、いつもどおりの日常を演じることになった。

「……ぉ、おはよ、圭一くん、梨花ちゃん」

朝、いつもの待ち合わせ場所。

「おはよ、レナ」

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2008年3月25日 (火)

【奉納乱舞】時明し編(12)

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時明し編(12)未来はいつもサバイバル

 

「……まぁ、圭ちゃんの不埒な発言はいつものことだけど、それもひとつの手ではあるかね」

魅ぃちゃんが倒れた圭一くんをげしげしとストンピングしながら言う。

「ど、どういうことなんですの?」

沙都子ちゃんもタライで圭一くんを殴打しながら魅ぃちゃんに尋ねる。

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2008年3月24日 (月)

【奉納乱舞】時明し編(11)

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時明し編(11)悲しみの記憶をまっすぐに

 

すぱぱぱぁん☆

響き渡る打撃音が私を現実に引き戻す。

「……はぅ?」

見れば、いつものように圭一くんがメイド姿のまま床を転がっていくところだった。

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2008年3月23日 (日)

【奉納乱舞】時明し編(10)

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時明し編(10)運命のルーレット廻そう

 

どうにか沢から逃れた私たちだけど、三四さんや小此木造園の工作員たちがそのまま見逃してくれるなんて思えない。あの場は引き下がったとしても、遠巻きの監視と包囲の準備は続けているに違いない。

二人が沢から上がって土手沿いの道に出たところで私も身を隠すのをやめて合流した。

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2008年3月22日 (土)

【奉納乱舞】時明し編(9)

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時明し編(9)チープなスリルに身を任せ

 

「みぃ……、今日も部活はないのですか?」

ちょっとだけ寂しそうな顔で梨花ちゃんが尋ねる。

「あ~、うん、ごめん! おじさんここのところ忙しくてね……村のことで、いろいろあるんだよっ!」

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2008年3月21日 (金)

【奉納乱舞】時明し編(8)

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時明し編(8)真赤な誓いはこの胸に

 

「レナ、ほかにガス災害の手がかりってないの?」

「う~ん……」

魅ぃちゃんに促されて、私は必死で記憶を探る。

……有毒ガスがどこから発生したか、テレビで言っていたような気がする。どこだっけ……?

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2008年3月20日 (木)

【奉納乱舞】時明し編(7)

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時明し編(7)事件の謎に迫りましょう

 

昨日はあれからアルバイトを終えた詩ぃちゃんまで合流して賑やかなことになってしまって、最終的には詩ぃちゃんのマンションに泊めてもらっての大騒ぎ。

詩ぃちゃんとはたった一晩でずいぶん仲良くなれて頼もしさを感じる反面、油断のならない双子相手にちょっと身の危険を感じたりもして……なんとも忙しい夜だった。

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2008年3月19日 (水)

【奉納乱舞】時明し編(6)

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時明し編(6)本気出して考えてみた

 

「ぉ、おはよ、圭一くんっ」

「レナ、おはよう。今日も早いな」

圭一くんの笑顔が眩しい。

いまだに話しかけるのに小さな決心はいるけれど、それでも自然に隣を歩けるようになったこの日常が愛しい。

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2008年3月18日 (火)

【奉納乱舞】時明し編(5)

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時明し編(5)夜空に光る星を見上げて

 

 

「ありがとう魅ぃちゃん! 圭一くんと、すこしだけどちゃんとお話できるようになったよっ!」

電話越しにそう伝えると、魅ぃちゃんの明るい笑い声が返ってくる。

『あっははは、そりゃ何より! すこ~し妬けるけど、レナがすっごく嬉しそうだから圭ちゃんちに闇討ちするの、今日のところは勘弁しといてあげよっかなぁ!』

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2008年3月17日 (月)

【奉納乱舞】時明し編(4)

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時明し編(4)あなたがそこにいるだけで

 

満身創痍の圭一くんをとりあえず診療所まで運び、監督に預けた帰り道。魅ぃちゃんが弱々しく笑って、

「……あはは、大丈夫だって。その、ほら。圭ちゃん笑ってたし、そんなに悪印象はもってないよ、きっと」

「そうかな……、かなぁ」

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2008年3月16日 (日)

【奉納乱舞】時明し編(3)

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時明し編(3)中途半端なワルじゃない

 

私は魅ぃちゃんを連れて、いつものゴミ山に向かった。

こっちの無理なお願いを聞いてもらうのだからと、すこしサービスのつもりで私の隠れ家に案内する。

「……へぇ~、けっこう居心地よさそうだね!」

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2008年3月15日 (土)

【奉納乱舞】時明し編(2)

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時明し編(2)乙女ちっくが止まらない

 

 自分の前で問題発言を繰り出す転校生と

ケンカをする時、レナは容赦しなかった

たいていはまずれなぱんで相手をめった打ちにする

これで確実に相手は一時間は足腰たたなくなるのだが

そのあとに鳩尾への一撃! これが恐れられた!

呼吸を止められるような独特な衝撃があり、

殴られた者は半日は保健室送りになる

格闘王の才能の片鱗だったのだが、

この時、本人はまだ知らない―――」

 

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2008年3月14日 (金)

【奉納乱舞】時明し編(1)

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時明し編(1)天使になんてなれなくて

 

あぁあ、やっちゃった……なにやってるんだろ、私!?

転校したての通学路でクラスメイトの女の子に会って、挨拶したけど返事がなくて、やっと挨拶したと思ったら顔が真っ赤で様子がおかしい、だから心配しておでこに触れようとしただけなのにいきなり殴り飛ばされた……なんて、どう考えたってわけがわからない。

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2008年3月13日 (木)

【奉納乱舞】時明し編(序)

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時明し編(序)未来は奴等の手の中

 

それは事件の翌朝、実況見分のために大石さんの車に乗せられ、今日は休校になっているはずの雛見沢分校へと向かっている途中のことだった。

「おやぁ~? なんでしょうねぇ、あの人だかり」

「自分、ちょっと聞いてくるっす!」

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2008年3月12日 (水)

【奉納乱舞】皆黒し編(終)

※あなたはこの駄文をスルーする自由があります。
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皆黒し編(終)これぞ駄文!

 

……それにしてもラスボスがこんなあっさりと死んじゃっていいの?

この先どうやって話に収拾つけろってのさ……。

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2008年3月11日 (火)

【奉納乱舞】皆黒し編(6)

※あなたはこの駄文をスルーする自由があります。
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皆黒し編(6)鷹野三四、陰謀無惨!

 

「い、生きてる自分が時々凄いわ……」

入江診療所の病室、ベッドの上で呻く私だった。

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2008年3月10日 (月)

【奉納乱舞】皆黒し編(5)

※あなたはこの駄文をスルーする自由があります。
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皆黒し編(5)前原圭一、非難囂々!

 

「うわぁあぁああぁああぁあっ!?」

古手神社の境内に、悲痛な声が響き渡る。

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2008年3月 9日 (日)

【奉納乱舞】皆黒し編(4)

※あなたはこの駄文をスルーする自由があります。
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皆黒し編(4)古手梨花、自暴自棄! 

 

「きゅう☆」

顔面から壁に激突した詩音が、妙に可愛い声をあげながらぐったりと気絶するのを見てやれやれと胸をなで下ろす。

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2008年3月 8日 (土)

【奉納乱舞】皆黒し編(3)

※あなたはこの駄文をスルーする自由があります。
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皆黒し編(3)北条沙都子、冷酷非情! 

 

「ローン、タンピン三色に、ドラじゃあ!」

「私もロンですわ。親ッパネ、いただきですことよ!」

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2008年3月 7日 (金)

【奉納乱舞】皆黒し編(2)

※あなたはこの駄文をスルーする自由があります。
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皆黒し編(2)竜宮レナ、電光石火!

 

「以上、レナの頑張り物語ィイー! いぇあー!」

黄昏色のダム現場、ゴミに埋もれたワゴンの上で往年のロッカーのように雄叫びを上げるジャージ娘さん。

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2008年3月 6日 (木)

【奉納乱舞】皆黒し編(1)

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皆黒し編(1)園崎詩音、傍若無人!

 

……というわけで。

「なんですか~お姉、こんなところに呼び出したりして。私と圭ちゃんのお昼のひとときを返してよね。もちろん、利子たっぷりつけて!」

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2008年3月 5日 (水)

【奉納乱舞】皆黒し編(序)

※あなたはこの駄文をスルーする自由があります。
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皆黒し編(序)園崎魅音、前途多難!

 

……ど、どうも、園崎魅音です。

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2008年3月 4日 (火)

【奉納乱舞】夢閉し編(終)

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(短編/圭詩)

 
 

<奉納舞 夢閉し編 終章 カーテンコール

 

一時は、本部からの緊急連絡で引き返してきた山狗たちが診療所を包囲しかけたが、無事に園崎組に辿り着いた富竹さんと鷹野さんが呼んだ番犬部隊が間に合ってたちまち制圧。作戦の全容を知る鷹野さんなら、上層部を動かすだけの証拠を提出するのはわけもなかった。

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2008年3月 3日 (月)

【奉納乱舞】夢閉し編(19)

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(短編/圭詩)

 
 

<奉納舞 夢閉し編 其ノ十九 アクション

俺が梨花ちゃんに出した指示はもうひとつあった。

園崎家の地下を通って、裏山に逃げ込むこと。

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2008年3月 2日 (日)

【奉納乱舞】夢閉し編(18)

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<奉納舞 夢閉し編 其ノ十八 ウィナー

 

意識が回復する。俺はどこかの会議室のような場所にいるようだった。靄のかかる脳から意識が落ちる直前までの思考を即座に読み出し、落ち着かない様子を装ってあたりを見回す。

「こ、ここは……」

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2008年3月 1日 (土)

【奉納乱舞】夢閉し編(17)

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<奉納舞 夢閉し編 其ノ十七 スケープゴート

 

目を開けると、かすかに洞窟の中が明るくなっているのがわかった。肩にもたれて眠っている詩音を起こさないように壁によりかからせ、そろそろと顔を出してみると、木々の間から薄明の空が顔を覗かせている。もう夜明けが近い時刻だ。

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2008年2月29日 (金)

【奉納乱舞】夢閉し編(16)

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<奉納舞 夢閉し編 其ノ十六 ダークネス>

 

最初に列を離れたのは葛西さんだった。

山狗が人数を出しての山狩りに入り、俺たちへの包囲を狭めてきているのを感じとると、彼は即座に決断した。

「……皆さんは先に進んでください。私が、包囲の一角を引きつけます」

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2008年2月28日 (木)

【奉納乱舞】夢閉し編(15)

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<奉納舞 夢閉し編 其ノ十五 チェイス>

 

「機に敏感な小此木なら、発砲も辞さないでしょうね。……さて、どうするのかしら?」

お手並み拝見とばかりに笑みを見せる鷹野さん。

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2008年2月27日 (水)

【奉納乱舞】夢閉し編(14)

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<奉納舞 夢閉し編 其ノ十四 ターゲット>

 

「なるほど……鷹野さんの口から出た情報が富竹さんを通じて東京とやらに伝われば山狗は破滅、ですか。そりゃあ向こうの勝利条件は私たちを全滅させる以外ないですね」

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2008年2月26日 (火)

【奉納乱舞】夢閉し編(13)

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<奉納舞 夢閉し編 其ノ十三 エスケープ>

 

「こんな人混みの真ん中を突っ切って、大丈夫かな」

富竹さんが不安そうに左右へと視線を走らせる。

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2008年2月25日 (月)

【奉納乱舞】夢閉し編(12)

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<奉納舞 夢閉し編 其ノ十二 フラッシュ>

 

「おじゃましまぁあ~~す、なんてね♪」

一寸先も見えない闇の中に、心から楽しそうな声が響く。

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2008年2月24日 (日)

【奉納乱舞】夢閉し編(11)

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<奉納舞 夢閉し編 其ノ十一 アンサー>

 

「それを信じろってのは……無理があるよね」

魅音が申し訳なさそうに言う。

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2008年2月23日 (土)

【奉納乱舞】夢閉し編(10)

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<奉納舞 夢閉し編 其ノ十 アンフェア>

 

もちろん、ノーヒントで村を探し回るなんて無謀な賭けをする俺じゃない。レナには悪いが、確実に勝てる見込みがあるから勝負を持ちかけたんだ。

だって、いるじゃないか。

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2008年2月22日 (金)

【奉納乱舞】夢閉し編(9)

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<奉納舞 夢閉し編 其ノ九 トリック>

 

「……そんな、どうして」

鉄パイプを取り落とした悟史が、金属バットを叩き込まれた腕を押さえて呻く。その視線は、俺の肩越しに……気絶したレナの方へと向けられていた。

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2008年2月21日 (木)

【奉納乱舞】夢閉し編(8)

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<奉納舞 夢閉し編 其ノ八 キャスト>

 

甘かった。……俺はつくづく甘かった。

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2008年2月20日 (水)

【奉納乱舞】夢閉し編(7)

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<奉納舞 夢閉し編 其ノ七 ロスト>

 

「……信じられない」

梨花ちゃんの視線が絶対零度の冷凍光線となって俺に突き刺さるのは、いかんともしがたい事実だった。

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2008年2月19日 (火)

【奉納乱舞】夢閉し編(6)

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<奉納舞 夢閉し編 其ノ六 イメージ>

 

ずいぶん長いこと泣き続けていた詩音がようやく落ち着いたのは、陽も落ちかけた頃だった。

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2008年2月18日 (月)

【奉納乱舞】夢閉し編(5)

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<奉納舞 夢閉し編 其ノ五 タイミング>

 

放課後の部活を終えて、分校からの帰り道。

詩音は最近、なぜか俺の家の前に迎えの車を待たせているので帰り道が一緒になる。

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2008年2月17日 (日)

【奉納乱舞】夢閉し編(4)

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<奉納舞 夢閉し編 其ノ四 ワーニング> 

 

玩具屋の部活に参加して部活メンバー全員と顔見知りになったのがよかったのか、詩音はちょくちょく分校や俺たちの立ち寄り先に顔を出すようになった。魅音とはいつも互いにからかい合ってるし、もちろん沙都子とも仲良しですっかり部活の7人目のメンバーとなった観がある。

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2008年2月16日 (土)

【奉納乱舞】夢閉し編(3)

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<奉納舞 夢閉し編 其ノ三 サプライズ> 

 


「……やっぱり、見あたらないな」

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2008年2月15日 (金)

【奉納乱舞】夢閉し編(2)

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<奉納舞 夢閉し編 其ノ二 インパクト> 



「衝撃のォ……、鬼隠しッッ!!」

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2008年2月14日 (木)

【奉納乱舞】夢閉し編(1)

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 <奉納舞 夢閉し編 其ノ一 イレギュラー> 

 

北条悟史。

俺より1年上の先輩で、魅音と同学年にあたる。

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2008年2月13日 (水)

【奉納乱舞】夢閉し編(序)

Yumetozasi_5 

 

 

 夢のようだとあなたは言った
  それが夢でない保証はあるの?

 夢のようだとあなたは言った
  それが夢なら価値はないの?

 夢であればと私は願う
  それが悪夢だと知っているから

        Frederica Bernkastell

 

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2008年2月12日 (火)

【奉納乱舞】鬼囃し編(終)

Onibayasi

 

 
(序) (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8)

<奉納舞 鬼囃し編 終章 俺たちの惨劇はこれからだ!>

 

弾き飛ばされたバットが宙を舞い、床に落ちて……乾いた音を立てた。

「……私の、負けです。前原さん」

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2008年2月11日 (月)

【奉納乱舞】鬼囃し編(8)

Onibayasi

 

 

(序) (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7)

<奉納舞 鬼囃し編 其ノ八 無限の妄想>
 
廊下を爆発的な炎が包み、沙都子は監督の前へと着地する。
その炎のなかに、ゆらめく影が映る。
 

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2008年2月10日 (日)

【奉納乱舞】鬼囃し編(7)

Onibayasi

 

 

(序) (1) (2) (3) (4) (5) (6) 

<奉納舞 鬼囃し編 其ノ七 冥土の主>

 

 

監督は診療所内の惨状をゆっくりと見回してから俺たちのほうへと振り向き、眼鏡のレンズを鋭く光らせた。

「診療所をこんなにめちゃくちゃにして……皆さん、覚悟はできているんでしょうね? とびっきりのお仕置きをしてあげますよ。このご主人様がね!」

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2008年2月 9日 (土)

【奉納乱舞】鬼囃し編(6)

Onibayasi

(序) (1) (2) (3) (4) (5)

 

<奉納舞 鬼囃し編 其ノ六 虐殺するって本当ですか>

  

「……というわけで、本日は園崎家地下祭具殿に鷹野三四さんをお迎えしております」

「なにがというわけなのかわからないけど、この拷問器具はとっても興味深いわぁ☆」

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2008年2月 8日 (金)

【奉納乱舞】鬼囃し編(5)

Onibayasi_2

(序) (1) (2) (3) (4)

<奉納舞 鬼囃し編 其ノ五 羽入は俺の嫁>

羽入は俺の嫁だッ!」

どーん、という効果音さえもリビングに響き渡ったに違いない。

「あ、あぅあぅあぅ!? け、圭一、いきなり何を言うのですか!」

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2008年2月 7日 (木)

【奉納乱舞】鬼囃し編(4)

Onibayasi_3

(序) (1) (2) (3)

 

<奉納舞 鬼囃し編 其ノ四 クールになれ!>

 

「……知ってる天井だ」

目を開けて最初に飛び込んできたのは、ありえないはずの光景だった。そのまま視線をめぐらせて、学習机や参考書の並ぶ本棚が目に入ってきたところで確信する。これは……東京に住んでいた頃の、俺の部屋!?

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2008年2月 6日 (水)

【奉納乱舞】鬼囃し編(3)

Onibayasi_4
(序)
 (1) (2) 

<奉納舞 鬼囃し編 其ノ三 思春期の役立たず>

 

「……なるほどな。そりゃ、レナが隠したくもなるわけだぜ」

休日は、レナと魅音の提案で雛見沢を案内してもらった。羽入という優秀なナビゲーターを得た俺ではあるけど、村のことを知っておいて損はないと思ったし、神社では沙都子や梨花ちゃんも加わってのにぎやかな昼食だったから楽しく過ごせた。

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2008年2月 5日 (火)

【奉納乱舞】鬼囃し編(2)

Onibayasi_5

 

<奉納舞 鬼囃し編 其ノ二 圭一と愉快な仲間たち>

「い……、いってきます」

幸いにしてというかいつものことなのだが、朝食の席に親父の姿はなかったので羽入を見られることはなくて済んだ。……もし見られても俺が知らないふりをしていれば、いつもの親父の幻覚だということでオチがつくような気がしないでもないあたり、つくづく恐ろしい家庭に育ったものだとしみじみ思う朝だった。

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2008年2月 4日 (月)

【奉納乱舞】鬼囃し編(1)

<奉納舞 鬼囃し編 其ノ一 “壊れた妄想”>

 

「ホントに見えてるのね……しかも、触ることまでできるなんて信じられない」

羽入に案内されてやってきた神社で会った梨花ちゃんは、いつもとは違う妙に大人びた口調でそう言った。

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2008年2月 3日 (日)

【奉納乱舞】鬼囃し編(序)

<奉納舞 鬼囃し編 序章 雛見沢シンドローム>

 

俺は前原圭一、ごく最近雛見沢に越してきたばかりでわりと普通の男子そんな感じ。雛見沢はそりゃあドがつくくらいの田舎だけど、都会にはもううんざりだったし村のみんなが親切だから、すぐになじめて引っ越し最高。

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2008年2月 2日 (土)

【奉納乱舞】厄廻し編(終)

 

「……もうやめるんだ、鷹野さん」

石段の方から聞こえた声に、鷹野がはっと息を呑んで視線を投げる。

そこには、銃を手にした富竹が立っていた。その背後から、野戦服に身を包んだ兵士のような男たちが現れ、サブマシンガンの銃口を鷹野以下の山狗たちに向けた。急に、ヘリの音が遠く近くと響き渡り始める。これは……いったい……?

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2008年2月 1日 (金)

【奉納乱舞】厄廻し編(8)

<奉納舞 厄廻し編 其ノ八 園崎魅音>

 

魅音の働きは私の期待どおり、いやそれ以上のものだった。

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2008年1月31日 (木)

【奉納乱舞】厄廻し編(7)

<奉納舞 厄廻し編 其ノ七 古手梨花>

 

『諦めるのですか、梨花』

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2008年1月30日 (水)

【奉納乱舞】厄廻し編(6)

<奉納舞 厄廻し編 其ノ六 北条沙都子>

「あうあうあう、衝撃のォ……鬼隠しッッ!!

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2008年1月29日 (火)

【奉納乱舞】厄廻し編(5)

<奉納舞 厄廻し編 其ノ五 園崎詩音>

 

羽入……。あんた、ほんとに凶運の持ち主ね。

「あぅ? あぅあぅ、お褒めにあずかり嬉しいのです」

褒めてない。大凶のほうの凶運よ。ひとつの世界でこれだけサイコロの1を揃えられるなんて、私にはとても真似が出来そうにないわ。ガープスとかやってみる?

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2008年1月28日 (月)

【奉納乱舞】厄廻し編(4)

<奉納舞 厄廻し編 其ノ四 竜宮レナ>

 

まぁ……以前から、思っていたことではある。羽入の昔の話とかを聞けば、誰だってそう思うだろう。その上、私のように羽入の存在が見える人がほかにいたら、羽入の普段の暮らしぶりとかを見ていてそう思わないはずがない。

何が言いたいかというと……羽入は、相当に運が悪い。

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2008年1月27日 (日)

【奉納乱舞】厄廻し編(3)

<奉納舞 厄廻し編 其ノ三 前原圭一>

 

羽入の話によれば、どうやら富竹と鷹野がそれぞれ偶然に圭一に出くわし、連続怪死事件について余計な話を吹き込んでしまったらしい。

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2008年1月26日 (土)

【奉納乱舞】厄廻し編(2)

<奉納舞 厄廻し編 其ノ二 北条悟史>

もちろん私も羽入にべったりってわけじゃない。せっかく羽入のかわりをしているんだから、普段できないことをしなくちゃね。

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2008年1月25日 (金)

【奉納乱舞】厄廻し編(1)

<奉納舞 厄廻し編 其ノ一 古手羽入>

 

わたしが神様に、羽入が普通の女の子になってしばらく経った。思ったよりも、羽入はみんなに溶け込んでいた。基本的に羽入のキャラは猫をかぶっているときの私と似ている面も多いし、見ていただけとはいえ百年もの間部活メンバーと過ごしてきたのだ、それなりにうまく立ち回れるらしい。

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2008年1月24日 (木)

【奉納乱舞】厄廻し編(序)

 

はぁ……、また死んだのね。

「なにため息なんかついてるのですか梨花~、次の世界へいくのですよ~」

そうは言ってもねぇ……もう、トータルで百年くらいになるんじゃなかったかしら。どうやっても、私の死の運命からは逃れられない気がしてきたわよ……はぁ。

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2008年1月23日 (水)

【徒然花】お疲れさま会

<徒然花 第24話? お疲れさま会(偽)>

 

レ「この度は、『ひぐらしのく頃に~徒然花』を最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。お楽しみいただけたなら幸いです☆」

魅「いやいや、最後まで読んだ人なんていないと思うよ~?」

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2008年1月22日 (火)

【徒然花】時満し編(終)

<徒然花 第23話 時満し編/終章 奇跡>

 

圭一のいない時間は長く感じたが、終わってみれば足早に駆け去ったとも思えるから不思議なものだ。圭一は大学を卒業後、古手神社と縁の深かった近隣の神社で修行を終え、めでたく古手神社の宮司となった。私も高校卒業後は通信教育で検定を通り、神職の資格を一応得ているから、長年神職不在のままだった古手神社は正式に復活の運びとなったわけだ。

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2008年1月21日 (月)

【徒然花】君遠し編(6)

<徒然花 第22話 君遠し編 其ノ六 呪縛>

 

昭和63年4月。

私と羽入、沙都子は真新しい制服に身を包み、揃って高校の門をくぐった。

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2008年1月20日 (日)

【徒然花】君遠し編(5)

<徒然花 第21話 君遠し編 其ノ五 逆転>

 

白球が空に吸い込まれて、スタンドから大歓声が上がる。

「あぅあぅあぅ! 逆転ほーむらんなのです!」

「にーにー、やりましたわっ!」

手を取り合って喜びの声をあげる羽入と沙都子。

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2008年1月19日 (土)

【徒然花】君遠し編(4)

<徒然花 第20話 君遠し編 其ノ四 悪魔>

 

時は止まってくれない。

箱庭みたいに時が止まったままの雛見沢で百年以上の時間を過ごしてきた私にとって、動き始めた時間はひどく冷徹で、過酷な意図をもっているかのように見えてしまう。

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2008年1月18日 (金)

【徒然花】君遠し編(3)

<徒然花 第19話 君遠し編 其ノ三 末路>

 

「きーっ、羽入さんに勝負を申し込みますわ!」

そういう年頃なのは、レナや詩音だけというわけでもなかったようで……。

「あぅう、沙都子、僕は全然まったく興味がないのですよ~」

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2008年1月17日 (木)

【徒然花】君遠し編(2)

<徒然花 第18話 君遠し編 其ノ二 惨劇>

 

詩音が距離をとって沙都子がひとりぼっちで買い物をするようになると、レナが見かねて手伝うことになって……詩音は余計に追いつめられていくことになったわね。

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2008年1月16日 (水)

【徒然花】君遠し編(1)

<徒然花 第17話 君遠し編 其ノ一 禍根>

 

鷹野と富竹は去り、入江は残った。

道は違えど、それぞれが犯した罪を胸に刻みつけ、自ら選び取った未来を力強く歩んでゆくことは疑いようもない。

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2008年1月15日 (火)

【徒然花】心残し編(6)

<徒然花 第16話 心残し編 其ノ六 赦し>

 

なにごとも順調とはいかないのが世の常だ。

かつて私が相談し勇気をもらったレナに、今度は私が相談を受ける立場になるとは思わなかった。でも、レナが悩むのも無理はない……なにしろ、悩みというのはクリスマスに悟史に告白されたけどどうしたらいいか、というものだったのだ。

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2008年1月14日 (月)

【徒然花】心残し編(5)

<徒然花 第15話 心残し編 其ノ五 敗者>

 

中学校生活も半年を過ぎる頃にはちょっと疲れ気味だった。

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2008年1月13日 (日)

【徒然花】心残し編(4)

<徒然花 第14話 心残し編 其ノ四 罰>

 

恋心故に私が決め手を欠いたのを良いことに、羽入は増長した。自分で食べずに羽入の口に直接アレを詰め込むという最終手段もないわけではないが、抵抗されてこぼしでもした日には<アレはこの後スタッフKがおいしくいただきました!>てなことになりかねない。ついでに羽入の泣き顔だって別に見たくない……という私が甘かったらしい。

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2008年1月12日 (土)

【徒然花】心残し編(3)

<徒然花 第13話 心残し編 其ノ三 洗脳> 

 

昭和60年4月、私たちは中学校に入学した。

本来はただ中学生になったと言うべきところだったんだけど、実はそうじゃなかった。

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2008年1月11日 (金)

【徒然花】心残し編(2)

<徒然花 第12話 心残し編 其ノ二 地下祭具殿>

 

綿流しにはもちろん妙な事件も起きずに、八凶爆闘スペシャルで大盛り上がりだった。

あ、でも、前の年に怪死事件が起きなかったから、祭に出ないと祟られるなんて妙なプレッシャーもなかったせいか、規模も多少は小さくなった気がするわね。

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2008年1月10日 (木)

【徒然花】心残し編(1)

<徒然花 第11話 心残し編 其ノ一 家族>

 

このノートを開くのも久しぶりね。まぁ、気が向いたときに書くだけだから当然だけど。

書かなかった間のことを、書き留めておこうか……。

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2008年1月 9日 (水)

【徒然花】恋告し編(4)

<徒然花 第10話 恋告し編 其ノ四 試練>

 

年下の私からの突然の告白。

最初はなにかの冗談かそれとも罰ゲームなのかと警戒していた様子の圭一だったが、私の真剣さに気づくと考える時間がほしいと言ってくれた。

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2008年1月 8日 (火)

【徒然花】恋告し編(3)

<徒然花 第9話 恋告し編 其ノ三 レース>

 

考えるべきは、告白の時期だ。

……でも、これはすぐに早ければ早いほどいいという結論に達してしまう。

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2008年1月 7日 (月)

【徒然花】恋告し編(2)

<徒然花 第8話 恋告し編 其ノ二 手遅れ>

 

で、そもそも私の、いや私たちのというべきか……思い人である前原圭一はどうなのかというと、基本的に彼のスタンスというのは沙都子に近い。まだ子供の感覚で、私たち全員を大事な友達、仲間としか見ていないのだろう。

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2008年1月 6日 (日)

【徒然花】恋告し編(1)

<徒然花 第7話 恋告し編 其ノ一 恋敵>

 

さて……いろいろ思い返しているうちに恋心を自覚した私ではあるが、ことはそう簡単ではない。なにしろ、圭一のまわりには越えるべき壁となりそうな人物が何人もいるのだ。

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2008年1月 5日 (土)

【徒然花】想返し編(5)

<徒然花 第6話 想返し編 其ノ五 特技>

 

……ちょ、ちょっと興奮しすぎたわね。

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2008年1月 4日 (金)

【徒然花】想返し編(4)

<徒然花 第5話 想返し編 其ノ四 無駄>

 

は、話がまたもや思いっきりそれたわね……次は、私が覚えてない世界の話よね。

多少は聞いたけど、こうなるとちゃんと知っておきたいわ、羽入。

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2008年1月 3日 (木)

【徒然花】想返し編(3)

<徒然花 第4話 想返し編 其ノ三 初恋>

 

で、次が……私にとっては前の世界、レナの暴走する世界ね。

「罪滅し編、ですね」

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2008年1月 2日 (水)

【徒然花】想返し編(2)

<徒然花 第3話 想返し編 其ノ二 感謝>

 

その次は……と、圭一が鉄平殺しをした世界よね。

「はい、祟殺し編ですね。あれも、重要なカケラのひとつなのです」

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2008年1月 1日 (火)

【徒然花】想返し編(1)

<徒然花 第2話 想返し編 其ノ一 反省>

 

さて、何を書こうか……。

詩を書くのもいいけど、別人だって主張してる誰かさんに悪いしね。

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2007年12月31日 (月)

【徒然花】夏越し編(序)

<徒然花 第1話 夏越し編/序章 デモドリ>

 

私と羽入、そして愛すべき仲間たちはついに昭和58年6月という名の運命の袋小路を抜け出した。

さぁ、固く閉ざされていた夏への扉を今こそ開こう。

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