人権というと、なんでもありなのか、と思ってしまうのが、今回、渋谷区で取り上げられている条例案です。
善良な区民は、人を差別するのはよくないから、同性愛者たちの人権を守ってあげるのは、いいことではないか、とそんな風に思われることでしょう。
本当はどんな条例案なのか、もし通ったらどうなるのか、考えてみます。
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よいことのように一見思われるこの条例案ですが、人のいい人たちの気持ちをうまくつかみ、賛成者を得ているようなのが気になります。
全ての人の人権は守られるべきですが、これは人権問題のようにみせてそういう次元のものではない、という気がします。
日本において、同性愛者への差別が、その人たちの生命に関わるものではまずないかと思います。
それでも、アパートの入居や、病院の面会で、家族として扱ってもらえないという不具合があるということですが、だからといって、「結婚相当証明書」を出す必要はないでしょう。
それぞれに対策を講じたらいいわけです。
条例を作るなら、当然、憲法や法律の範囲内で、差別を受けないようにするだけに止めるべきでしょう。
この条例案は、結婚を男女に限定している憲法に抵触しますし、それだけでなく、条例は法律の範囲内という憲法にも、引っ掛かってくるということですから、問題外の条例案ということになります。
同性愛者に結婚相当の権利を与えてもよいというのは、よく世論の支持を得た内容であるかも分からないのに、議論も調査もなく、いきなり同性愛者だけの立場に立って出された、乱暴な条例案であると思います。
人権擁護が必要な部分だけ、配慮すればすむものであるのに、さらに行き過ぎれば、他の人の自由を侵害することにもなります。
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また、この条例案は、同性愛者の主張を通すだけでなく、なんと罰則が設けられているのです。
「性別による固定的な役割分担の意識を助長し、若しくはこれを是認させる行為又は性的少数者を差別する行為をしてはならない」とし、条例に違反した業者の名前を公表するといいます。
つまり、男らしさ、女らしさとか、男女の役割についてや、「同性愛はどうのこうの」という意見を言うということもいけないし、これまで同性愛者が行ってきたデモなどの運動活動は、制約されずにできていたというのに、この条例案が通れば、その反対の立場の人は、デモやチラシなど一切の表現の自由さえ奪われかねない、ということになります。
同性愛者の結婚相当証明書をかさにきて、そして、それに反対する人たちは、魔女狩りのように名前を挙げて、社会制裁を加えるという、なんだか、(関西的な表現でいうと)いやらしい、つまり、ややこしい、たちの悪い条例案かと思います。
社会的弱者、同性愛者の人権を守る、というだけでなく、一気に大逆転、同性愛者の天国にしようというかのような条例案である、といってしまってもよいのではないかと思うのです。
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このような記事を書くと、必ず批判のコメントが入るのを承知で、私の同性愛に関する考えを、述べたいと思います。
これは、私の考え、というよりは、宇宙全体の法則、自然の理(ことわり)というものに関わってくると思うのです。
だからといって、差別するのはいけないでしょう。
私は、彼らの友だちになって、簡単ではないだろうがやめた方がいいと、一人ひとり話を聞きながら言ってあげたいです。
具体的には、明日お話します。
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