UUUM、YouTuberを活用したタイアップ動画のプロモーション効果を検証
《トピックス》
1. タイアップ動画を視聴したことによる態度変容の効果
・ 商材に対する認知度が向上
・ 興味関心、好感度、購買意欲もそれぞれ約30%ポイント上昇
2. プロモーション効果
① Rumor
・認知向上から購買意欲まで全体的に上昇
・「Rumor」とのタイアップ動画視聴後のコンバージョン率は7%
② 丸亀製麺
・テレビ広告では実現しきれなかった興味喚起やコンバージョンを補完
・丸亀製麺とのタイアップ動画視聴後のコンバージョン率は29%
③ ワコール「ブラ・リサイクル」
・ワコール「ブラ・リサイクル」とのタイアップではサービス認知の向上と企業ブランドの向上に寄与する結果に
・サービスの利用に加え、企業ブランドに対する関心も向上
3.高い広告効果を得た要因について
① YouTuberと視聴者の結びつきの強さ
② 広告としてだけではなくコンテンツとして成立
③ 能動的に見られている動画
4. まとめ
・ YouTuberを活用したタイアップ動画は、大きなプロモーション効果だけでなく、コンバージョンも期待することができる
・ YouTuberを活用したタイアップ動画は若年層へのリーチなどマス広告のプロモーション効果を補完する
・ タイアップの依頼を頂く広告主の中でナショナルクライアントの割合は高く、テレビ広告との併用した実績もある
・ 2015年はコンテンツの年であり、視聴者に支持される面白いコンテンツを作ることができるかが企業のマーケティング戦略において重要になってきている。今後もこうした動きは加速していく
■ 調査の背景と目的
現在、国内におけるオンライン動画視聴の急激な拡大に伴い、YouTuberを活用した企業のマーケティング施策への関心が高まっています。一方で、動画広告は再生数以外の指標がなく、定量的なプロモーション効果を示しにくいという一面がありました。そこで、対象となるタイアップ動画の視聴者と非視聴者にそれぞれアンケートを実施し、商材に関する理解度や興味・関心度について態度変容効果を計測しました。
1.タイアップ動画を視聴したことによる態度変容効果
■調査対象 :全国の12~49代の男女
■有効回答数:1,120サンプル
■調査方法 :インターネットリサーチ
■調査期間 :2015年2月17日~2015年2月20日
YouTuberのタイアップ動画の視聴者と非視聴者を比較した場合、商材に対する認知度が向上したことに加え、
興味関心、好感度、購買意欲もそれぞれ約30%ポイント上昇する結果となりました。
また、キャンペーン内容により、得られるプロモーション効果が異なることも分かりました。
2.タイアップ動画のプロモーション効果
■認知度の向上とコンバージョン率の高さに関する事例
はじめに、はじめしゃちょーとのタイアップによる、匿名投稿アプリ「Rumor」の事例についてご紹介します。
[本音で話せる場所はありますか?【Rumor】]
https://www.youtube.com/watch?v=VukXclFEjNQ
▼匿名投稿アプリ「Rumor」とのタイアップでは認知向上から購買意欲まで全体的に上昇
本動画を視聴後、アプリをダウンロードした人は全体の7%を占めており、
認知度の向上や興味関心の向上だけでなく、コンバージョンに対しても
有効であることが分かりました。また、「Rumor」に関する知識についてのアンケートでは、
「FacebookやTwitterなどの友達と匿名で繋がること」の認知は49%(動画非視聴者は12%)、
「投稿に対してのコメントも匿名であること」の認知は45%(同20%)に上るなど、
サービス内容が動画を通して伝わっていることも確認することができました。
■テレビ広告の効果を補完する事例
次に、丸亀製麺と大食いYouTuber木下ゆうかとのタイアップ動画事例についてご紹介します。
[【大食い】釜揚げうどん6人前&サイドメニュー全種類【木下ゆうか】]
https://www.youtube.com/watch?v=PutahtjObJ8
▼テレビ広告では実現しきれなかった興味喚起やコンバージョンを補完
この動画は2月6日に公開され、3月10日時点で約35万回再生されています。
今回の事例の場合、アンケート実施時期に丸亀製麺がテレビCMプロモーションを
行っていたこともあり、認知度に関して差はほとんど見られませんでした。
一方で、興味関心、好感度の数値はいずれも20-30%ポイントの差がありました。
この結果から、テレビCMだけでは難しい興味関心や好感度の向上をYouTuberを活用した
タイアップ動画により補完可能であることを示唆していると考えられます。
▼丸亀製麺とのタイアップ動画視聴後のコンバージョン率は29%
アンケートを実施期間が動画公開後、2週間しか経過していなかったにも関わらず、
動画視聴後に丸亀製麺のうどんを食べた割合は29%を占めました。
また、動画内で紹介したサイドメニューはいずれも3%-21%のコンバージョンを
実現することが出来ました。本動画の約70-80%がモバイルデバイスで視聴されているため、
このような外食サービスは動画視聴後、コンバージョンに繋がりやすかった可能性が考えられます。
■サービス認知の向上と企業ブランドの向上に寄与する事例
最後に、ワコールと佐々木あさひのタイアップによる「ブラ・リサイクル」の動画事例についてご紹介します。
[ブラジャーが地球を救う!?ブラ・リサイクル♡ - 2015.2.11 SasakiAsahiVlog]
https://www.youtube.com/watch?v=kmx5vfjil5A
この動画は2月11日に公開され、3月10日時点で約5.2万回再生されています。
視聴者の認知度は非視聴者に比べて約60%ポイントと大きな差が確認されました。
動画視聴者の興味関心や好感度は動画非視聴者のポイントを更に上回る結果となり、
今回の事例においてもタイアップ動画が興味関心や好感度の向上に寄与することが示されました。
また、本事例は、動画視聴者と比較して、非視聴者の「ブラ・リサイクル」への興味関心や好感度が高いことが
特徴的の事例です。このような場合においても、動画視聴者の興味関心、好感度は非視聴者の度合いを超える結果を得ることができました。この結果から、潜在的に高い興味関心や好感度を更に向上させる効果についても
期待できることが分かりました。加えて、企業ブランドである「ワコール」に関する態度変容の調査では、
興味関心や好感度は約50%ポイントの差が表れる結果となりました。
▼動画視聴後、サービスの利用だけでなく、企業ブランドに対する関心も向上
アンケートを実施したのは動画を公開した1週間後だったにも関わらず、動画視聴者全体の9%が
「ブラ・リサイクル」を利用するという結果となりました。
また、今回のタイアップ動画は社内貢献につながる取り組みに関する内容だったということもあり、
結果としてワコールのホームページへのアクセスや、ワコールの商品購入にもつながっている点が今回の調査で明らかとなりました。
3.高いプロモーション効果を得た3つの要因
上記の通り、全てのキャンペーンにおいて高い広告効果を得ることができました。
これには様々な要因が考えられますが、大きく3つの要因について下記に検討しました。
■ YouTuberと視聴者の結びつきの強さ
YouTuberは日々アップロードする動画コンテンツやSNSを通じて視聴者と常に
コミュニケーションをとっています。視聴者にとってYouTuberは憧れであり、かつ身近な存在です。
特に視聴者の中心である20代以下の世代にとってはこうしたYouTuberがインフルエンサーとして強い影響力を持っており、今回の結果につながったと考えられます。
■ 広告としてだけではなくコンテンツとして成立
YouTuberは、自らの目線で商品の良いところも悪いところも紹介したり、
コンテンツとして面白い動画を作成したりすることを意識しています。
企業とのタイアップ動画であっても、テレビCMのように与えられた脚本に基づいて動画を作るわけではありません。こうした姿勢が、視聴者がリアリティを感じたり、商品に親近感を感じたりするきっかけになっていると考えられます。
■ 能動的に見られている動画
一般的なバナー広告やテレビCMと違って、YouTuberとのタイアップ動画は能動的に見られます。
このことにより、商材の魅力や特徴が適切に伝わるだけでなく、バナー広告やテレビCMでは引き出しきれなかった
認知以上の態度変容につながったと考えられます。
4.まとめ
YouTuberを使ったタイアップ動画はテレビ等のマス広告ほどのリーチはないものの、
既存のマス広告ではリーチが難しくなりつつある若年層へのリーチを持っています。
上述した結果のように、単に認知度を向上させるだけではなく、興味関心や好感度の
向上にも寄与し、ひいてはコンバージョンやSNS上の拡散にも寄与する点が大きな特
徴です。したがって、YouTuberを使ったタイアップ動画はマス広告を量と質の両面に
おいて補完する役割を果たしており、相性が良いことが分かりました。
実際に当社へタイアップの依頼を頂く広告主の中でナショナルクライアントの割合は
高く、テレビ広告と併用して活用する場合もあります。
■2015年はコンテンツの年
昨今、ドコモの「3秒クッキング 爆速エビフライ」やC.C.Lemonの「忍者女子高生 」に
代表されるような「面白い動画コンテンツにのせた広告」が大きな潮流となりつつあり、
いかに視聴者に支持される面白いコンテンツを作れるかが企業のマーケティング戦略においても
重要になってきています。米国ではYouTuberを活用したコンテンツ作りも盛んに行われているが、
企業自身が制作会社を買収するなど、コンテンツ制作機能を取り込む動きも出てきている。
今後もこうした動きは加速していくとみられます。
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