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発達障害者の就職は人類で最も困難

発達障害者の新卒は、4人に1人しか就職できません。失業率は75~97%。知能の凹凸が激しいと、幅広い知能を要する普通の仕事が困難になります。その一方で、得意分野を活かせた一握りは圧倒的な実力で社会に適応します。

更新日: 2015年03月11日

rolly-cornさん

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知能の凹凸が激しいと「普通」の仕事が困難なことがある

自動化が進んだ時代の仕事は、アスペルガーが得意とする単純で根気のいる反復作業は自動化され、幅広い知能を要する仕事だけが残されています。しかし、凹凸の激しい人がそれらの「普通」の仕事をやろうとすると、ものすごく困難を伴うことがあります。

仕事では、桶の理論が発動します。高学歴だったり、秀でている部分があっても、知能の凹凸が激しいと普通の仕事をこなすことに非常に不利なのです。大事な部分が抜けているのですから。

知能の凹凸を活かして優秀な成績を残す人もいる

凹凸の凹が問題になるような仕事をうまく避ければ、弱点を克服できます。さらに、凹凸の凸を活かすことができれば、他の追随を許さない圧倒的な能力を発揮できる可能性があります。うまく適応できている人は、こういった工夫をしているのかもしれません。

しかしながら、仕事を知能の凹凸に合わせるのは、誰でもできることではありません。知能を見極めたうえで、仕事を再構成する必要があります。とても大変ですが、失うものが無いのならやる価値はあるかもしれません。左の図では、不得意を把握して、仕事から排除することで、水の量を増やしています。

しかし、知能は目に見えない

残念なことに、この桶は目に見えません。発達障害は目に見えないのです。その結果、たくさんの発達障害者が就職や就労に苦労しているのです。これが「生きづらさ」を産んでいるのです。

何ができて、何ができないのか、周囲は分かりません。本人すら分からないこともあります。手がかりは「お前は何もできない」と言われたことだけです。

凹凸が分かっただけでは、仲間に入れない

凹凸が分かっただけでは、既存のシステムに組み込めるとは限りません。職場ではすでに、チームが長年培った生産ラインが確立しています。「自分取扱説明書」を片手に、あれができません、これができませんと、無理なお願いをして頼み込み、翻訳係やマネージャーを要するとなれば、プラスの戦力になれるとは限りません。多くの職場では採用が困難でしょう。こうして発達障害者は、周囲からは「働け」とののしられ続け、会社からは採用を断られ続けるのです。働けないことの証明は悪魔の証明なので、釈然としないまま板挟みにあうのです。

職場で起きること

周囲は、当事者を自分たちと同じ生き物だと思っています。だから、自分たちに特化した仕事を投げてきます。ネコ課長は面倒見がよく、部下の将来を心配してくれる優しい上司です。イヌ君は発達障害ですが、ネコ課長はそれを理解できないので、「ニャー」と鳴く特訓を始めます。イヌ君はネコとして育てられたので自分をネコだと思っています。

当事者は、簡単な仕事でも、できません。しかし、それを直す手段が存在しないため、努力も何もできません。犬がネコになる手段は存在しませんから。周囲はそれが怠けや甘えに見え、不快に感じ、直したくなります。

さらに、人間の脳は、複雑な物事を迅速に判断するために、いろんな情報の平均で簡易的に判断します。そのため、「できない」という事実が願望やフィクションに流され、「頑張ればできる」という精神論が出来上がります。

したがって、周囲は厳しく叱責し、努力を促します。こうして、「存在しない手段」による努力が始まります。

当事者は、言われた通りに努力しますが、自己モニタリング機能の弱さでストレスに気付かないこともあります。発達障害者は、二次障害として適応障害や鬱病を罹患することがあります。

発達障害や精神疾患を理解するには、目に見えない抽象概念を理解できるだけの理解力が必要になります。見かけしか理解できない人には、理解できません。当事者の学力が高ければ、理解力の高い職場につくとこに有利です。

理解力が高ければ高いほど深層がよく見え、問題を根本から解決でき、双方の負担を等比級数的に小さくできます。逆に、理解力が低ければ低いほど、苦労は倍々に増えていき、特に指導される側は簡単に限界を超えます。深層になればなるほど、見える人は少なくなるので、位の高い人が直接面倒を見る必要があるかもしれません。但し地位の高さは知能だけでなくハッタリ力にも比例するので注意が必要です。

トドメを刺す二次障害と家族

発達障害者は、二次障害として、うつ病や適応障害を併発することがよくあります。しかしながら、それを理解できない家族は、「はやく就職しろ」と圧力をかけ、療養させてくれません。こうして、発達障害者から就職への道が永遠に閉ざされることになるのです。

うつは再発率が高く、

うつ病を経験した患者の約60%が再燃・再発する
2度目のうつ病を経験した患者の約70%が再燃・再発する
3度目のうつ病を経験した患者の90%が再燃・再発し4度目を経験する
・・・と言われています

鬱の再発率は、再発を重ねるごとに、まるでテストの点数のように上がっていきます。おそらく脳はヘブ則にしたがって鬱を「学習」し、着実に「記憶」しています。

激化する競争

生活が豊かになり、人口密度が上がりすぎると、競争が激化し、生き残りにくくなります。その結果、弱い個体から駆逐されることになるのです。

大人の発達障害を扱った作品(ネットで公開中のもの)

発達障害の新卒は4人に1人しか就職できない

「診断済み生徒のうち、09年に卒業した90人の就職率は25.6%」
「一般学生の61.2%はもちろんのこと、障害学生全体の46.4%とも大きな開きがあるそうです。」

アスペルガー症候群を抱える方の就職率はかなり低いと言われている。20代30代を対象にした日本の調査では約30%とあり、イギリスのある調査では20%未満だ。

正社員は2割ほど、それに派遣社員を加えても1/3ほどにしかなりません。そして、アルバイト勤務が1割ほど。残りの6割近くは、バイトすら出来ない無職だったのです。

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