Journeys of Serendipity!

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テーマ:
セレンディピティ。

本当は美容について考え方が変わった話を書きたいのだけれど……。

たまたま昨日、お金のことで色々と考えたので、書いてみます。



仕事ではもちろん、毎日お金のことを考えていて、でもそれは「会社」のお金のこと。

ざっくり言えば、「会社」の売上を上げて、コストを下げる。

職種によって色々あるけれど、それが会社員の仕事です。

頑張り具合によって、時間外割増賃金や、賞与、基本給が変動するけれど、基本的には毎月ほぼ一定のお金しか入ってきません。

歳を重ねると、仕事を頑張るために、心身のメンテナンスにとてもお金がかかることに気付きました。

残業の際の食事代、栄養ドリンク、風邪や月経絡みを調整する為の病院代、周りに「疲れてない?」と心配をかけないための美容代……。※「疲れている」と思われることも、評価に影響するのです。

どんなに楽しい仕事でもストレスは溜まるので、それを発散するための呑み代、趣味にかかる費用……。

忙しい時は、家事も疎かになり部屋が荒れてしまったり、ひどい時は、お恥ずかしい話、公共料金を滞納してしまったり……。

確定拠出年金(日本版401k)という、自身で資産運用し、老後の年金額が変わる制度がありますが、「資産運用なんてしている場合じゃないよー」と思うこともあります。

※親世代でも「年金がどれだけもらえるか」と嘆いているのに、私たちは「年金なんて期待していない、ひょっとしたら80歳まで引き上げられているかも…それまで生きる自信もない」なんて思うことも。


私の効率が悪いことは重々承知しているけれど、「独身で働く」というのは、そういうことなんだ、としみじみ思います。


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さて。私は昨日、体調不良で、まだ電車があるというのにタクシーで帰りました。

「帰宅ラッシュの通勤電車で嫌な思いをしたくない」それだけのために数千円使いました。

タクシーの中ではほとんど寝ていて。でも、タクシーに乗って良かった、と思っています。

ストレス無く安心して運んでもらえたし、もし電車に乗っていたら倒れてしまい、余計にお金がかかったかもしれない。

そんな風に思うのです。


「お金」というのは、色々な使い方があって、「贅沢をするため」という側面ばかり見られてしまうけれど、「嫌な思いをしないため」にも使えるものだと、大人になった今、私は知っています。


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少しだけ、父からの、影響の話。

女性の感覚なのか、私が賞味期限切れの食べ物をついつい食べようとすると、父は「捨てなさい!余計に高くつくかもしれないだろう」と叱ります。

食べ物に困っている国があるというのに、こういうことを書くのは情けないけれど……。

上京する際、父から厳しく言われたことは「不調があれば、すぐに病院に行きなさい」ということで、本当にちょっとした不調で内科に行っては、お医者さんに苦笑いされることもありました。

でも、そういった父のお陰で、私たち家族は病気も早期発見出来ています。
会社員でなければ、年に一回の健康診断すらしない人が沢山いますよね?

もうひとつは、「食費をケチるな。ちゃんと食事をしろ」ということで、どうしても自炊に時間がかけられない時は、高くついても出来合いのものを買ったり、そういった食事が良くないと思えば、より高くついても美味しく健康的な食事を取れるお店へ行きます。

もともとあまり食に拘りが無いこともあって、休みの日はほとんど食べないこともある私の性格を父は知っているからこそ、そのアドバイスが出てきたのです。


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私にも、「お金」は汚いもの、と思っていた時期がありました。ほんの数年前までです。

でも、今では、せっかく両親がお金を出して、首都圏の大学に行かせてくれたのに、両親に仕送りなんてとんでもない状況で、もっともっと稼いでいる人を見て、悲しく思います。

同年代の男性と同じくらいの収入はありますが、それでは満足できません……。

地方で主婦がパートをすると、時給700円スタート、頑張って10年働き続けてやっと800円台。東京では、大学生でも時給1,000円で働けるというのに。

そのような環境で両親が稼いだお金で、大学に行かせてもらったのに……という想いがあるからです。


私の通っていた公立中学からは、2割ほどしか大卒がいません。

その中学から同じ進学校に行った子が2人いて、一人は東京の私大、もう一人は地元の国立大に行きました。

私は無理を言って首都圏の大学に行かせてもらったけれど、若い頃は内心、「成績が良いのだから当然」「もっと華やかな大学に行っている子もいる」「留学経験が出来なくて情けない」と思っていました。

人より良い思いをしているのに、上ばかり見て、悲劇のヒロインのような気分でいました。
そして、社会人になってからも、せっかく両親が投資してしてくれた「学力」を、お金に変えて還元出来なかった自分を見て見ぬ振りしていました。

そういう時に便利なのは「お金は汚い」という言葉です。


たとえば、恋愛。
学生時代や、社会人になってからも、私はわりと「面食い」で、見た目や雰囲気で恋をすることばかりでした。

学生時代の友人は、「そういうの良くないよ」と、しばしば私に注意しました。

彼女たちは、自分より学力があったり、お金を稼いでいる人、将来稼げそうな人(医学部の学生だったり、弁護士や公認会計士の勉強をしている人だったり)とお付き合いをしていました。

「学力」や「お金」は、本人の努力の成果なのだから、生まれ持った「見た目」で判断するよりずっと公平じゃない?

と、彼女たちは言ったのです。


今、そう言った彼女たちの方が、ずっと立派な仕事に就いていたり、お金を沢山稼いでいます。

男性と同じように「学力」と「仕事」を頑張ったからこそ、それを続けている男性を尊敬するのは自然なことだよね、と気付けたのは、そういった目に見える格差が出てきた頃かもしれません。

私が今も嫌だなあと思うことを、彼女たちはせずに済んでいる。
「幸せ」の数が多いことじゃなく、「不幸」の数が少ないことを、私は羨ましく思います。
そして、彼女たちは、立派な男性を、精神的にも支えることが出来る能力があることを、また羨ましく思うのです。

※もちろん、私は今も、自分自身は「学力」や「仕事」に関する努力を知らず、ただ「お金をどれだけ稼いでいるか」という目で男性を品定めし、そういう男性に気に入られ結婚することで、自分の価値が上がったと勘違いしているような女性のことは軽蔑しています。


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次は、母の話をしますね。

ここ数年、母に何度か「ちゃんと、お金のことを教えてあげられなくてごめんね」と言われました。

私は「勉強が楽しい、良い環境でもっと勉強したい」そういう気持ちで進学し、将来のことは、ほとんど考えていませんでしたし、それに何の問題があるの?と思っていました。「大学は勉強をする場所」だと思っていたからです。


私は小学生の頃、卒業文集に「東京大学を出て、イラストレーターになりたい」と書いたことがあります。

ほとんど記憶が無いですが、おそらく、ちゃんと学歴もあるクリエイターになりたい、と思ったのでしょう……。

そのことすら、母は「小学生に“東京大学に行きたい”と書かせたなんて、私の教育は間違っていたね。ごめんね」と泣いたのです。

子どもが小さいうちから“お受験”に悩む「東京のママ」ばかり見ていた私は、母の発言にびっくりしました。


母が泣いたのは、きっと、私が、幸せそうに見えないからです。

いくら私の心が「幸せ」だと叫んでも、社会的に成功し、沢山お金を稼いでいるとか、そういった男性と結婚するだとか、世間の言う「幸せ」の記号にはまらないことで、母が自分を責めてしまうのです。


私はその頃から、お金を好きになろう、お金に好かれる人になろう、と思いました。

まだ、心が抵抗していることもあるけれど、「お金は汚い」と思い続けるせいで、お金に嫌われ、余計な苦労をし続け、そして周りの人を悲しませたくないのです。

会社員として「会社の利益を増やす」ことをしているのに、自身は「お金が無くても幸せ」だと叫ぶことは矛盾している、社会人としておかしいのでは?とも思い始めたこともあります。


お金が無いから、化粧に気が回らない。それで周りに「顔色悪いけど大丈夫?」と心配をかけたら?

お金が無いから、終電を逃した時はカラオケに行く。それでもし性犯罪被害に遭ったら?

お金が無いから、何だか不調だけど病院に行かない。それでもし余命宣告されるほど病気が進行してしまったら?


私は、それが「幸せなこと」だとは思えません。


私は「贅沢の限りをし尽くしたい」ではなく、「不幸から遠ざかりたい」のです。

お金でそれが解決出来るなら、お金はとても素晴らしいものです。

そして、そのお金を稼ぐチャンスや能力があるのであれば、それを実行することは醜いことだとは思いません。


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私は今、ブログやメディアで書くことで、わずかながら対価を得ています。

しかし、対価を得る一方、嫌な思いもするようになってきました。

それはなるべく表に書かないようにしていました。
「嫌な思いをさせたい」という人への一番の対処法は「無視」をすることだからです。

もともとは、「美容への意識を継続させるため」にブログを始め、最近では、美容なんて……と思っている人に「楽しさを知ってもらいたい」と思っています。

基本的に、私が紹介するものは、本来であれば、お店で手にとって買っていただきたいものばかりです。

百貨店の化粧品売り場で、BAさんと会話をし、実際に手に取り、色を合わせ、他の商品とも比較しながら、丁寧に購入する。それだけでも、とても楽しい時間ですし、その方が化粧品への愛着や美意識が高まります。

※脱線しますが、私はいつも朝バタバタと化粧をしていますが、母が、「シャネル」や「ディオール」の化粧品を使う時、とてもゆったりと、そして大事そうにメイクボックスに仕舞う様子を見て、ああ美しいなあと思いました。そういう風に接することが出来る心も、育てていきたいと思っています。


しかし、ブログは色々な方が読むことに気がつきました。
東京と違い、気軽に買いに行ける人がどれだけいるでしょう?東京ですら、百貨店に行くのに交通費が数百円はかかります。

地方なら、百貨店に行くのに、ガソリン代や駐車代がかかる、賃金格差もある。そもそも取り扱い店舗が無い。

そういう方のために、私は「Amazon」や「楽天」等の通販サイトへのリンクを貼ることにしました。
当初はほとんどクリックはありませんでした。今でも、ほとんどアフィリエイト収入はありません。

しかし、わざわざ「あなたのブログを見て、買いました」と言ってくださる方なんてほとんどいませんから、購入に至らなくても、クリックがあるだけで、つまり、私のブログから興味を持っていただけたことが分かるだけで嬉しいです。


私事で恐縮ですが、最近では、Web活動を通し嫌な思いをすることも出てきました。

前述のとおり、私は「お金を汚いもの」と思わないようにしよう、稼げる手段があるのであれば積極的に利用しようと思っていますので、もし、稼げる金額と嫌な思いが見合わないのであれば、本来の純粋な目標「私なりの視点で、美容の楽しさを伝えたい」をすぐに放棄しようと思っています。

私が嫌な思いをし本当に悲しむのは、Web上の知人ではなく、オフラインの家族や恋人や友人だからです。


私のお金に対する考え方を読み、幻滅してしまう方もいらっしゃると思います。

育った環境や、生きてきた人生が違うので、「お金」に対する考え方が違うのは当たり前のことです。
そして、ひょっとしたら、私が歳を重ねることで考え方が変わったように、幻滅してしまった方の中には、いつか、ここに書いた気持ちのどれかひとつでも分かることがあるかもしれません。


「Web」に対する考え方が違うのも当たり前のことです。

私はWebで発信することに「知識」と「コスト」がかかる時代があったことも知っています。
従来は、「Web」が、お金に余裕のある人、知識をつけられる人の遊び場だったことを知っています。

今は、HTMLも知らずサーバー費用も負担せずとも、文章やイラスト、写真、動画等の才能だけで勝負出来る時代です。

なので、知識もコストもかけず、「無料で提供されたブログをたまたま始めたら人生が変わった!」という人が沢山いることを、悔しいと思うこともありました。

ここ数年は、そのような悔しさも薄れ、細々と書くことに満足出来ていたのですが、やはり色々と考えざるを得ない状況になってしまいました。

「こんな失礼な人がいるんだ!」と驚くことには、まだ慣れていないのです。

オフラインでは接せずに済む「悪意を持った人間」の目に触れる機会を持つことには、私にとって、別の場所からの「対価」が無くては続けられなくなってしまったことを、ご理解いただけますと幸いです。


とんでもない長文を、最後までお読みくださり、誠にありがとうございました!

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