尿を利用して発電する方法が開発された。
英国西イングランド大学と国際非政府組織(NGO)オックスファムが共同で開発し、同大学の学生会館の近くにこの方法を使ったトイレを設置、使用を呼びかけている。
微生物が発電
尿中の「微生物燃料電池(MFC)」と呼ばれる微生物を入れた装置が燃料を供給、電気を生み出す仕組みだ。MFCは生きた微生物を中心として装置が成っており、微生物は尿をエサとして成長し、生命を維持する。
微生物の成長のために使われる生化学エネルギーの一部を活用して、直接電気に変えられるようにしている。
研究グループは、これを「pee-power(ピーパワー、小便のパワー)」と呼んでいる。
難民キャンプなどで応用想定
ピーパワーの利点はまず、低コストであること。大量に排出される廃棄物(尿)を使い、MFC1個のコストは1ポンド、日本円で180円ほどでしかない。トイレ1台分の費用は600ポンド、10万円強となる。発電に化石燃料を使う必要もなく、環境にも優しいのは重要という。
難民キャンプなど、電力源から遠く離れた地域でも利用することができるのは大きい。暗い場所や、危険な場所、難民キャンプの小部屋などを明るく照らす。
「殺人を回避でき、女性を危険から守ることもできる」とトイレの設置が難しい厳しい環境での応用を研究グループは想定している。
文献情報
‘Pee-power’ to light camps in disaster zones
http://info.uwe.ac.uk/news/UWENews/news.aspx?id=3050
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