【ワシントン=川合智之】オバマ米大統領は24日、訪米中のアフガニスタンのガニ大統領とホワイトハウスで会談し、9800人の駐留米軍を今年末に5500人へと4割強減らす計画を凍結することで合意した。年内は同規模を維持したうえで来年末に撤退する期限は変えない。アフガンの治安悪化に対応する。
オバマ氏は同日の会談後の共同記者会見で「アフガンの安全とテロ攻撃の防止を狙ったものだ」と説明した。米軍撤退計画の見直しは、治安悪化を理由にアフガン側が要請していた。オバマ氏は「アフガンはいまだに非常に危険な場所だ」と指摘し、計画を見直す必要があったと訴えた。
オバマ氏の大統領任期中の2016年末までに米国大使館の警備要員を残して駐留米軍を撤退する計画は変えない。16年の要員計画は15年中に決める。
両首脳らは35万2千人のアフガン治安部隊を維持するために米国が17年まで財政支援を続けることも確認した。アフガンの財政金融部門の監督強化や選挙制度改革を支援するほか、米国留学・女性向け奨学金の拡充、貿易投資協定の協議会の設置も決めた。
アフガンでは過激派組織「イスラム国」も勢力を伸ばしており、治安情勢が悪化している。ガニ氏は「米国との協力はアフガンだけでなく地域や世界の安定にとって基盤だ」と述べ、両国関係を強化する意向を表明した。カルザイ前政権時代に悪化した米国との関係を改善し、13年から途絶えていた外相会合を年内に再開。反政府武装勢力タリバンとの和平交渉の道も探る。
ガニ氏は25日に米議会上下院合同会議で演説し、26日にはニューヨークの国連本部で潘基文事務総長と会談する。
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