▲多くの国民の食生活を一変させた衝撃作「チキンとタイカレー」
出会いは4年前。
なんの気なしに入った100円ローソンに、緑色の見慣れぬ缶詰が山積みされていた。なんでも、ライトツナでおなじみのいなば食品が手がける「チキンとタイカレー(グリーン)」だそうだ。
わたくし松澤、タイ料理がことのほか大好物で、タイ料理屋を見かけてはあっちゃこっちゃ入店している。「たかが缶詰のタイカレー、100円分の旨みがあればそれで良し」と舐めきった軽い態度で1缶購入したのだが、あくる日、10缶買いこんでいた。しばらくは、家にストックがなければ不安で夜も眠れないほど、いなばのタイカレー缶に依存していた。
なにせ、うまい。うますぎるのだ。
100円分の旨みどころか、ちょっとしたタイ料理屋のカレーよりもぜんぜん旨いんだから腰が抜ける。
ごはんにぶっかけて山盛り1杯、皿についてる残骸でもう1杯、缶詰にこびりついたカレーでもう1杯と、1缶で3杯は飯が食える。経済合理性が半端じゃない。
多くの国民の食生活を一変させた衝撃作、それがチキンとタイカレー(グリーン)なのだ。
そんな衝撃の出会いから、数年。
熱海に旅行に出かけた際、とあるお土産屋さんで、とんでもない代物を発見した。「かぼちゃとココナッツムース」だそうで、「本場タイで製造」しているんだそうだ。
これはもしやと調べると、なんと、いなば食品は『タイシリーズ』と銘打って、タイカレーのみならずスイーツまで生産していた。
ポフッっと缶を開けると、黄色くモフモフした物体が、缶詰いっぱいにパンパンに詰まっている。
ふわっと柔らかい口触りながらも、ねっとりとした濃厚さもあるムースだ。ココナッツのいい香りと、かぼちゃのほどよい甘さがクセになる。無我夢中で貪り喰らい、30秒もかからず完食していた。
あれだけ惚れ込んだ相手にもかかわらず、私はいなばの缶詰のことをなにも理解していなかった・・。
私は、深く恥じ、そして
いなばのタイシリーズを片っ端から注文した。
君のことを、もっとよく知りたい。
ほとんどのスーパーやコンビニは、定番アイテム(グリーンカレーなど)しか置いてないので、ネットショップで注文。1つのネットショップでは揃わなかったので、2つのお店で買い集めた。
正確には、これでタイシリーズすべてではないし、逆にタイシリーズ以外も含まれているが、気になるものを中心にピックアップした。かなり網羅している。
価格はどれも100円台から、高くても200円台半ばとコストパフォーマンスが素晴らしい。
縦に積むと、これだけの高さになる。
”高さ”では負けていても、”旨さ”の総量はスカイツリーを遥かに凌駕している。
では、カレー系、おかず系、スイーツ系の3ジャンルに分類し、1缶ずつご紹介していこう。
カレー系
いなば食品が取り扱うのはタイカレーばかりではない。インドカレーだって取り扱う。しかもドカンと1枚ハンバーグが入ってる腹ペコ男子仕様だ。カバンに1缶忍ばせておけば、部活帰りの道々で、ガツガツかっこむことだって可能。
デミグラスソースっぽい味つけなので、ハヤシライスとカレーライスのちょうど中間といったところ。辛いのが苦手な人でも、これなら抵抗なくいける。
2. インド豆カレー(とり肉入り)
大豆がゴロゴロ入ったインドカレー。豆が入ってるので甘味がある。なんだったら豆がライス代わりになってくれるので、この1缶で食事が成り立つ。人はこの缶詰を、完全食と呼ぶ。
3. じゃがいも・豆のタイカレー(マッサマン)
マッサマンカレーとは、タイ南部で食べられているご当地カレー。じつはこのマッサマンカレー、アメリカの情報サイトでおこなった「世界でもっとも美味しい50種類の食べ物」というランキングで、1位に選ばれた料理なのだ。タイ本国でもあまり知られていないこのマッサマンカレーだが、つい先日、カップヌードルにもなっていた。
こちらもココナッツミルクを使った、甘味とトロミのあるカレー。昔ながらの日本のカレーに近いものがある。
おかず系
1. とり照りやき風
実際、照り焼きにしか見えないのだが「風」とはどういうことなのか。塩っ気があるので、おかずにもなるし、つまみになる。
2. ぶた大根
ぶたと大根を煮込んだら、うまくなるのが道理というもの。タイカレーのおかずに、思いきって和な「ぶた大根」を選ぶというのも意表を突いて吉だろう。
3. とり・たまご大根
とりと大根には、うずらの卵もついてくる。うずらの卵だけでも美味しさ100点なのに、そこに大根と鶏肉が加わったら100の3乗うまいのが当然ながら道理である。
4. トムヤムチキン(タイのピリ辛スープ)
カレー、おかずと食べ進めば、とうぜん箸休めとしてスープが飲みたくなるというのも、これまた道理。いなば食品は消費者心理の10手も20手も先を読んでいるので、もちろん、スープもラインナップしている。
本格的なトムヤムスープにゴロリと鶏肉がダイブしている。控えめながら辛さもあり、やっぱり飯がすすむのなんの。いなば食品はどれだけ米の消費量を増加させるつもりなのか。米農家の強い味方だ。ふくろたけの食感も心地いい。
5. ツナとココナッツミルクスープ
タイカレーにトムヤムスープと辛いの続きで「あまり辛くないスープが飲みたいなあ」と思うやいなや、思考を実現してくれるのがいなば食品。「ツナとココナッツミルクスープ」があなたのそんな欲望を満たしてくれる。ナポレオン・ヒルもびっくりのスピード感である。あまりに先手の先手を読まれているので、わたしの食生活はすでに詰んでいるのかもしれない。
スイーツ系
1. 大粒タピオカ・ココナッツミルク
さてメインディッシュが終わったら、スイーツと洒落こもう。オカズもメインもスイーツもすべて缶詰で事足りてしまう。
いなばのタイシリーズのスイーツはこの「タピオカ・ココナッツミルク」が基本形である。存分にタピオカを味わいたいならば、これである。品のいい甘さなので、おめざにも、おやつにも、食後や夜食、すべての時間帯で体に優しい。
2. タロイモとココナッツミルク(タピオカ入り)
さきほどのタピオカココナッツミルクにタロイモをいれたもの。ホロホロに柔らかくなったタロイモとタピオカは、かなり素晴らしいコンビネーションだ。
3. ココナッツ・あずきミルク
ココナッツミルクにあずきを加えたもの。和とタイの融合だ。パッケージに「タピオカ入り」の注釈はないものの、当然という顔つきでタピオカがゴロリゴロリと入っている。皿に盛ってしまうと、見た目がちょっとアレであるが、言うまでもなく旨い。
4. 黒豆とココナッツミルク(タピオカ入り)
黒豆を入れたって旨い。タロイモといい、黒豆といい、タピオカココナッツミルクってやつは、甘い食物ならば誰とでも合ってしまうのではないだろうか。懐の広いスイーツである。
というわけで、すべての缶詰を1人で2日かけて食べてみた。
どれもこれも1缶100~200円台と気軽に買える金額なので、ぜひともお気に入りの1缶を見つけて欲しい。
特に1人暮らしをしている方は、低コストで食生活がぱーっと華やぎますよ。
作者:松澤茂信(まつざわしげのぶ)
東京別視点ガイド編集長。
るるぶとか東京ウォーカーが積極的に載せないようなとこばっかし巡ってます。
そういう人生です。けっこー楽しいです。
(編集:編集プロダクション studio woofoo)
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Twitter:https://twitter.com/matsuzawa_s
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