はやぶさ2:持ち帰る「小惑星物質の分析」で連携協定

毎日新聞 2015年03月24日 22時35分(最終更新 03月24日 22時58分)

 ◇JAXAと国内の4研究機関

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は24日、小惑星探査機「はやぶさ2」が持ち帰る予定の小惑星の物質の分析に備え、国内の4研究機関と連携協定を結んだと発表した。はやぶさ2は2020年に地球へ帰還する計画で、初号機「はやぶさ」よりも厳重に物質を扱い、詳細な分析を進めるため準備を始める。

 はやぶさ2が目指す小惑星1999JU3は、水や有機物を含む可能性が高い。JAXAによると、地球上にも水や有機物が存在するため、はやぶさ2が小惑星で物質採取に成功し、物質が入ったカプセルが無事帰還しても、地球上の物質と混ざると小惑星のものかどうか分からなくなる恐れがある。

 このためJAXAは、初号機よりも一層厳重に物質を管理し、万が一、地球の物質が紛れ込んでも見分けられる分析法を事前に開発することにした。初号機の際は、このような事前の協定は締結していない。

 今回、連携協定を結んだのは、海洋研究開発機構(高知コア研究所=高知県南国市)▽自然科学研究機構分子科学研究所(愛知県岡崎市)▽国立極地研究所(東京都立川市)▽高輝度光科学研究センター(兵庫県佐用町)−−の4機関。具体的には、持ち帰った物質を国内外の研究機関へ輸送する際の容器開発、地球の物質に汚染されないような分析方法、汚染された物質の取り扱い方法などを研究する。【永山悦子】

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