藤井匠
2015年3月25日16時53分
世界文化遺産・姫路城(兵庫県姫路市)が6年がかりの「平成の大修理」を終えた。昭和の大修理から半世紀。約100トンの白漆喰(しっくい)を塗り替え、瓦約7万5千枚を葺(ふ)き直して白亜を復活させた。大天守の内部も改装され、27日から再び一般公開される。
■スマホで江戸体感
大天守は外観が5層で、中は地上6階地下1階建て。「構造美や築城当時の雰囲気を感じられるように」。内部の改修は、識者らでつくる姫路市の保存修理検討会のそんな提言に沿って進められた。
まず1、2階の武具などの展示を撤去。木張りの床や武骨な柱が目に飛び込んでくる。攻撃用の「石落とし」がある1階は武者が控えた550平方メートルの広さを実感できるようになった。
目玉はAR(拡張現実)の技術。8カ所あるポイントで、専用のアプリを導入したスマートフォンやタブレット端末をかざすと、江戸期の様子が分かる動画やCGが映し出される。
地階では、大天守を支える大柱2本(根元の直径95センチ)が上層部まで貫く構造がCGでわかる。2階では鉄砲ややりを武具かけから外す兵の動画を見られる。
姫路城管理事務所長の石川博樹さん(50)は「展示で隠れていた内部構造がはっきりと分かる。タイムスリップして歴史を感じてほしい」と話す。照明は蛍光灯から床置きのLEDの行灯(あんどん)形に。ろうそくの明かりを思わせる演出だ。
■大天守に「幻の窓」
大修理では予期せぬ発見があった。大天守最上層の「幻の窓」だ。
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