英 議会選挙前に財政目標を緩和へ

3月19日 7時43分

イギリスのオズボーン財務相は１８日、２０１５年度の予算演説で２０１９年度の財政黒字の目標を緩和することを明らかにし、ことし５月に予定されている議会選挙を前に緊縮のペースを緩める姿勢を示すことで、支持拡大につなげるねらいがあるものとみられます。

イギリスのオズボーン財務相は１８日、来月から始まる２０１５年度の予算案について議会で演説しました。
この中でオズボーン財務相は、ことしの経済成長率の見通しを前回の予測から０．１ポイント上方修正して２．５％とし、来年以降も高い成長を続けるという見通しを示しました。
そのうえで、オズボーン財務相は２０１８年度には財政黒字に転換するという見通しを示すとともに、２０１９年度の財政黒字の目標を緩和することを明らかにし、「今回の予算案でイギリスは緊縮から繁栄へと大きな一歩を踏み出す」と述べました。
また、予算案には、個人向けの住宅支援策の拡大や所得税の基礎控除の引き上げ、それに石油収入税の引き下げなど、景気に配慮した政策が盛り込まれました。
イギリスではことし５月に議会選挙が予定されていて、現政権としては今回の予算案で金融危機から経済を立て直した実績に加え緊縮のペースを緩める姿勢を示すことで、支持拡大につなげるねらいがあるものとみられます。