JoyentがDockerに最適化したクラウド「Triton」を発表。最小で1分毎に課金

2015年3月25日

Node.jsの開発などで知られるJoyentが、Dockerに最適化したクラウドサービス「Triton Elastic Container-Native Infrastructure」(以下Triton)を発表しました。

fig 同社のWebサイトから、Tritonの特長を示した図

TritonはDockerコンテナのデプロイにフォーカスして開発されたクラウドサービスで、仮想マシン上ではなくベアメタル上にコンテナを展開することにより、高い性能やセキュリティを提供するのが最大の特長です。

OpenSolarisをベースにしたOSで提供

同社のクラウドは、OpenSolarisをベースにJoyentが開発した「Smart OS」を用いており、今回のTritonもそのSmartOS上でDockerが提供されることになります。これについてJoyentは下記のように、より良いDockerを作る目的ではなく、SmartOSを活用したいのだと説明しています。

同社のブログの記事「Triton: Docker and the “best of all worlds”」から引用

Importantly, we had no desire to develop a “better” Docker — we merely wanted to use SmartOS and SmartDataCenter as a substrate upon which to deploy Docker containers directly onto the metal.

重要な点として、私たちは“より良い”Dockerを開発しようとは思っていません。私たちはSmartOSとSmartDataCenter(注:Joyentが自社のクラウドで利用しているOSとデータセンターシステムのこと)を、ベアメタルにDockerコンテナを展開する基盤として用いようとしているだけです。

Doing this would leverage over a decade of deep operating systems engineering with technologies like Crossbow, ZFS, DTrace and (of course) Zones — and would deliver all of the operational advantages of pure OS-based virtualization to Docker containers: performance, elasticity, security and density.

十年以上にわたる深いOSエンジニアリング、つまりCrossbow(注:ネットワーク仮想化機能)、ZFS、DTrace、そしてもちろんZoneなど、そしてすべてが純粋にOSベースで仮想化されていることよって、Dockerコンテナに性能、伸縮性(Elasticity)、セキュリティ、そして密度といった利点を提供したいのです。

1分毎の課金で、最小は0.000055ドル

もう1つのTritonの特長は最小で1分毎の課金が可能になっていることです。同社のブログ記事「Expanded container service preview」で、下記の料金表が公開されています。

fig

コンテナは仮想マシンよりも迅速に展開、終了が可能なため、1分ごとの課金はコンテナの特長にあった課金体系といえるでしょう。

Tritonは現時点でアーリーアクセスの状態。メールアドレスを登録しておくとお知らせが届くようです。

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タグ : Docker , Joyent , クラウド

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