社会人として20数年仕事をしてきましたが、その半分以上を人事に関わる業務に携わってきました。ところが人事の実務家としての期間は浅く、むしろ外部コンサルタントとして関わってきた期間が長かったせいか、人事部という組織を客観的に見る癖がついています。
時には一社員として、また時には外部ビジネスパートナーとして様々な企業の人事部との接点を持ったことは、今、実務家として業務を行う中で大いに役に立っています。
そこで本連載では、アウトサイダーとインサイダーの両視点から、人事部というものを見て気づいたことを、提案していきたいと思います。
人事部の人たちって
いったい何をしている?
社員から見て、人事部の人ほど、普段何をやっているのか見えにくい人たちはいません。新卒で米系の銀行に入りましたが、入社時以外は人事部の方との接点はほとんどありませんでした。
その後に入ったコンサルティング会社でも、自社の人事部が何をしているのか、ほとんど知らず、また正直言ってあまり興味を持ちませんでした。
「人事」には興味はあるが、「人事部の仕事」には興味がない――。実はこれが現場で働く多くの社員の本音ではないでしょうか。
毎日一プレイヤーとして社外取引先とプロジェクトを動かしていると、“社内のこと”に関心を注ぐことができなくなります。一般的に人事部というのはその“社内のこと”に携わるのが仕事の大半を占めると考えられていますから、これはある意味当然だったのでしょう。
コンサルタント時代も、クライアントの多くは人事部でしたが、いわゆるプロジェクトという枠組みの中での関わり合いをしていると、彼らが普段日常業務(ビジネス・アズ・ユージュアル)の中で何に時間を注いでいるのか、見えにくいものでした。
普段とても忙しそうなのですが、何に忙しいのかが外部からは見えないし聞きづらい、そんなオーラを発していました。
そして今、実際に人事部の“インサイダー”としてここ数年を過ごしてきた立場で、いったい人事の実務家は何に時間を割いているのか改めて見て、思うことがあります。
もちろん会社によって人事部が担う役割は異なりますので(これについてはどこかで別途触れたいと思います)一概には言えないのですが、現段階では少なくとも、人事の時間の使い方について、いくつかの種類に分けられると考えています。
どのような種類の活動に時間を使っているのか、という点を見ていくと、実はどのような能力が求められているのか、という点も見えてきます。
今回はこの点を紐解いてみようと思います。