日本経済新聞

3月25日(水曜日)

日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
  • ヘルプ

コンテンツ一覧

Financial Times(翻訳)

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

[FT]中国を魅了したリー・クアンユー氏の「独裁」

(1/2ページ)
2015/3/25 7:00
小サイズに変更
中サイズに変更
大サイズに変更
保存
印刷
リプリント
共有

 広東省出身の曽祖父を持つリー・クアンユー氏は、シンガポール首相として初めて中国を訪問した際、中国側のホストに対して家族が抱いた印象について、こう語った。「私たちは中国人と彼らの慣習を異質に感じた」

 病を患っていた毛沢東国家主席と手短に握手した1976年の最初の訪中後、訪問を重ねていくなか、英国で教育を受け、先日91歳で死去したリー氏は、中国および中国の指導体制について極めて鋭い理解を深めていった。

 実際、常に米中双方の政府と良好な関係を維持したリー氏以上に、過去数十年間の中国の秘密主義の指導者とその政治体制をよく理解していると主張できる世界の指導者は恐らくいないだろう。

リー・クアンユー氏(左)を迎える習近平氏(2011年5月23日、北京)=AP/新華社
画像の拡大

リー・クアンユー氏(左)を迎える習近平氏(2011年5月23日、北京)=AP/新華社

 オーストラリアのフリンダース大学で国際関係学科の准教授を務めるマイケル・バー氏は「彼は誰よりも早く中国の台頭に気づいた」と言う。

 リー氏は一連の訪中について詳細に記録した回顧録で、その市場志向の改革が今日の中国という経済大国を解き放った鄧小平のことを「中国と世界の運命を変えた偉大な指導者」と断言している。

 だが、リー氏は決して賛美に迷い込まず、中国共産主義の官僚制度の限界と、北京の権力の中枢と地方の省の関係を理解する重要性について、明晰(めいせき)な現実主義をもって書いた。

 リー氏が、周恩来首相の死後、先陣を切って中国を訪問した外国首脳の一人になり、多くの人に先んじて鄧小平と会うことになったのは、この理解があったからだ。この関係から、鄧小平はリー氏が赤道直下の小さな島に築いた経済的奇跡を見るために1978年にシンガポールを訪問することになった。

■中国共産党の究極の目標

 鄧小平が1970年代終盤に伝統的な毛沢東主義を放棄して以来、中国の指導者たちは「管理された民主主義」ないし「慈悲深い独裁」というシンガポールモデルに魅了されてきた。多くの政府高官は長らく、そのような制度が共産党の究極の目標であるべきだと感じていた。

 過去数十年間にわたり、共産党幹部の団体が毎年、視察旅行のためにシンガポールに飛んでおり、両国の商業的関係は常に緊密だった。

  • 前へ
  • 1ページ
  • 2ページ
  • 次へ
小サイズに変更
中サイズに変更
大サイズに変更
保存
印刷
リプリント
共有

【PR】

【PR】

Financial Times(翻訳) 一覧

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

リー氏が入院していた病院前は花やメッセージであふれた(21日)=ロイター

ロイター

[FT]中国を魅了したリー・クアンユー氏の「独裁」

 広東省出身の曽祖父を持つリー・クアンユー氏は、シンガポール首相として初めて中国を訪問した際、中国側のホストに対して家族が抱いた印象について…続き (3/25)

韓国の朴槿恵大統領(左)と握手する中国の習近平国家主席(2014年11月10日、北京)=共同

共同

[FT]韓国、強大国・米中の板挟みに

 「鯨同士のけんかで海老の背中が裂ける」とは韓国人が時折悲しげに口にすることわざだ。世界の強大国の間で身動きがとれなくなっている韓国の窮状に言及するのによく用いられる。…続き (3/24)

国民戦線のルペン党首。選挙日を迎え記者会見を開いた(22日)=AP

AP

[FT]欧州、大衆迎合政党の勢いに陰り(社説)

 今年初めにギリシャの総選挙で急進左派連合が勝利を収め、一部の人々は、その勝利が欧州全体にポピュリスト(大衆迎合派)政党の影響力を高める先駆けになるだろうとみなした。…続き (3/24)

新着記事一覧

最近の記事

【PR】

リーダーのネタ帳

モバイルやメール等で電子版を、より快適に!

各種サービスの説明をご覧ください。

TwitterやFacebookでも日経電子版をご活用ください。

[PR]

ページの先頭へ

日本経済新聞 電子版について

日本経済新聞社について