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2015-03-24

SF全集に「一九八四年」を入れたら、オーウェル遺族が「心外」と怒った話―もし「日本ラノベ全集」ができたら…

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日本SF・幼年期の終り―「世界SF全集」月報より

日本SF・幼年期の終り―「世界SF全集」月報より

より、森優氏の文章。元は「SF全集編集後記から孫引きしたもの。

文学SFの代表作品としてオーウェルの「一九八四年」を選んだところ、今だから言えるのだが遺族の夫人から「SFの全集に入れられるのは心外」という抗議が来た現代文学としてのSFについて汗だくの説明につとめ、やっと納得してもらったが、こうした偏見を打破することもこの全集を出す意義と目的の一つでもあったのだ…

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

といえば、今ではSF金字塔であることを疑う人もいまいが、当時は「カ、カテエ…まるで溶岩石のように凝り固まったオーウェル夫人のアタマ!!」だったのだ。


自分は【創作系譜論】というか「はじめて物語」のひとつとして、戦後SF黎明史がそもそも大好きだけれども、この本は「世界SF全集」月報をまとめただけあって、そういう話を臨場感を持って読むことができる。

手塚治虫が書く小松左京スケッチ平井和正の「人類公害だ」という意外な悲観主義、昔は阪大柔道部主将だったという眉村卓(七帝柔道??)、スペースオペラが大嫌いだったのに、SFマガジンの部数減でやむを得ず載せたら効果てきめん、SFマガジンが売れ始めたときの福島正実…そんな風景が楽しめるのが「日本SF 幼年期の終わり」でした。


んでさ、今ハヤカワ?それともカドカワ?あたりが、ライトノベルへの偏見を打破するとして、「ライトノベル全集」の発刊に踏み切るとするでしょ。その選定と、収録のための交渉を今やってみたら、そういうSF全集の苦労をテン年代に再現できるかなあと。

最初に銀英伝は入るか。宇宙皇子は入るか。