誰でも知っている祝日だったり、あまり知られていない業績だったりする Googleの記念日ロゴ Google Doodle の話題。
本日3月25日の謎の機械と肖像は、スコットランドの発明家ジョン・ロジー・ベアード John Logie Baird による「機械式テレビジョンの実演成功 90周年」でした。イラストはベアードの開発した初の商用テレビ受像機「Televisor」 を象っています。
テレビの発明には電信の応用からカラーテレビまでさまざまな方式や技術があり、多数の発明家や科学者が関わっています。スコットランド出身のベアードは1925年に機械式のテレビ装置を使い世界で初めて動く映像を電送したこと、また1928年には世界初のカラー電送に成功したことが広く知られる業績です。
Google が記念日として選んだ3月25日は、1925年にベアードが機械式テレビ装置を使い、ロンドンのデパート Selfridges で実演に成功してから90年にあたります。
ベアードが初期に開発した機械式テレビジョンとはどのようなものだったかといえば、また別の発明家パウル・ニプコウが考案したNipkow Disk を用いています。ニプコー円盤とは回転する円盤に螺旋状の穴を開けた仕掛け。
回転する円盤上に画像を投影して穴ごしに光センサを置くことで、2次元の画像を一次元の明るさ信号に変換する「画像走査装置」の役割を果たします。ディスク上に開けられた穴の数がそのまま走査線数になる仕組みです。また信号を明かりに変換してディスクごしに覗くことで表示装置も兼ねていました。具体的には現物を収蔵する博物館の解説や、下の動画をどうぞ。
イラストのTelevisorでは中央がディスク、右端の窓がテレビ映像つまり回るディスクの穴を通した光を覗く窓部分。
なお日本でテレビの発明としてよく知られる「イ」の映像を送ったのは、「日本のテレビの父」として知られる高柳健次郎。こちらは1926年に、走査側をベアードのような機械式のニプコー円盤、表示側に電子式のブラウン管を用いた実験を成功させています。
追記: 日本時間の朝の時点で、なぜかウェブではDoodleではなく通常の Googleロゴに戻っています。モバイルアプリでは今のところまだテレバイザーのまま。理由は未詳ですが、日付に異説でもあったのかもしれません。