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【社会】

沖縄 孤立させない 辺野古問題 街頭アピール

 東京・渋谷から沖縄へ連帯を示そう−。二十四日夜、米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古(へのこ)への移設反対を訴えた街頭アピールに、首都圏の市民も集まった。「日本のゆがみを押し付けている」「無関心ではいられない」。四人に思いを聞いた。(加藤益丈、安藤恭子、鷲野史彦)

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 「沖縄のきれいな海に、基地を造るのは許せない」。牧師吉田慈(しげる)さん(29)=神奈川県大和市=は、辺野古の海での抗議活動を手伝うため、昨年十月に船舶免許を取った。

 知人の誘いで沖縄を訪れたのを機に昨年夏、現地の抗議活動に初めて参加。抗議船の船長として今年も四回、海上から工事中止を訴えた。

 地元大和市に米海軍厚木基地があり垂直離着陸輸送機オスプレイが飛来する。「首都圏の人は離れた沖縄の問題と思っているかもしれないが、神奈川にだってヘリが落ちる可能性はある。駄目なことは駄目と国に言わないといけない」

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 「国は暴力で、沖縄の人たちと美しい海を踏みにじっている」。辺野古沖で抗議船の市民らが相次いで拘束される事態に、会計事務所に勤める浅野佐知子さん(52)=さいたま市緑区=は憤る。

 沖縄の基地反対運動を描く映画を見て、辺野古に関心を持った。昨年十月、市民らが座り込みで抗議活動を続ける米軍キャンプ・シュワブのゲート前を初めて訪れ、温かな方言で歓迎された。

 「沖縄の人たちは、非暴力の弱さを力に変えて闘っている。基地建設の費用も私たちの税金。無関心ではいられない」と力を込めた。

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 「現状のひどさに声を上げないといけないと思った」。会社員の佐藤淳子さん(39)=東京都新宿区=は仕事を終えて駆けつけた。

 二十年前、沖縄の小学生の女児が米兵に暴行された事件が起き、基地問題に関心を持った。今まで「沖縄出身でもないのに、声を出すのは迷惑では…」と抗議活動に参加しなかったが、安倍晋三政権による集団的自衛権の行使容認などの動きに気持ちが変わった。

 「日本全体のゆがんだ部分を沖縄に押しつけ、戦争しやすい国に戻っているのが心配だ。これからはできるだけアピールに参加したい」

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 スマートフォンを手に、街頭アピールの様子をインターネット中継していたのは、会社員の足立英作さん(57)=東京都江戸川区。「安倍政権は、民意で選ばれた県知事を無視し続けている。せめて自分にできることをしたい」と話した。

 沖縄では昨年の名護市長選、県知事選で相次ぎ移設反対派候補が勝利し、衆院選でも県内全四小選挙区で、自民党候補が敗れた。「それでも意見が通らない世の中って、おかしいじゃないか」と危機感を持つ。「一地方の問題として切り捨てられてはいけない。政治が動く東京からも声を上げたい」

 

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