日本百貨店協会が発表した2015年2月の全国百貨店売上高(店舗数調整後)は、前年同月比1.1%増と、昨年4月の消費増税後初めてプラスに転じた。
上顧客は「爆買い」観光客
東京地区の伸びが5.3%増と大きかったこともあり、十都市平均では1.6%増と好調な伸びを示した。大都市圏を中心に消費が堅調だったことを伺わせる。昨年2月といえば、消費増税前の駆け込みで、その前の年の2月に比べて3.0%の伸びを記録していたから、それを上回ったということは、百貨店はかなりの繁忙状態だったことを示している。
だが、1年前と今年では、店舗の様子は大きく違った。中華系を中心とする外国人観光客が大挙して百貨店に押し寄せたのである。日本政府観光局(JNTO)の推計によると、2月の訪日外客数は138万7000人と、月間としては過去最高の人数を記録した。1年前に比べて1.6倍の外国人が押し寄せたのだ。
中華圏の旧正月休みが2月中下旬に当たったことから、中国本土からの旅行者が35万9100人と2.6倍に急増、これも単月としては過去最多の記録を大きく塗り替えた。台湾から1.5倍、香港から1.7倍、シンガポールから1.6倍と軒並み増えたのである。
こうした外国人旅行者の狙いのひとつが買い物。百貨店やアウトレット、ドラッグストアなどで、一気に買い漁る「爆買い」が話題になった。今や百貨店にとっても無くてはならない上顧客になっている。
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