■大多数は主流政党の運動を支持
中道左派政党と中道右派政党は、派閥内部の政策の違いをうまく調整できたときには(選挙で)よい結果を示すというのが1つの結論だ。フランスでサルコジ氏が成功したのは、国内の中道右派3党で共闘体制の連合を組んだからだ。それとは対照的に、中道左派諸政党は厳しい分裂状態のまま地方選に突入したため、オランド氏が率いる与党社会党は3位に甘んじた。
これらの選挙結果が示しているのは、欧州における二大政党政治の終えんが広く予測されていたにもかかわらず、大多数の市民は主流政党の運動を支持しているということだ。とはいえ、中道左派政党や中道右派政党が自身の立場をより強固なものにしたいならば、ポピュリスト政党にこれまで以上に真っ向から立ち向かう必要がある。FNやポデモスなどの政党のちぐはぐな経済的主張を暴かなければならない。また、人々の政治エリートへの幻滅感を減らしたいならば、彼らは過去の過ちに対する謙虚な態度を示す必要もある。
今後数週間のうちに始まるフィンランドと英国での選挙は、ポピュリスト政党の「真のフィンランド人」や「英国独立党」などの政党が反乱を推し進められるか否かを占うことになる。原油安や単一通貨ユーロの下落による欧州経済の成長の兆しは、ポピュリスト政党へのハードルが高くなっていることを示している。週末の選挙結果によって、欧州の主流政党は多少安堵するかもしれないが、特にフランスは、わずかでも現状に満足してはいけない。
(2015年3月24日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
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