塩崎恭久厚労相は24日、3月末に任期が切れる年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の三谷隆博理事長(66)を4月以降も続投させる人事を発表した。130兆円超の年金資金を運用するGPIFの組織改革を巡り厚労相と事務方の厚労官僚が対立。後任探しにも影響が出た形だ。新たなトップは2016年の新法人の設立に併せて民間から招く見通しだ。
GPIFは今は理事長が1人で意思決定できる仕組みだ。塩崎厚労相はGPIFが1人1票の合議制で重要事項を決められるよう、16年をめどに新たな特殊法人に移す改革を唱えてきた。新法人に移れば現法人の理事長はいったん地位を失う。今回の人事は1年程度の期限つきのトップの選定を意味し、当初から難しい人事だった。
今年に入り組織改革に積極的な塩崎厚労相と消極的な厚労省年金局の対立が表面化。「ゴタゴタのなかで理事長に就いてくれる人はなかなかいなかった」(厚労省幹部)
三谷氏は日銀理事などを経て、10年4月にGPIF理事長に就任。14年秋に資産構成の目安を見直し、株式などリスク資産への投資拡大にカジを切った。厚労相と事務方の対立の中でも中立的な姿勢を維持してきた。厚労相、年金局、首相官邸が支持できる唯一の案が三谷理事長の再任という形の先送りだった。
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