現代和風RPG開発日記2015[No.4847]

 確かに、そういうスピード重視のプレーを望むならば、少しでも操作が引っかかるとすぐイライラするに違いない。ただでさえ薄暗い部屋にこもって画面に目を近付けてゲームばかりやっていては、心身が健全でいられるとも思えないので、余計にイライラを増幅させてしまうだろう。
 各々に強いこだわりや信念を持っているのは察するが、せめて現実的な日常生活は失ってもらいたくないものである。作者としては、ゲームの世界観が静かなのんびりした田舎町なので、その速度に合わせてじっくりプレーしてもらいたいのが本音である。
 しかしながら、ヘビーなゲーマーでなくとも、現代人は皆多忙である。各種メディアが氾濫する現代社会において、一つの作品に多くの時間をかけることは極めて困難である。大体マルチENDやおまけ要素まで用意したというのに、操作性ごときで引っかかっているようでは全部プレーしてもらえるわけがない。こればかりは作者の責任が問われても仕方あるまい。

現代和風RPG開発日記2015[No.4846]

 通常歩行中に表示される画像やウィンドウの関連は、これで一通り工事が完了したことになる。とにかく今まではデフォルトの文章ウィンドウを使っていたことで、煩わしい決定キー操作や選択操作が強要されていた。ならば、今までの議論で散々改良の対象となっていた文章ウィンドウ自体に大きな問題があるのではないか? てなわけで、引き続いて今度はそれをすべて見直すことになった。
 そもそもこれは2000のデフォルトシステムの仕様自体に問題があるのか? というと、普通にプレーしている分にはそれほどでもないかもしれない。これに散々ケチを付けたがるプレーヤーというのは、短時間で数多くの作品をプレーしたがるか、一つの作品を隅々まで徹底的にやり込みたがる人達らしい。いずれにせよ、一言で表すとヘビーなゲーマーということである。

現代和風RPG開発日記2015[No.4845]

 戦闘アニメとして表示させるものは、今までウィンドウの顔窓に表示していたシンボルを流用した。1マス辺りの素材規格は顔窓が48×48で、戦闘アニメは96×96である。それを移植する際はど真ん中に配置したので、その周囲は透明色となっている。エフェクトの設定で拡大や縮小はいくらでもできるが、そこは別に等倍表示のままで問題無い。
 こうしてできた顔窓改め戦闘アニメだが、屋外~屋内の切替が発生した際、主人公の頭上に数秒間表示させてから自動的に消えるシステムが組まれた。勝手に表示されて消えるので、その間は黙って突っ立っていようが歩行しようがメニューを開こうが一切構わない。とにかく、「履物が変更されたぞ~」ということを操作性を損なうこと無くプレーヤーに知らせるのが目的なので、それは無事達成された。
 ところで、変更された装備の名前は具体的に表示されないのか? 今まではデフォルトにウィンドウで表示していたが、それは省略された。理由は単純に面倒だし、プレーヤーがそこまで知りたがるかどうかも微妙だからである。もし知りたければ、後でメニュー画面を開いて確認すればよかろう。別に戦闘アニメのコマを装備の数だけ用意すれば難しいことは無いのだが、もし余力があれば組むことにする。

現代和風RPG開発日記2015[No.4844]

 この履物変更システムの内部構造は改良不要だが、現状では操作性がよくない。それは改良前のフィールドと同じくデフォルトの文章ウィンドウを表示して告知しているためで、そこで決定キーを押さなければウィンドウが閉じないからである。
 ではここをどう改良するか? そもそもこの告知は、屋外~屋内の切替時に必ず出すとは限らない。それは各ミッション完了時に食堂で報酬を受けた時点では外履だが、その後自動的に屋内の部屋へ戻ることになり、そこでは無音で強制的に装備が変わっているからである。ならばいっそのこと、「主人公の居るマップに応じて察しておくれ」と告知を廃止するのはありかもしれない。だがそれも何だか不親切な気がするのである。
 結局ここでは、決定キーを押す手間さえ省けば、操作性が損なわれることは無い。ならば先にフィールドの改良でも用いた小さなウィンドウを自作して、戦闘アニメで一時的に表示させれば告知はできるだろう。

現代和風RPG開発日記2015[No.4843]

 続いては、屋内~屋外の移動における足装備(履物)の自動変更システムである。洋風世界では自宅の中だろうが土足でズカズカ上がるようだが、日本人にとって外国人が家の中でもずっと靴を履いたままというのでは、足や靴の臭いがいかほどになるのやら!?ちょっと想像しがたいものがある。今日は帰りの通勤電車の中でどこからともなく床から異臭が漂っていたのだが、もし外国に行ったならばこういう臭いが普通に漂っているのか? と思うとついぞっとしてしまうのである。その後帰宅して靴を靴下を脱いだら、春になって気温が上がったせいもあるが、毎日取り替えてていてもやっぱり相当汗臭かった。やれやれ…変な話題で大変めんぼくない。
 てなわけで本題に入るとする。「月影の駅」のマップでは、RPGツクール2000のデフォルトシステムで組まれているにもかかわらず、座敷では靴(外履)を装備することができない。その代わりスリッパや上履きが屋内専用の装備として用意されている。その切替の境界点は玄関だが、切替時にそれまで履いていた装備は記憶され、再び移動した際にそれを自動的に履き直すシステムが組まれている。

現代和風RPG開発日記2015[No.4842]

 フィールドマップ上の改良工事は、以上の2つでひとまず完了となった。現時点で他に議論になっているのが、斜めの道路を滑らかに移動できないものか? というものである。市内の道路を遠回りしても主人公が疲れるシステムは組んでいないので、そこを避けて縦横方向の道路だけ通っていれば特に煩わしくもない。さて、果たして実現するかどうか?
 ツクールのデフォルトシステムでは歩行グラも移動も縦横4方向しかないので、もしそれを実現させるとなると、またしても並列処理で自作するしかない。今までの2つも並列処理を用いていたが、いずれもイベント発生始点で停止している場合にのみ発動するので、移動中はそれらの並列処理が行われることはない。それならばPCの負荷を重くを考える必要は無かろう。
 てなわけで処理上は特に問題無いのだが、本音を言うとこのシステムは結構面倒臭いものがある。よって、まずは他の改良必須な箇所から先に片付けて、その後に余力があれば組むかもしれない…としておく。

現代和風RPG開発日記2015[No.4841]

 自動的にウィンドウが開いている時間はいかほどにするか? 制御文字では最短1/4秒から設定できるが、その値で決まった。おいおい、そんなに短かったらウィンドウの文字を読む間も無いではないか!?誰もが疑問に思うだろうが、デフォルトシステムのウィンドウをサブキーで表示させるという制御自体が無理矢理なので、ここを長くすると具合が悪い。故に、この値はテストを繰り返した果てに出た結論である。
 ならば文字を全部読みたければ、何度もサブキーを連打しろというのか? いや、それでは操作性が根本から損なわれてしまう。結論から言えば、サブキーを長押ししている間はウィンドウが開きっ放しとなる。あのデフォルトシステムの文章ウィンドウでそんな制御ができるのか~…と意外に思うかもしれないが、実は少々反則気味な制御をしている。
 そのからくりを明かすと、長押ししている間は、ウィンドウが瞬間的に開いたり閉じたりしている。それを並列処理でひっきりなしに繰り返しているから、ずっと表示されているように見えるだけなのである。故に、ウィンドウは静止して見えていても、中の文字は明らかにちらついてしまっている。そればかりは無理矢理なシステムの代償なのだが、所詮おまけ要素なのでスルーとなった。

現代和風RPG開発日記2015[No.4840]

 サブキーを押したかどうかの判定は、並列処理で「キー入力の処理」を行うしかない。もちろんキー入力を待たないで、サブキーのコードである7が変数に格納されたら、即座にウィンドウを表示させればよい。だけどウィンドウを閉じるにはどうする? 通常は決定キーを押すしかないが、それだと場所移動シンボルと重なっている地点ではキーがかぶってしまって具合が悪い。デフォルトシステムのウィンドウを使い回していること自体に無理難題があるのだが、ここでは代替手段を考えなければならない。
 そもそも決定キー以外の操作では、開きっ放しのウィンドウを意図的に閉じることはできない。キー操作に無理があるとなると、開いたウィンドウは自動的に閉じるしか有効な方法は無いだろう。ウィンドウ内のテキストには制御文字の機能があり、それで表示時間の設定や強制的に閉じる制御は可能である。これを使えば、サブキーを押して開いた文章ウィンドウを数秒で自動的に閉じることはできるだろう。

現代和風RPG開発日記2015[No.4839]

 さて、実際残すと公言したはいえ、改良工事は結構厄介なものがある。まずは画像をどうするかだが、従来の文章ウィンドウでは案内標識としてのリアリティーに欠けることから、場所移動と同じく戦闘アニメで新たに素材を作る計画が持ち上がった。だが、所詮はおまけでしかないので、わざわざそこまで手間をかけることもあるまい。おまけにあまり懲り過ぎるのもあれなので、そこは従来通り文章ウィンドウを表示させることになった。
 ならばウィンドウ自体はそのまま使い回すとなると、操作方法と表示の出し方をどうするかである。デフォルトシステムの文章ウィンドウは、通常の操作では決定キーを押して表示して、決定キーで閉じる。とはいえ、これをそのまま使うことができなくなった。その理由は、場所移動と標識とが重なる座標であっても、1回の決定キー操作で即刻場所移動が発動してしまうからである。
 そこだけ例外的に別の操作にするのでは違和感があるので、ここは別のキーを代用して統一性を持たせるしかない。矢印キーはマップ上の歩行、キャンセルキーはフィールド上だろうとメニュー画面の呼び出しで使われるから、残るはサブキー(Shift)しかないか…。現時点で使われていないので、とりあえず都合は良い。

現代和風RPG開発日記2015[No.4838]

 続いての改良工事は、フィールド上で交差点や橋を調べると案内標識が出るが、それをどうするかである。
 これらはゲーム進行上は特に意味の無いウィンドウだし、場所移動のシンボルと同一地点にあると、余計の操作が煩わしくなるのが現状である。かくして、操作性を重視するならば、いっそのこと廃止してもよい。むしろ不要論の方が正論かもしれない。
 とはいえ、これらの位置付けは、若林の町に居る感覚を持たせる演出として用意されている。もしRPGにおいて、町の住民の会話や演出にメインシナリオの進行上不要なものが一つでも含まれていたとして、完全否定でクレームを付ける人間が居るならばどうする? それが一般論というならば、架空世界の設定そのものがバカバカしくなって創作意欲も失せるだろう。そしてプレーヤーの立場になれば、事務的な戦闘を繰り返しながらお遣いをこなす以外にやることが全く無いRPGというのは、どうにも”プレーさせられている感”が強くて楽しめないのである。
 当局で開発する創作の舞台は常に架空国家の月本国なので、その世界観無しに完成はあり得ない。現状では操作性が損なわているので改善は不可欠だが、あくまでおまけ要素に過ぎないので、強制的にウィンドウを出すのでは具合が悪い。そこは架空世界をじっくり楽しみたいプレーヤーだけが見られるように改良することになった。
管理人

ごとりん

  • 著者:ごとりん
  •  現実的世界観のRPG開発と普及を目指して、日々の生活で戦闘を続ける貧乏クリエーター。このブログの毎日更新が途切れない限り、無事に生存しているものと関知して下さい。
Simulation Country GAPAN 月本国


現代和風RPG「月影の駅」
 RPGツクール2000製フリーウェア。駅から始まり駅で終わる人間模様。オトナのドライな難易度につきお子様は十分御注意あれ。

「Made in GAPAN 歩 ~Ayumu~」
 2D-RPG向け歩行グラフィック合成ソフト。当局開発の32規格8方向部品セット他、一般的な部品セットも利用可能。各使用環境に合わせた既存素材の組み直しや、顔グラ等の合成もOK。
(上記の管理人画像はこれで合成したものです。)

 「月本国」では、2D-RPG向け現代和風素材の無償配布の他、開国(平成13年12月16日)~平成17年2月28日までの過去ログ「旧月本国政府広報」を扱っています。
 又、連載物「RPG制作雑記」「徒然なる200x裏技集」(↓のカテゴリーで★が付いているもの)等のwardファイル版過去ログを扱っています。このblogの過去ログが読みにくい場合は是非御利用下さい。
ブログ内検索
カテゴリー(★:「月本国」にward版あり)
カレンダー
02 | 2015/03 | 04
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
月別アーカイブ
最近のコメント
最近のトラックバック
リンク
RSSフィード