はじめに
結論
背景
【iPhone 6販売開始】まずiPhone 6が全世界で売り出されたのが、昨年(2014年)の9月19日です。日本でもドコモをはじめとする大手キャリアが販売すると共に、アップルストアからもSIMフリー版が売り出されました。 このSIMフリー版については中国でも使えるため、当初は転売目的で中国の業者の買占めが横行しましたが、10月に中国本土でも売り出しが決定し、日本での買占め騒動はひとまず収束しました。 【中国販売開始】そして翌月の10月17日に、中国本土でもiPhone 6の販売が開始されました。驚く事に、初日の3日間で予約台数が2,000万台を突破したとの事です。 iPhone 6の10月~12月の全世界の販売予想台数が6,200万台(実績7,450万台)ですから、いきなりその1/3の数量の発注が舞い込んだのです。 これがいかに突出した販売台数か分かると思いますし、Appleの慌てぶりも想像できます。 一昨年(2014年)は新興国用として廉価版のiPhone 5cを用意しましたが、中国人が求めていたのはステータスシンボルとなるiPhoneの高級機だったのです。 なかでもiPhone 6plusの引き合いが予想外に多く、当然ながら一部の部品の生産が間に合わず、供給が追い付かない状況が続いた模様です。 【中国での販売価格】そしてもう一つ興味深いのは、中国におけるiPhone 6の販売価格です。中国におけるiPhone 6の販売価格は5,288元から7,788元(日本では67,800円~11,1800円)ですが、それを円建てで計算すると何と10万円~15万円になります。 という事は、その価格差は3万円~4万円、率にすると何と50%~35%にも達します。 なぜここまで日本と値段が違うかですが、その要因の一つは2014年末の急激な円安です。 上のグラフにあります様に、2014年9月の時点では1元17.5円だったものが、12月に入って一気に19.5元に跳ね上がっています。 この要因もあり日本では一度iPhone 6値上げしているのですが、それでも中国で買うiPhone 6の値段は、日本で買うより3~4万円、率にして3割~5割も高くなるのです。 にも関わらず、以下の表にあります様に昨年10月~12月の中国の売上は、日本の3倍以上もあったのですから驚きです。 上の表をグラフにして見ると、従来は中国の売り上げは日本の2倍ほどだったのに対して、2015 Q1(黄緑の棒)は、日本での売り上げが54億ドルだったのに対して、中国の売り上げは何と3倍の161億ドルに達しています。
【アップル経営会議】当然この情報は経営者にも伝わった事でしょう。iPhone 6に限らず、今の時代においては売れるときに売りまくるのが鉄則です。 ではどうするか? となると、ベンダーの増産の圧力を掛けると共に、当然どこかに中国に回せる在庫が無いか調べます。 そこで行き着いたのが、日本のSIMフリー機です。 円安に伴い、iPhone 6の価格を更に上げる手もあるでしょうが、大手キャリアとの契約もありそれも難しい。 SIMフリー機の値段を更に改定する手もあるが、それでは日本で買い手はいない。 ならば販売を中止して、在庫を中国に回そう。 そうすれば転売業者によって中国で売られる事もなく、本来アップルが受けるべき利益をみすみす転売業者に持っていかれる事はない。 おまけに日本にはまだ売れ残ったiPhone5SのSIMフリー機があるので、これらの在庫一掃にもなる。 一石二鳥どころか、一石三鳥、一石四鳥のメリットがある。 また販売中止に関するアナウンスも、中国市場を優先するためと言える訳がないので、だまって販売停止にしてしまおう。 被害を蒙るのは大手キャリアと契約できない一部の一般大衆だろうから、まとまったクレームにもならない。 また大手メディアは広告代理店経由で圧力を掛ければ、報道される事もない。 また民間企業が商品販売をアナウンス無しで停止する事は、法令上全く問題ない。 社員にも理由を説明しないで、直ちに日本での販売を止めてしまおう。 全て憶測ですが、あながち外れてはいないと思いますが、いかがでしょうか? 【iPhone 6 SIM フリー販売中止】そして2014年12月9日に寝耳に水の販売中止です。 【総務省、SIMロック解除の義務化を発表】2014年12月22日、以前から懸案になっていた携帯端末のSIMロック解除に関して、総務省が新たなガイドラインを公表しました。 それによれば、2015年5月以降にキャリアが販売する端末において、ユーザーの要望により無料でSIMロックに解除に応じる事としています。 一部ではiPhone 6 SIMフリーが販売中止になったのは、このSIMロックに解除の義務化が影響しているのではないかと言われていますが、これは販売中止後の発表です。 また確かにそれ以前からSIMロック解除の流れはありましたが、それがSIMフリーの販売を中断させるほどのインパクトはありません。 【決算発表】そして翌年お2015/1/28に行われた、2015年第一四半期(2014年10月~12月)決算発表です。はじめにでも述べました様に、この3か月で民間企業における過去最高益を記録したとの事です。 具体的には、2012年第二四半期にエクソンモービルが打ち立てた最高益である159億ドルに対して、アップルは180億ドル(約2兆円)の利益を上げました。 もっと分かり易く言えば、この数十年の業績で世界一儲けた企業という事です。 売り上げが746億ドル(約9兆円)ですので、単純計算で利益率は24%もあります。 またこの発表を受けてアップルの株価が5%も上がった事から、市場の予想以上の好決算であった事が伺えます。 なおiPhoneの販売台数は7,400万台で、予想より1,200万台多かったとの事です。 驕れる者は久しからずや。 【シャープまたも赤字に転落】2015/2/17、経営再建中のシャープが、通期で再び最終赤字に転落すると発表しました。昨年10月に発表した2015年3月期の決算見通しは、売上高2兆9000億円(前期比1%減)、営業利益1000億円(同8%減)、当期純利益300億円(同2.6倍)でしたが、一転して300億円の最終赤字に転落するとの事です。 主力製品のスマートフォン用のパネルが、政府の支援で立ち上がったジャパンディスプレイ(JDI)激しい価格競争にさらされ、採算が悪化したとの事です。 という事は、これで一番得をしたのはAppleなのは間違いありません。 部品供給元のベンダーが大損して、依頼元は大儲けする。 決して好ましい姿ではありません。 【Apple時価総額7000億ドル超】この話はまだ続きます。2015.02.10、この日のアップル株は1株当たり122ドル(約1万4570円)で引けて、米国企業として初めて終値で7,000億ドル(84兆円))を突破したのです。 また日本の国家予算が96兆円ですので、この84兆円がどんなに凄い金額か分かって頂けると思います。 何が言いたいかと言えば、まさに一人勝ちで我が世の春を迎えていたという事です。 この勢いを止められるのは誰なのでしょう? 【キャリアからの圧力?】2015年3月、未だにSIMフリー機の販売は再開されません。 さすがに大人しい日本のユーザーも、SIMフリー機が販売されない事に苛立ちを強めています。 中にはキャリアがAppleに圧力を掛けたのではないかとの憶測も飛びだしますが、それはあり得ない話です。 なにしろ大手キャリアは、Appleの過度の要求を呑んでiPhoneを売らせて貰っているのですから。 実際、大手キャリアのカタログやHPを見ると、なぜかiPhoneだけは見開きの先頭頁に記載され、他社とは明らかに別格の扱いを受けています。 またiPhoneのみ、キャリアのロゴがどこにも書かれておらず、リンゴマークが堂々と鎮座しているのです。 大手キャリアが全て、自発的にこの様な超優遇をiPhoneに対してのみ行うでしょうか? そんな日本の大手キャリアが、今のAppleに圧力を掛ける事など、夢のまた夢の話です。 まとめ
予想
予告
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