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 2013年8月、三重県朝日町の空き地で、同県四日市市の中学3年の女子生徒(当時15)が遺体で見つかった事件で、強制わいせつ致死などの罪に問われた少年(19)の裁判員裁判の判決が24日、津地裁であり、増田啓祐裁判長は懲役5年以上9年以下(求刑懲役5年以上10年以下)の不定期刑を言い渡した。

 判決によると、少年は13年8月25日午後11時ごろ、朝日町埋縄(うずなわ)の路上で、わいせつ行為をしようと、通りかかった女子生徒の背後から鼻と口を手でふさぎ、そのまま近くの空き地に連れ込んで窒息死させたうえ、現金約6千円を盗んだ。

 増田裁判長は「危険を認識しながら、相当強い力を加えて執拗(しつよう)に鼻と口をふさいだ。犯行態様は悪質」と指摘。また、弁護側が求めた家裁への移送については、「暴行態様の危険性からすれば、刑事処分が相当」と結論付けた。

 少年は公判で、事件当時の状況について「覚えていない」などと繰り返した。判決文を読み終えた増田裁判長は「残念ながら、裁判官と裁判員には、あなたが事件にきちんと向き合っているようにみえなかった。他人の痛みがわかる人間になって欲しい」と述べた。

 一方、判決を受け、女子生徒の遺族は少年側に対し、「損害賠償命令制度」を利用して約1億円の損害賠償の支払いを求める手続きに入った。原則4回以内の審理で損害賠償額が決められるといい、少年側は争うとみられる。