これまでの放送
私たちは、出家をあっせんするブローカーの1人が関西にいることを突き止めました。
たどりついたのはオフィスビルの一室。
看板の出ていない部屋が活動拠点でした。
ブローカーは、経営が行き詰まった寺などを多重債務者に仲介することで、多額の報酬を得ているといいます。
話:ブローカー
「壇家さんの少ないところがあるんですよ。
法事・法要をするときに入ってくる収入がまず減ります。
お金が回らないですよね。
となれば、僧籍を取得させる代わりに、見返りをもらうと。
ビジネスが成り立つ。」
ブローカーのもとには、多重債務者の訪問が後を絶たないといいます。
私たちが取材したこの日も、数百万円の借金を抱えた男性が現れました。
多重債務者
「ちょっと金融の方が苦しくなりまして、こちらさんにさえ来れば、もう一度やり直せると伺って来たもので。」
ブローカー
「何件ぐらい?」
多重債務者
「もう7~8件つまんで、もうこれ以上は首つるしかないというとこまできてますけども。」
ブローカー
「まずは別人になるっていう方法があります。
こちらの方でピックアップしたお寺で、得度しましたと申請すれば、名前が変わります。
少しね費用がかかりますけど、50万円前後。
極力早いほうが…。」
記者
「犯罪につながる認識は?」
多重債務者
「もうカードも作れないですし、ローンも組めませんし、生きていくためにしかたがない。」
多重債務者を出家させ融資をだまし取る、出家詐欺。
宗教法人を悪用した巧妙な手口が、水面下で広がっている実態が明らかになりました。