「止界術」をめぐる戦いの中で、主人公の樹里を中心とした家族のあり方が描かれる。
主人公・樹里の持つ特殊能力。人間の体内に入った「
—— 『刻刻』の主人公の樹里は、すごく強い女性ですよね。物語の結末も、その樹里の女性としての行動によってもたらされます。もともと、女性を中心に描くことにこだわりがあったんですか?
堀尾省太(以下、堀尾) いや、ぜんぜんそういうのはないんですけど……。ただ、動く前にいろいろ考えて、動けなくなるような人間って、マンガの主人公に向かないと思ったんで、ああいう決断力のあるキャラクターにしました。
それがなぜ女性だったかというと、女性という自分とはまったく別の生き物に設定することで、自分だとやらなそうな思考や行動を、割り切ってさせられると思ったんです。
—— なるほど。物語の途中から樹里やその甥の真が特殊能力を発揮しますよね。こうした設定は最初から考えてたんですか?
堀尾 後から考えたような気がするんですけど、今読み返すと、最初から設定としてあったような気もするし……。
—— 後から設定を足していくことに、描き手として不安はないですか? 「ご都合主義に見えないか」とか。
堀尾 それはありますね。でも、話を進めるためにはもうそうしなきゃいけなくなったというか……(苦笑)。
担当 昔は、マンガの中で偶然や都合のいい「魔法」は1回、ないし2回までしか使っちゃいけないって言われてたんです。でも、最近は何度か「魔法」を被せても読者に許されるようになってきた感じがあります。それに、堀尾君は画力もあるし、人物描写がすごく緻密なので、そこはカバーできるだろうと思ってました。
堀尾 僕としては、設定が変わっても、キャラクターそれぞれの考え方を尊重することだけには、こだわっていました。樹里が真のために決断するように、「誰がなんのために動くのか」っていう部分を大事にした、というか。
—— そうした人間のドラマがありつつ、「
「神ノ離忍」は、時間の止まった世界「止界」の秩序を守るために存在するとされる。(『刻刻』3巻 )
—— この作品の中で一番、現実離れした存在ですが、見た目もすごいですよね……。
堀尾 これは、いろんなもののイメージをくっつけて作っているんです。『機動戦士ガンダム』シリーズのビグザムとか、ノイエ・ジールとか……。あと、宮﨑駿さんの原作マンガの方の『風の谷のナウシカ』の、あの巨神兵の質感だけを借りたり。樹木っぽいところは、『天空の城ラピュタ』のラピュタですね。ラピュタって、1本の巨大な樹のような形をしてるじゃないですか。
—— 確かに、その全部にどことなく似てる! 物語の中盤で、樹里たちと敵対する佐河が……
【未読の人は注意! ここから終盤のネタバレをします!】
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