倒産・動向記事
2015/03/23(月) | 公共交通機関 土佐電気鉄道株式会社など2社 特別清算開始決定受ける 負債39億8000万円 |
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「高知」 土佐電気鉄道(株)(資本金4億9500万円、高知市桟橋通4-12-7、代表清算人松浦政志氏ほか1名)と、高知県交通(株)(資本金2億4200万円、高知市一宮南町1-15-18、代表清算人鈴木憲二氏ほか1名)は、3月11日に高知地裁より特別清算の開始決定を受けていたことがわかった。
土佐電気鉄道(株)は、1903年(明治36年)7月創業、22年(大正11年)8月に法人改組した旅客運送業者。高知市内を中心に県内一円をカバーする路線バスの運行をベースに大都市圏への貸切バスなどの自動車運送部門と、南国市後免から吾川郡いの町を結ぶ路面電車を運行する軌道事業部の運営を軸に、高速道路のサービスエリア等での物産小売りや自動車整備を手がけていた。
高知県交通(株)は、1944年(昭和19年)7月に設立された一般旅客自動車運送業者。県内で路線バス運行を主体に事業を展開してきたが、利用者の減少などで業績の低迷が続き、不採算路線の廃止などにより事業を継続してきた。
両社は、高知県の公共交通機関を担ってきたが、マイカーの普及や高速道路網の整備などによるアクセスの向上などで近年は業績の低迷が続き、土佐電気鉄道(株)の2014年3月期の年収入高は約38億6400万円、高知県交通(株)の同期の年収入高は約20億3000万円にとどまり、赤字体質から脱却できない状況が続いていた。この間、高知県などが中心となって長年にわたり公共交通問題として経営統合が協議されていたが、土佐電気鉄道(株)のコンプライアンス問題などを契機として合意に至った。2014年10月1日に両社の事業は会社分割方式にて地方公共団体が出資する「とさでん交通株式会社」に譲渡され、両社は2014年11月に解散し、整理を進めていた。
負債は、土佐電気鉄道(株)が約12億1000万円、高知県交通(株)が約27億7000万円、2社合計で約39億8000万円。