4月に全国で一斉に実施される、2015年統一地方選挙。この統一選で実施される選挙のうち、今回は「大阪都構想」の成否と合わせて注目度の高い、大阪市議選の選挙情勢について分析した。
なお、この分析は、現時点(3月23日時点)でのデータや政治・選挙区情勢などをもとに導き出したものであり、投開票日までの情勢変化により大きな変動があり得る。そのことを予め断っておきたい。
自公協力、市議選では機能せず?
維新第1党は変わらず、自公で第2党争い 共産は伸長か
なお、この分析は、現時点(3月23日時点)でのデータや政治・選挙区情勢などをもとに導き出したものであり、投開票日までの情勢変化により大きな変動があり得る。そのことを予め断っておきたい。
「戦後最低の投票率」でも得票数トップを維持した維新
最も直近の選挙である昨年12月の総選挙で、維新は市内全24区全てで比例得票数トップだった。もちろん、市域全体でもトップである。当時は大阪都構想の行き詰まりが未解決で、全国でも大阪でも維新の大幅な勢力後退が噂されていた状況だった。更には戦後最低の投票率という、これ以上ない不利な状況の中での選挙でこの結果であり、この時の維新の得票数はもはや橋下氏が言うような「ふわっとした民意」による浮動票などではなく、維新の固定票と見るのが適切だろう。
そのことを念頭に、この3月に行われた都構想についての大阪市民に対する世論調査(共同通信)を分析してみると、都構想そのものへの賛否は拮抗していても関心は非常に高く、9割以上の人が住民投票で投票意向を有しているという。当然、その直前にある市議選でもかなり高い投票率となることが予想される。
そのことを念頭に、この3月に行われた都構想についての大阪市民に対する世論調査(共同通信)を分析してみると、都構想そのものへの賛否は拮抗していても関心は非常に高く、9割以上の人が住民投票で投票意向を有しているという。当然、その直前にある市議選でもかなり高い投票率となることが予想される。
また、同じ調査では、市議選の投票予定先は維新36%、自民16%、共産8%、公明7%、民主4%(四捨五入)の順だ。2011年の同時期(前回市議選の直前)に行われた市議選での投票意向調査では、維新28%、自民15%、公明11%、民主10%だった。つまり、数字から見れば、維新の勢いは「2011年大阪春の陣」当時よりも強いことが分かる。ちなみに、この時市議選で維新は33議席を獲得している。
自公協力、市議選では機能せず?
ここで、前回(2011年)の市議選やそれ以降の国政選挙・市長選挙での得票数などももとに、個別の選挙区での「戦況」を分析したい。
まず、自民から見てみると、複数候補を擁立したのは阿倍野区だけだ。前回は維新への移籍組を大勢出したタイミングということもあったが、今回もそれを引きずってかかなり控えめな擁立戦略と言える。候補者数全体で見ても24人しかいないため、仮に全員が当選しても過半数(44)には満たない。更に、24選挙区中住吉、旭、大正の3選挙区には候補擁立すらない。
まず、自民から見てみると、複数候補を擁立したのは阿倍野区だけだ。前回は維新への移籍組を大勢出したタイミングということもあったが、今回もそれを引きずってかかなり控えめな擁立戦略と言える。候補者数全体で見ても24人しかいないため、仮に全員が当選しても過半数(44)には満たない。更に、24選挙区中住吉、旭、大正の3選挙区には候補擁立すらない。
実は、この3選挙区には全て公明が候補を立てている。実質的に、自公協力が優先されている選挙区だと言える。この3選挙区を含め、自公が同士討ちにならない(=自公協力を妨げる要因が無い)区は、住吉、旭、大正、中央、浪速、天王寺、西、福島の8区のみだ。いかに組織政党公明党と言えども、支持者をモーセのように自民組、公明組ときれいに割り振ることは難しく、この8選挙区以外で実質的な自公協力は成立しないと見るべきだ。
そして、更に注目すべきは、この8選挙区の全てが「自公協力で維新が危うくなる」ような構図ではないことだ。これら8選挙区は全て、元から公明が立っていない区(=4年前も自公協力だった区)、あるいは過去4年間維新の集票数がズバ抜けてきた区ばかりであり、この8ヶ所での協力は対維新と言うよりもむしろ「自公が共倒れを防ぐための選挙協力」であると見るほかない。
自民・公明双方の掛け声はともかくとして、実際の構図から「徹底した選挙協力」という意図は読み取りにくい。
そして、更に注目すべきは、この8選挙区の全てが「自公協力で維新が危うくなる」ような構図ではないことだ。これら8選挙区は全て、元から公明が立っていない区(=4年前も自公協力だった区)、あるいは過去4年間維新の集票数がズバ抜けてきた区ばかりであり、この8ヶ所での協力は対維新と言うよりもむしろ「自公が共倒れを防ぐための選挙協力」であると見るほかない。
自民・公明双方の掛け声はともかくとして、実際の構図から「徹底した選挙協力」という意図は読み取りにくい。
維新は全員当選も視野の「リスク重視」型擁立戦略
自公は、此花や阿倍野では同士討ちになり、このうち一方に「犠牲者」(つまり落選者)が出る可能性が高い。公明は通常、全員当選を期して候補を擁立するが、今回は都構想住民投票までの妥協や、支持母体の動向から、取りこぼしの可能性も否めない。対自民以外でも、西淀川などで共産と最終議席を争い、結果公明が取りこぼしそうな選挙区もある。
自公は、此花や阿倍野では同士討ちになり、このうち一方に「犠牲者」(つまり落選者)が出る可能性が高い。公明は通常、全員当選を期して候補を擁立するが、今回は都構想住民投票までの妥協や、支持母体の動向から、取りこぼしの可能性も否めない。対自民以外でも、西淀川などで共産と最終議席を争い、結果公明が取りこぼしそうな選挙区もある。
一方の維新は、全選挙区に候補を擁立しているものの候補者総数が38(過半数44)のため、全員当選しても過半数には満たない。その意味では、過半数奪取を捨てて共倒れリスクを回避することを選んだ保守的な擁立戦略だと言える。
前回、維新が共倒れないし取りこぼし(複数候補を擁立して1人以上落選者を出したケース)を起こした9選挙区(福島、西淀川、東淀川、東成、旭、西成、住之江、平野、中央)のうち、完全に共倒れした西淀川をはじめ5選挙区では安全を期してか候補を減らしている。
逆に、取りこぼしがあっても候補者数が維持されているのは、いずれも1人以上当選できた東淀川、西成、住之江、平野の4選挙区だ。これらはいずれも定数4以上の大きめの選挙区であり「小さい選挙区では安全第一、大きい選挙区では少し積極的に」という加減の擁立戦略が透けて見える。
前回、維新が共倒れないし取りこぼし(複数候補を擁立して1人以上落選者を出したケース)を起こした9選挙区(福島、西淀川、東淀川、東成、旭、西成、住之江、平野、中央)のうち、完全に共倒れした西淀川をはじめ5選挙区では安全を期してか候補を減らしている。
逆に、取りこぼしがあっても候補者数が維持されているのは、いずれも1人以上当選できた東淀川、西成、住之江、平野の4選挙区だ。これらはいずれも定数4以上の大きめの選挙区であり「小さい選挙区では安全第一、大きい選挙区では少し積極的に」という加減の擁立戦略が透けて見える。
無論、候補擁立が過半数に満たないのは、立てたくても立てられない限界もあるはずだ。しかし、冒頭に記した通り、現時点での市議選投票意向では維新は前回を上回る勢いだ。追加の候補擁立も無くはないと見る向きもあるが、もしその場合に当選の可能性があるのは住吉と中央の2選挙区だ。一方、阿倍野などは維新候補の同士討ちのリスクが非常に高い。結果として、維新は追加で候補を擁立したとしても、過半数の確保はほぼ不可能な情勢だ。
維新第1党は変わらず、自公で第2党争い 共産は伸長か
全体として、維新第1党という状況は変わらず、自公で第2党を争う展開になるだろう。特に維新は、離党者が出た分を補填するように当選者が出て、見かけ上勢力が大きく伸びる可能性が高い。擁立戦略が前回より合理的であることから、全員当選(つまり前回を上回る当選者数)の可能性もゼロではない。しかし、仮にそうなっても過半数には届かない。
一方、自公協力は1人区の無い市議選においては掛け声はともかく実際には機能しない。公明は全員当選は難しいが、大きな勢力減は無い。民主党は現有勢力の維持は難しいが、共産党は維持ないし数議席分伸びる可能性がある。
一方、自公協力は1人区の無い市議選においては掛け声はともかく実際には機能しない。公明は全員当選は難しいが、大きな勢力減は無い。民主党は現有勢力の維持は難しいが、共産党は維持ないし数議席分伸びる可能性がある。
これらは、現時点でのデータや情勢をもとに分析したものであり、投開票日までの情勢変化により大きな変動があり得る。そのことを改めて断っておきたい。
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