こんにちは、ほそいです。
昨年、ネパールフェスという祭典にいった時のことです。
同行した友人が、屋台でこんなものを買っていました。
これはなにかときくと、「パニプリ」という食べ物らしい。
きいたことも見たこともない。
スナック本体も何なのかよくわからないけど、この紙コップになみなみと注がれた水は一体……。
写真ではわかりづらいけど、どんよりとしたモスグリーンなんですよ。ジャングルクルーズの水をもっと沼寄りにした感じ。
きくとこれは「パニプリ」という、インドのおやつだそうだ(ネパールフェスはインド料理の屋台も充実している)。
丸くて薄い揚げボールみたいなに穴が空いていて、中にじゃがいもや豆などの具が入っている。そこにこの水を注いで食べるらしい。
で、この不穏な気を感じる水はなんなんだ。ときくと、「タマリンドウォーター」と「チリウォーター」の混合だそうだ。
飲んでみると、酸っぱくて辛くてほんのり甘くておいしかった。見た目で損するタイプの水。
スナックに注いで、一口で口に入れる。
パリパリのスナックに包まれたじゃがいもや豆の歯ごたえに、酸っぱ辛い水がなじんで、口の中で「シャクシャク」の食感になる。
味のバランスもすごく面白い。
はじめは、水を薄いスナックの中に入れて漏れないかと心配だったし、合理的な食べ方の食べ物とは思えなかったが、食べてみるとちゃんと意味がある食べ方なのだなとわかった。
かっこいい。インド人のおやつって、ワザが利いているんだな。
意外な芸術性を感じてしまった。
そんなインドマニアの友人に同行してもらい、色んなパニプリがあるという西葛西のインド料理店「デリー ダバ」にきた。
置いてあるインド料理店もたまにあるけれど、ここはパニプリに特化している。
一体どんなパニプリがあるのか。
想像していたよりお洒落な店内。ランチバイキングの時間だったので、カップルや家族連れも多かった。パニプリを食べているお客さんは見あたらなかったけど。
メニューには色んな「プリ」が並ぶ。
「プリ」「プリー」とは揚げたパンやスナックのこと。
とりあえず上の3つのプリを頼んでみた。
1. パニプリ
「パニ」は水を意味する。
フェスのより上品な見た目のプリだけど、ジャングルクルーズの水の怪しさは健在。
ボールの中に水をたっぷりと満たし、まるごと口へ放り込む。
やっぱりおいしい〜〜〜!! 各パーツの複雑なコンビネーション。
このプリは直径が3.5センチくらいあり、口が縦に開きづらい私はぎりぎりだった。
一口でいかないといけないから、ちびっ子は食べるのに苦労するかも。
2. ダヒプリ
上のメニューではパニプリと同じ説明が書かれているけど、明らかに見た目がちがう。
友人によると「ダヒ」はヨーグルトのことらしい(なんでそんなに詳しいの)。
最初から中にヨーグルトがなみなみと満たされている。
スプーンにのせてそっと口に放り込む。この動作、身に覚えがあると思ったら、小籠包の食べ方だ。
ミントチャツネの緑と混ざって少し警戒する見た目だけど、味はというと、ヨーグルトが結構甘くてまろやかだった。
揚げボールのカリカリが生きていて、スパイス、たっぷりのヨーグルトと絡んで絶妙。
デザートの感覚もあるのでパニプリより女性ウケすると思う。
3. ベルプリ
(メニュー名はルプリーとなっているが、正しくはベルプリー)
このプリだけバラけてる!
玉ねぎ、トマト、ピーナッツ等と、ポン菓子がスパイスで和えられている。ポン菓子もプリに入るんですね。
これはプリの定義を忘れるほどに、ひとつのおいしいサラダだった。口の小さい女性にも食べやすい。
それにしても、ミントチャツネってスーパー調味料だなと思った。
プリだけ食べていたらカレーも食べたくなるのが人情。
プリの締めにカレーを食べたら、当然のようにうまい。今度はバイキングに来たい。
パニプリで腹を満たした私たちは、インド食材店に向かった。
「スワガット インディアン バザール」というお店で、よくテレビ等でも紹介されているそう。
ビルの2Fの一室に、スパイス、米、豆、お菓子、インスタント食品などがずらーっと並んでいる。入った瞬間から大興奮!
そして、安い!
普通に調味料などを選んでいたら、友人が「パニプリ売ってないかな」というので「さすがにないでしょー」といったら「たまにキットみたいなやつが売ってる時がある」と……。
ええ!
あった!
騒いでいたら、オーナーのプラサッドさんが中身を見せてくれた。
「これはインド人が家で食べたい時のためのセットだよ」
「パニプリは、インドのお祭りやビーチで必ず屋台がでて、インドの女の子は全員大好き。甘くて酸っぱいものが好きだから」
確かに甘酸っぱいものは女の子大好きだ。日本でいうと縁日のあんず飴あたりか。
いつか現地にいった時はパニプリに群がるガールたちを見てみたい。
このお店はみたこともない食材が沢山あって飽きないし、プラサッドさんの面白い話も聞けて良い。チャイまでごちそうになってしまった。
デリーダバで食べたミントチャツネも手に入った。
たくさん買ったらかわいい袋に入れてくれたけど、これ米の袋なんです。こんな米袋の国に住んでいたら捨てられなくて永遠に溜まりそう。
もちろんパニプリも小脇に抱えて帰ってきた。箱に入ってるとプラモデルみたい。
ぽこぽこしたパニプリ型のケースに入っているのがかわいい。
さすがに一度に30個は食べられないから、今度パニプリパーティーをしようと思います!
以上、インドのおもしろスナック、パニプリとその仲間たちの紹介でした。
プロフィール
ほそいあや
「猫を愛でることと虫を食べることが趣味」
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