コラム:世界的な「大きな力」が物価下押し、日銀2%目標にも影響
田巻 一彦
[東京 20日 ロイター] - 18日に声明を出した米連邦公開市場委員会(FOMC)後にわかったことは、失業率の低下を含む労働需給引き締まりにもかかわらず、成長率やインフレ率、政策金利見通しが引き下げられ、解明されていない「大きな力」が働いているということだ。
世界的な物価伸び悩みと長期金利低下を見れば、米だけでなく世界的な動きと言える。2年前に2%目標を掲げた日銀にとっても、達成までの「距離」が実質的に長くなった可能性がある。
<完全雇用接近で予想物価見通し下げたFRB>
2月の米失業率は約6年半ぶりの低水準である5.5%に低下し、FRBが完全雇用とみなす水準に接近した。しかし、イエレン議長が会見で「賃金の伸びはなお鈍く、景気循環的な弱さが長期化している」と述べ、過去の経験とは明らかに違った変調をきたしている。
また、FRBは成長率やインフレ率、政策金利見通しを軒並み引き下げ、完全雇用の下で展開されるだろう「右肩上がり」の景気拡大軌道とは違ったイメージを描いていることがわかった。
米国内で過去の経験とは違った大きな変化が起きている可能性があるが、学会や市場関係者からも、この点に関してまとまった論文やリポートは出てきていない。
FEDウオッチャーとしての経験が長いエコノミストの斎藤満氏は、背景に世界経済の減速があると指摘する。 続く...