教え子を読書に導きたい

いつも素敵な本をありがとうございます。
私は小学校の教員です。その立場から質問があります。
小学校では読書をすることを子供たちに働きかけています。自分から本を手に取り、どんどん読んでいく子供がいる一方、どうしても一冊の本に向かい合うことが苦手な子供もいます。
読書は、本来は、強制させられるものではない、個人的な部分が大きいと思います。ただたくさんの本を読んで欲しいという願いもあります。
そこで質問です。どうしたら苦手な子供たちが進んで本を手に取るようになるでしょうか。何かいいアイディアがあれば教えていただけたらと思います。
それでは、お身体にはお気を付けて。新刊、楽しみにしています。
(どんくん、男性、35歳)

小学校の先生として、一人でも多く本好きの子供を育てたいという気持ちはとてもよくわかります。本を好きになるというのは素晴らしいことです。ただ世の中にはディスレクシア(識字障害・読字障害)を抱えている人も少なくないし、そういう人たちに強制的に本を読ませるのは、たぶん拷問に等しいことだろうと思います。やはり読書というのは、自発的におこなわれるべき行為ではないでしょうか。ある程度読書を勧めて、でもどうしても本が好きになれないという子供たちには、好きなことをさせておく方が良いと思いますよ。繰り返し言っていることですが、人口全体の5パーセントが本当の本好きであれば、世の中はなんとかなっていくものです。

村上春樹拝