無要の葉

振り上げた正論(つるぎ)は切り裂くためじゃない

お手紙

 id:font-daさんからお手紙が来たのでお手紙書きます。

 

d.hatena.ne.jp

 

 まず、今回の件は迂闊に「ネトフェミ」という言葉を使ったことがいけませんでした。これはフェミニスト全体の印象を下げる働きもありました。そのことに関しては申し訳ないと思っています。女性解放、男性差別セクシャルマイノリティーに関する話題は個人的でセンシティブな部分であり、フェミニズムを揶揄するものを揶揄しては同時にフェミニズム全体を揶揄することにつながることがわかりました。こちらの認識不足であり、以後気を付けます。

 

すなわち、セクハラ被害者が、告発・抵抗できない背景には性差別があるということだ。従って、zeromoon0さんのいう「本当に悪いのは一体誰なんでしょうか」の答えは、フェミニストとしては、性差別構造に日々加担している「あなた(zeromoon0さん)」だということになる。そして、<本当の>セクハラの問題解決とは、性差別の解消である。

 

 適当にぼかして誤解を与えるような文章にしてしまって申し訳ないのですが、「本当に悪い」のは「現実の個人女性の抗議を受け付けない社会」であって、それによって抑圧される女性がいつまでも被害者から抜け出せないということが言いたかったのです。性差別に加担しているとまで言われてしまっては、自分の文章能力のなさを恥じるばかりです。

 

 性差別・性暴力の告発がいつも正しいわけではない。批判を受けることもあれば、誤りや歪曲があることもある。不当である場合は、丁寧にどこが間違っているのかを批判しなければならない。その労を惜しんで「あいつらは<ネトフェミ>だ」ということは、何の意味もない。

 

 こちらも最もな意見だと思いました。「この部分が間違っている」という言及は例の謝罪と同様いらぬ火種をまき散らすと思ったので省きました。事後で後出しじゃんけんのようで申し訳ありませんが、ひとつ確認させてください。例の記事から引用します。

 

そこに上司らしきメガネ男が登場。
こいつがセクハラを連発する。

いきなり、「顔が疲れてる、寝てないの?」と失礼な発言。
女性が「普通に寝ましたけど」、って答えると、なんと「寝てそれ?www」、と小馬鹿にする。

 

 この記述だけ見ると、「顔が疲れている」という言葉だけならセクハラにあたりません。それならば男性は下手にいたわりの言葉をかけられなくなります。「需要が違う」などの発言はセクハラにあたると思いますが、この第一声でセクハラと断じるのは偏った意見であると思われます。また男性の台詞の抜出には「ww」という相手をバカにしたスラングが表記されており、最初から客観的な視点で論じる意図を感じません。

 

 この記事以外にもたくさん客観性を欠いた発言が見られます。その言説を丸ごと鵜呑みにして拡散させる行為も全体のイメージを損ない、「いいフェミ」や「悪いフェミ」というのではなく「差別意識を深める煽動者」であるというのが元記事の主張です。「フェミニストと煽動者は無関係である」と自分は思っています。

 

 今回の事例は「痴漢冤罪で男性を貶める女性が悪いのではなく、全面的に痴漢が悪い」ということに近いと思います。もし自分の認識が間違っていたら申し訳ないのですが、男性優位の社会がよくないとはいえ男性を貶めて女性の被害を演出する行為は全くフェアでないと思います。もしフェアでない状況も容認した状態で差別を解消するのがフェミニストの使命であるのであれば、自分はフェアな状態を勝ち取る差別主義者でいいです。以上です。

 

 

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